DOMANI - 1992.10


DOMANI
DOMANI
 

TECHNICAL NOTES




SUSPENSION
熟成を重ね、さらに進化した
4輪ダブルウイッシュボーン・サスペンション。

ホンダがつねに熟成を重ねてきた、ハイレベルな4輪ダブルウイッシュボーン・サスペンション。きもちいい走りをもたらす最大の要件である、快適な乗り心地を得るために、サスペンションにも入念なチューニングを施しました。
高い限界性能を維持しながら、しなやかで軽快な乗り味を向上させるために、ダンパー特性やスタビライザーの前後バランスを改良。さらに新設計のスライドブッシュを採用するなど、さまざまな走行条件下で充分なコンプライアンスを確保。格別な乗り心地を実現し、ドライバーがクルマをコントロールしやすいサスペンションに仕上げています。またタイヤについても、コロガリ抵抗を下げ低燃費化を図るとともに、乗り心地や操安性も向上させています。


フロント・ダブルウイッシュボーン・サスペンション
フロント・ダブルウイッシュボーン・サスペンション

リア・ダブルウイッシュボーン・サスペンション
リア・ダブルウイッシュボーン・サスペンション
(ABS装着車/FF車)



しなやかな乗り心地と高い安定性をめざした、
バネレート&ダンパーチューニング。
サスペンションのバネレートをフロント・リアともに下げ、路面の変化をソフトに吸収させるとともに、フロントサスペンションのストロークをバンプ側・リバウンド側とも伸ばし、よりスムーズにショックを吸収。バンプストッパーラバーも延長して容量をアップし、補助バネの役割をもたせることで、バネ特性の向上を図っています。こうしたチューニングによって接地性を高めることで、乗り心地を向上させると同時に、さまざまな走行シーンで安定した操縦性をもたせました。
さらにダンパーには、応答性が高く最適な減衰力をもたらすHPV(ホンダ・プログレッシブ・バルブ)をもつ、高性能ガス封入ダンパーを前後に採用。シリンダーサイズもアップさせ、ダンパーの効きを大幅に向上させています。減衰容量が格段に大きいため、熱劣化が少なく耐久性にも優れています。


フロントのロールセンター高を下げ、さらにL字形ロアアームを採用。
フロントのアッパーアームとロアアームのボディ取り付け点を、剛性アップを図りながら下げ、ロールセンター高を低下。適度なロールを許容し、路面にしっかりと駆動力を伝えることで、アクセルON状態でもタイヤスリップを抑え、荒れた路面でも素直で安定したコーナリングをもたらします。
しかもフロントのロアアームには、ひとつのサブフレームに一体で取り付けられたL字形ロアアームを採用。路面の突起を通過するさいタイヤにかかる前後方向の外力などは、ロアアーム後端のコンプライアンスブッシュが吸収するなど、ほとんどの衝撃を内力化する構造にし、乗り心地をさらに向上させました。また、タイヤからの前後入力を受け止めるサブフレームの位置を、剛性の高いサイドフレーム後端に設定することが可能となり、キャビンへの振動伝達を最小限に抑えています。


ドマーニならではのしなやかな脚をめざし、
新開発・スライドブッシュを採用。
ラバー焼き付けブッシュにスライド機構をもたせた、スライドブッシュを新開発。リアサスペンションのトレーリングアームを支持するコンプライアンスブッシュとして導入しました。水平回転方向の可動に加え、ブッシュが左右方向にスライドすることで、サスペンションの動きに対してもラバーのこじれが少なく、ラバー本来のショック吸収力を発揮します。これにより、リアサスペンションのコンプライアンスを充分に確保しながら、路面の凹凸や段差での突き上げなどによる、ボディへのショック伝達を大幅に低減。乗り心地を高めながら、しなやかな走りを実現しています。


スライドブッシュ スライドブッシュ断面図



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