CIVIC - 1995.09


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1.5Lクラス最高レベルの高出力130PS/7,000rpmと10・15モード20km/Lの低燃費を両立した3ステージVTECエンジン。 
 
高出力と低燃費の両立というエンジンのひとつの理想に対し、つねにその時代における最高の性能を提示すること。この開発思想にもとづき、ホンダは今回さらに先行く高い目標を掲げ、これを高次元で具体化することをめざしました。
その核となったのが、独自の可変バルブタイミング・リフト機構の飛躍的な進化です。
これは、エンジンの低回転、中回転、高回転の3つの領域での吸気バルブタイミングとリフト量の最適化を追求。低回転域では希薄混合気下での安定燃焼を確保することで低燃費を達成し、中回転域では豊かな中速トルクを確保、さらに高回転域ではハイパワーを達成します。まさしく日常走行のあらゆる領域において、高効率な出力コントロールを実現した画期的なエンジンです。
加えて、さまざまな高出力と低燃費へのアプローチを行なうことにより、結果として最高出力130PS/7,000rpm、最大トルク14.2kgm/5,300rpm、10・15モード燃料20km/L(シビック)を達成しています。
●シビックVTi、シビックフェリオViに搭載。
*ネット値。*数値はすべて5速マニュアル車のものです。
 


3ステージVTECエンジン構造と作動。
 
この新エンジンは、吸気側に形のちがう3つのカムをもつ1本のカムシャフトと、2つの油圧路を有するロッカーシャフト、さらに2つの油圧ピストンを内蔵したプライマリー、ミッド、セカンダリーの3つのロッカーアームで構成されています。
低回転域では、ほぼ1バルブ休止状態となり、燃焼室内に最適なスワール(渦)を生成させることにより、希薄燃焼を可能にし低燃費を実現します。
中回転域では、ECU(Electronic Control Unit)からの信号により油圧回路がひとつ開いて、2本のロッカーアームが連結。プライマリーロッカーアーム側のカムによって2つの吸気バルブが駆動され、中速トルクを確保します。
さらに、高回転域ではもうひとつの油圧回路も開き、3つのロッカーアームが連結。ミッドロッカーアーム側のカムによって高速バルブタイミング・リフトとなり、ハイパワーを生み出します。
このように3つのカムを回転域に応じて使い分け、バルブタイミングとリフト量を文字通り3ステージに切り換える、いままでにない高度な機構です。 
 

3ステージVTECエンジン

3ステージVTECエンジン
  

低速・中速・高速バルブタイミング・リフト切り換え作動図

低速・中速・高速バルブタイミング・リフト切り換え作動図

低時速 中時速 高時速

ロッカーシャフト構造図

ロッカーシャフト構造図





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