CIVIC - 1995.09


CIVIC
FACT BOOK
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テーマ(1)



独自の機構を取り入れ、信頼性、耐久性にすぐれた無段変速機構を実現。
■ドリブン軸配置発進クラッチ
ホンダマルチマチックが従来の無段変速機と大きくちがうのは、耐ストール性の高い新開発の湿式多板発進クラッチをドリブン軸に配置したことです。これにより、スムーズな発進性を確保したほか、車庫入れなどを容易にするクリープの設定も可能になりました。また、正常な変速制御を行なうにはプーリーが回転している必要がありますが、発進クラッチをドリブン軸に配置したことにより、停車時もプーリーが回転しているため、従来困難とされていた急停車直後のスムーズな発進性も確保しています。さらに、牽引される場合など、タイヤからの逆入力をカットでき、駆動系の保護に貢献しています。
 


発進クラッチ配置
発進クラッチ配置
独自の油圧制御
低圧、高圧の2系統のプーリー油圧を4ウェイバルブを介してドライブ、ドリブン各プーリーを制御する方式で、低圧でベルトの伝達容量を、高圧と低圧の差圧で変速制御を行なうホンダ独自のものです。
スリム構造
FF車のパワーユニットとして最適な形状とするため、プーリー構造部のドライブ、ドリブンそれぞれの固定プーリー側のスペースに前後進切り換え機構と発進クラッチを対向配置し、システム全体の幅をスリム化しています。
また、エンジン出力を伝えるインプット軸をドライブ軸に貫通させ、前進時に回転するベアリング数を最少とするなど、フリクションロスの少ない理想的な構造としています。
デュアルマスフライホイール
専用のデュアルマスフライホイールを新開発しました。これにより商品性を向上すると同時に、エンジンとのダイレクトな接続が可能となり、スリップロスがなくなるため、燃費の向上に大きく寄与しています。
高効率オイルポンプ
プーリー制御油圧は、高油圧を必要とするため、オイルポンプを別体化し、理想形状とすることで、高効率を実現しています。
■新開発金属ベルトの採用
オランダのVan Doorne’s Transmissieb.v.が新開発した金属ベルトを採用。これをホンダマルチマチックと組み合わせ、徹底した評価、解析を行ない、双方の長所を生かして、高出力の対応と幅広いレシオレンジの両立、そしてすぐれた静粛性を実現しています。
金属ベルトは、1束12枚から成る2束のリングと、数百枚のエレメント(金属製のコマ)で構成されています。
金属ベルト構造図

●金属ベルト構造図


 
●ホンダマルチマチック構造図
ホンダマルチマチック構造図




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