CIVIC&CR-X - 1987.09


CIVIC & CR-X
FACT BOOK
CIVIC&CR-X
SUSPENSION


安定した走行性と自然なフィーリングを生むトー・コントロールシステム。
走行中、刻々と変化する路面状況や、コーナリング、ブレーキング等によって、タイヤにはさまざまな外力が加わります。その際、不必要なトー変化が発生すると、車の姿勢に不自然さを与えがちです。このダブルウイッシュボーン・サスペンションは、各リンクやブッシュの巧みな設定によって、トー変化を起こしにくい安定した自然なドライブフィーリングを提供します。

ゼロ・バンプステア(フロント&リア)
たとえ舗装された道路でも、路面にはさまざまな凹凸があります。走行中のタイヤはこれに影響され、意図しない細かなステア変化を起こそうとします。このサスペンションは、路面の凹凸による上下動や突起乗り越えの際にも的確なリンク配置によってステア変化を最小限とし、タイヤを進行方向に保ちます。特にリアはコンペンセーターアームによりトーをコントロール。優れた直進安定性を発揮します。

ゼロ・コンプライアンスステア(リア)
路面の凹凸やブレーキングによってタイヤにはリア・フォースが加わります。この時まず、タイヤに伝わるショックを充分な柔軟性(コンプライアンス)を持ったブッシュで吸収し、しなやかな乗り心地を確保。その上で、ブッシュの変位によるトー・アウトを巧みなリンク配置によるジオメトリーのトー・イン設定によって打ち消すゼロ・コンプライアンスステアを実現。これによって、操縦性を損なうことなく乗り心地を向上させることができました。

ゼロ・サイドフォースステア(リア)
コーナーリング中、タイヤにはサイドフォースが加わります。その際、リアサスペンションは、サイド・フォースを分散して受け止め、ロアアームとコンペンセーターアームの配置及びブッシュ剛性の適正化により、サイドフォースによるトー・アウト現象を排除したゼロ・サイドフォースステアを実現。これらによって、クイックで安定したレーンチェンジやコーナリングを可能にしました。

ゼロ・対地キャンバー(コーナリング時)
旋回中、タイヤの持っている性能を100%生かし切るためには、タイヤは常に路面に対して垂直であることがベスト。このサスはみじかいアッパーアームと長いロアアーム及びそれぞれのリンクの張り角によりキャンバーをコントロール。旋回時に、ほぼ0°に近い対地キャンバーをキープ。レスポンスの良い、高いコーナリング性能を発揮します。

アンチダイブ/アンチリフト・ジオメトリー(ブレーキング時)
ブレーキング時には、車の慣性力によるピッチングモーメントのためにノーズをダイブさせ、テールをリフトさせようとする力が発生します。このサスは、フロントはハイ・キャスターアングルによってブレーキング時のノーズ・ダイブを抑制。また、リアは、トレーリングアームでブレーキングトルクを受けることにより、タイヤを押し上げ、ボディを押し下げる力を発生。テールリフトを抑制します。この結果、ブレーキング時でも安定した姿勢を維持しながら停止することが可能となりました。

低フリクションダンパー
テフロン圧着ピストンリングの採用により、摺動時のダンパーフリクションを大幅に低減。また、リークしようとするオイルを樹脂リングで防止し、ダンパー減衰力の安定化を図り、乗り心地を一段と向上させています。

ガス封入ダンパー
キャビテーション(気泡)の発生しにくいガス封入ダンパーを全車のリアに採用。S字カーブ走行や、レーンチェンジの際にボディの姿勢に安定感をもたせます。また、シビック3ドア(Si、Siエクストラ)、CR-X(Si)にはフロントにもガス封入ダンパーを採用。アクティブなスポーツ走行にしっかりと対応しています。


4輪ディスクブレーキ
パワフルな走りに対応して、4輪ディスクブレーキを装着。安定感のある確かな制動力を発揮します。(シビック3ドアSi、Siエクストラ。4ドア36i。CR-X Si。)
前輪は、放熱効果に優れたベンチレーテッドディスクとしました。(シビック3ドア23U、23L、25Rを除く。4ドア35U、35Mを除く。)


ゼロ・バンプステア
■ゼロ・バンプステア
ゼロ・コンプライアンスステア
■ゼロ・コンプライアンスステア
ゼロ・サイドフォースステア
■ゼロ・サイドフォースステア




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