インテリア・デザインのテーマは新しい快適性の追求でした。十分な居住性と心やすらぐ快適空間の創造をめざし、視覚的な広さや使い勝手、質感にとどまらず、聞くことや触れることまでもトータルに考えた、乗る人すべてにやさしいフレンドリー・ダイナミックインテリアです。
キャビンは、ガラスエリアの広いサッシュレス構造とすることにより、クリーンな視界と解放感を実現し、心理的な圧迫感のない快適な空間を確保しました。またハードトップとしての視覚的な楽しさはもちろん、パッセンジャーをも安心感で包み込むように、肩から上の空間を広くゆったりと、肩から下の空間を適度な包まれ感のソフトサラウンドスペースとしています。これによって爽快感と安心感を高い次元で融合させ、従来のハードトップのタイトなイメージを払拭する快適なスペースを確保することができました。
インストルメントパネルは、スポーティななかにやさしさを感じさせるデザインです。新デザインの水平指針球面4眼メーターは、スピードメーターとタコメーターを大型化(メーター径はともに106φ)することによって優れた視認性を得ています。また、照明色は夜間の視認性に優れ目にやさしいアンバー色を採用しました。ステアリングのデザインもスポーティな3本スポークタイプ(SRSエアバッグシステム装着車を除く)です。インパネ下部とコンソール側面にはドアライニングと同じ布貼りで、やわらかなデザイン処理を施し、フロアカーペットも吟味するなど、上質で洗練された雰囲気を醸し出しています。フロントシートは、適度なホールド感を持ちながら軽快なデザインとすると共に、シートバック裏面をニーエスケープ形状にすることによってリアシートに座る人の快適性も配慮しました。また、実用性の高いホスピタリティスペースも特徴のひとつです。ドアポケットやドライバーズポケット、コンソールボックスを大型化し収納性の優れたものにしました。センターコンソールには便利なカップホルダー(2WS車)も装備しています。アスコットイノーバの優しさはキャビンだけにとどまりません。ハイデッキを採用することによって、ビッグなトランクスペースを実現しました。大型スーツケースが3個、ゴルフバッグなら4つ収納でき、荷物の出し入れがしやすいように、トランクリッドの開口部も幅広の下見切りを採用しています。リア席のアームレストスルーや、トランク内のフロア面、両サイドにも小物を収納するスペースを確保するなど、使い勝手を考えたトランクルームです。 |