CIVIC - 1992.07

CIVIC
シビック20年の歩み
 
シビックの変遷

1986●昭和61年

  ビスカス・カップリングを搭載した
〈リアルタイム4WD〉誕生
シビックシャトルにホンダ独自の生産技術によるビスカス・カップリングを搭載した、〈リアルタイム4WD車〉を発売しました。従来の4WDから1歩進んで、前・後車軸間に回転差が生じた場合にも、最適な駆動力を瞬時に自動的に前・後輪に配分。刻々と変化する路面状況にもスムーズに対応できるようになりました。面倒な2WD→4WDの切り替え操作も不要となり、4WDの使い勝手をさらに向上させました。
また同時に、シビック・シリーズの装備も充実させています。

〈主な特長〉
 
CVCC・水冷直列4気筒横置SOHC・EW型エンジン
排気量:1,488cc
最高出力:90PS/6,000rpm
最大トルク:12.8kgm/3,500rpm
日本初の精密冷間鍛造法によって、軽量で耐久性に優れたビスカスカップリングのハウジング。
ケース内のプレートの形状、平坦度、プレート間のクリアランスなど全部品を高い精度で製造。
高粘度、低流動性のシリコンオイルを短時間で注入する独自のシステム。

〈価格/発売タイプ〉

昭和61年9月9日発売 (単位:千円)
タイプ 地区
東京 名古屋 大阪 福岡 仙台 札幌
リアルタイム4WD
RT-M
1,3381,3401,3441,3591,3541,372
リアルタイム4WD
RT-J
1,5101,5121,5161,5311,5261,544
※注 1. リアルタイム4WD車は、マニュアルミッション車のみとする。 (スーパーロー付、前進6段)
2. 電動ガラスサンルーフ仕様は8万円アップ (RT-Jタイプに設定)
3. 上記以外のシビックシリーズの価格は据え置きとする。

シビック シャトル リアルタイム4WD RT-J
シビック シャトル リアルタイム4WD RT-J

ビスカス・カップリング&リアルタイム4WD
V.C.とはビスカス(粘性)とカップリング(継手)というように、駆動力の伝達を機械的な連結に頼らず、シリコンオイルの粘性を利用して行うものです。
このシステムは通常走行では、前輪と後輪とが原則として同じ回転となり、ほぼFF走行状態となっていますが、前後車軸間に回転差が生じた場合、プレート間に満たされたシリコンオイルがせん断され、そこにせん断抵抗が発生し、駆動力が伝えられます。駆動力は、前後車軸間の回転差が大きいほどせん断抵抗が強まり伝達される駆動力は大きくなります。ホンダは、そのV.C.を前後車軸間のプロペラシャフト間にレイアウトすることにより、例えば滑り易い路面で、前輪がその駆動力を路面に十分伝えられなくなると、瞬時に後輪にも駆動力が伝達され、前後輪の間で最適な駆動力配分とするような、エンジンの出力を有効に伝えることのできるリアルタイム4WDを完成しました。
4WDの機能が求められる雪道や砂地などでの走破性から、車庫入れなどの小回りまであらゆる状況に瞬時に適応するリアルタイム4WDは、構造的にはパートタイム4WDなみにシンプルであり、フルタイム4WDの構造上の複雑さと重量増を解決し、コストパフォーマンスにも優れた新しい4WDです。
 
V.C.
 

  1000万台記念に〈ホワイトシビック〉
ホンダFF車、生産累計1000万台達成。
これを記念して、独創的なデザインとスポーティな走りで好評のシビック3ドア25iをベースに内外装と装備をともに充実させた特別仕様車〈ホワイトシビック〉を限定販売しました(2,000台)。




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