FACT BOOK
FCX CLARITY
FCX CLARITY 2008.11.23
ずっとずっと、クルマがよろこびに満ちた存在であり続けるために。そのカギを握るのが「燃料電池車」です。
Hondaは、クルマのエネルギーそのものを見つめ、環境課題に取り組んでいます。
クルマが抱える環境課題。それは、ガソリンや軽油といった石油からの燃料を消費することによるもので、
大きく分けて3つが考えられます。
1つめは、排出ガスに含まれる有害物質による、地域的な大気汚染。
2つめは、燃料消費で排出されるCO2による、地球規模の温暖化です。
世界のCO2総排出量の内、クルマの走行による排出量は約19%を占め、運輸部門全体では約23%とされています。
そして3つめが、石油をはじめとする化石資源そのものの枯渇で、採掘可能な年数は、40年ともいわれています。
こうしたなかでHondaは、大気汚染物質やCO2などの排出を可能な限り低減させたクルマづくりを進める一方で、
これらの環境負荷物質を排出せず、しかも化石資源を燃料としない、
水素を使った次世代エネルギー車、「燃料電池車」の開発に取り組んでいます。
※出典:IEA、CO2 Emissions From Fuel Combustion 2006 Edition Sectoral Approach
■環境課題へのHondaの取り組み
環境課題へのHondaの取り組み
■世界のCO2排出量の推移(1950年〜1996年)
世界のCO2排出量の推移(1950年〜1996年)
出典:オークリッジ国立研究所 二酸化炭素分析情報センター(米国)推計値
産業革命以降に急増した、石油・石炭など、化石燃料消費により[温室効果ガス]が急増し、地球の気温上昇が予測されるようになりました。温室効果ガスの代表は、エネルギー消費に伴う二酸化炭素(CO2)であり、1990年度からの推移は、民生、運輸部門の排出量が増加しています。
■主な資源の採掘可能年数(2000年現在)
主な資源の採掘可能年数(2000年現在)
出典:環境省「環境白書 平成14年版」
クルマに関わる資源には、石油資源と金属資源に大別されます。石油は、採掘可能年数は長期化傾向にあるものの、今後の消費の伸びを考えると絶対量は減少することが危惧されます。また、現在、1カ月に世界で採掘される鉱物資源は、産業革命以前の消費総量をはるかに超えるといわれています。
「水素」を使って環境課題を一気に解決する。それが燃料電池車です。
Hondaはこれまで、大気汚染の抑制については、1972年にCVCCエンジンによって世界で初めて
マスキー法をクリアし、排出ガスのクリーン化にいち早く対応。その後も排出ガス浄化性能の向上を進めています。
また、温暖化の抑制については、ガソリンエンジン車のさらなる低燃費化を進める一方、
ハイブリッド車や次世代ディーゼルエンジンの開発などによって、CO2排出量の徹底的な低減に努めています。
そして、こうした取り組みとともに、燃料電池車の開発を積極的に推進。
一般のクルマは、石油から造られたガソリンや軽油などが燃焼することで環境負荷物質を排出します。
しかもこれらは枯渇が懸念されている化石資源です。
これに対して燃料電池車は、「水素」をエネルギー源に使用。化石資源を使うことなく走行できるため、
クルマが抱える環境課題を一気にクリアできるのです。
さらに水素は、さまざまな物質に含まれ、再生も可能なため、
クルマのみならず将来の社会にとっても理想のエネルギーとして注目されています。
究極のクリーン性能を実現する燃料電池車。
ガソリンタンクに替わる水素貯蔵タンクに充填された水素を、燃料電池によって大気中の酸素と反応させて電気を発生させます。電池というより、小さな発電所といったほうがイメージしやすいかもしれません。クルマのなかで造った電気でモーターを駆動させ走行するため、CO2をはじめ環境負荷物質の排出はゼロ。排出するのは電気を造る際に出る水だけという、究極のクリーン性能を実現します。 究極のクリーン性能を実現する燃料電池車。

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