CIVIC&CR-X - 1987.09


CIVIC & CR-X
FACT BOOK
CIVIC&CR-X
 CHASSIS & BODY

軽量・高剛性の、高性能モノコックボディ。
クラスを超えた乗り心地と静粛性を実現。

エンジンやサスペンションなど、車のすべてのパーツはボディにマウントされ、走行中のすべての応力はボディへと伝わります。ボディは、車にとっての骨格であり、その設計のレベルが、車全体の性能を決定してしまいます。ホンダは、最新のコンピュータによる解析技術を駆使して、ボディを設計。不快なねじれやきしみ音を抑え、優れたハンドリングと乗り心地を実現する高剛性ボディを生みだしました。



一体化されたフレームボディ構造
フレームボディの構造を見直し、サイドシルやリアフレーム間をつなぐ主要部材の断面積をアップ。その上で、フロントフレーム部分のキャビン側センターボディへの取り付けを改良し、フレームボディを強固に一体化。剛性を向上させています。

BODY UNDER FRAME


拡大された各ピラー断面
フロントピラー、センターピラー、クォーターピラー、ルーフサイドレール、そしてサイドシルなど、モノコックボディのほとんどの断面形状を変更。軽量化を図りながらも、大幅に剛性をアップさせることができました。

サンドイッチ構造ダッシュパネル
エンジンルームと居住空間をへだてるダッシュパネルには、サンドイッチ構造を採用。2枚のスチールパネルの間に、静粛性を高めるインシュレーション材をはさみ、パワートレーンや路面からのノイズを抑えています。

フラッシュサーフェス・サッシュドア/ピラー構造
ピラーやルーフ部との段差わずか5mm。フルドアに匹敵するフラッシュサーフェス化を実現した新開発のサッシュドア。サッシュとピラー間のメインシールを3重構造とすることで、風切り音、および車内への風もれ音を大幅に低減。さらに、ピラーやサッシュ部は視界を妨げないようにスリム化しました。
高速走行におけるノイズの大半を占める風切り音を、ボディのフラッシュサーフェス化やドアミラー形状の改良、3重ドアシールの採用などによって低減。さらにサンドイッチ構造のダッシュパネルによって遮音性も向上させています。そして、それらに加えて、高性能のアンチN.V.H.(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)フロアを開発。静かで、揺れや振動の少ないきわめて快適な乗り心地を実現しています。



新型 従来型
新型

■Aピラー断面

従来型


新型 従来型
新型

■ルーフサイドレール断面

従来型


新型 従来型
新型

■サイドシル断面

従来型

ダッシュパネル断面
■ダッシュパネル断面



高性能アンチN.V.H.フロア
クルマのフロアを構成するフレーム、パネル、そして制振材(メルシート)のそれぞれに対して振動メカニズムをコンピュータによって解析。その結果、高性能なフロアの開発に成功しました。まず、フロアについては、フロアトンネルのチェンジレバースチフナーを2重トンネル構造とし、ボディ構造部材としても効果的に使用。同時に、幅の広いフロアフレームを採用。次に、フロアパネルについては、左右を非対称の曲面構成とした上で、ビート形状を改良し、フロアパネル全面にディンプル加工を施しました。これによって、フロアパネルの振動特性が大幅に改善され、従来比で10dBダウンしています。そして、制振材。これは、ペイントの焼き付け工程中にもとの倍の厚さに膨れるという新開発の発泡メルシートを採用。重量を増やすことなく、インシュレーション効果を向上、制振性能を高めています。これら、フレーム、パネル、メルシートなどすべてにわたる改良によって、軽く、遮音性が高く、しかも振動の少ない画期的なフロア構造が実現しました。



新型 従来型
遮音性能図(シビック3ドア)
新型

■フロアパネル断面

従来型

 ■遮音性能図(シビック3ドア)




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