Me and Honda, Career Hondaの人=原動力を伝える Me and Honda, Career Hondaの人=原動力を伝える

Me and Honda, Career Hondaの人=原動力を伝える

大きな目標でも必ず達成できる。データエンジニアが大切にしている想い

徐々に一般的になりつつある「つながるクルマ」コネクテッドカー。Hondaにはその鍵を握るデータの利活用を促進する部署があります。氏家は長く四輪開発の経験を積むなかで、データの利活用の重要性を感じてIT領域に異動し、これまでの経験を活かして活躍しています。氏家がどのような考えのもとこれまでの業務に取り組んできたか、自らの経験を振り返りながら、HondaのIT領域で働く魅力を語ります。

氏家 弘智Hironori Ujike

デジタル統括部 ECMシステム部 サービス・データプラットフォーム課

2006年Hondaに入社し、四輪開発の経験を積む。2020年に現在の所属となり、コネクテッドカーを中心とした社内外のデータ利活用の基盤を整える。社内の業務表彰を受賞。

ECM: Engineering Chain Managementの略。製品の研究開発領域の管理。

データ利活用を促進する部署でデータの収集や研究開発・品質部門とのプロジェクトを進める

サービス・データプラットフォーム課では、コネクテッドカーを中心とした社内外のデータの利活用を進めています。氏家の主な役割は、データエンジニアリンググループのチームリーダーとして基盤を整えることです。

氏家 「クルマそのものから得られる情報だけでなく、会社内の生産拠点からのデータや気象データなどを収集し、いかに正確かつわかりやすい形で情報を提供するかというデータエンジニアリングを担当しています。非常に多種多様なデータを収集していますね。

Hondaは2002年頃からカーナビのデータ収集をはじめていました。集めたデータは分析に回し、活用できるようにする仕組みづくりを進めています」

2022年10月現在、データエンジニアリンググループでは主に、開発部門と協力してクルマからデータを取得したり、取得したデータをスクリーニングし、統計処理等で分析した結果を可視化したり、「こんなデータがほしい」と希望する他部署の社員とプロジェクトを進めたりしています。

また、データを分析するためのクラウド(サーバー、データベース)の開発と運用も同時に担当しています。

氏家は2006年、新しいことにチャレンジできる会社である点に魅力を感じてHondaに入社しました。

氏家 「当時はロボット研究に惹かれ、今後も新しい製品を生み出せそうな可能性を感じてHondaに就職することにしました。現在は会社全体が新しいことをしようと加速しているので、そんな環境で仕事ができているのは希望どおりですね」

四輪開発で多くのプロジェクトに携わった後、IT領域へ

Hondaに入社してから現在の所属になるまで、氏家はずっと四輪の開発部門で働いていました。

氏家 「最初はSH-AWD(Super Handling All-Wheel-Drive)という四輪駆動システムに携わり、左右の駆動力を適切に分配して、安全に楽しく走行するための制御ユニットを開発しました。その後エンジン制御ユニットに異動し、エンジンの開発や研究をしながらさまざまなステークホルダーと一緒に新しいパワートレインの研究もしていましたね。

クルマ作りの流れや各種検証の考え方、設計構想などもエンジン開発で学びました。そのときに、CR-Vというクルマの開発で、電装領域のプロジェクトリーダーも務めています。

それまではユニットの開発という観点で見ていましたが、CR-Vのプロジェクトではどのようなクルマをお客様にご提供するかという最初のコンセプトから工場で生産して提供するまでのプロセス全体を経験しました」

開発を幅広く経験した氏家が2020年にデジタル統括部へ異動したのは、データの利活用に注目したからです。

氏家 「現在、自動車業界は変わらなければならない状況に直面しています。そのなかで、データの利活用をさらに加速させるべきだと課題感を持っていたため、データに関わる部署を希望し、配属が叶った形です」

データをこれまで以上に利活用していく必要性を感じたのは、会社の方向性だけでなく、開発のプロジェクトに携わってきた経験も関連しています。

氏家 「開発でプロジェクトリーダーもさせてもらい、多くの方々と情報や目的を共有しながら仕事をするなかで、関係者のベクトルが合うと、課題や問題を必ず解決できることに気づきました。こういったプロセスをもっと広げていけば、よりよい価値を提供できるのではないかと考えました。

会社のトップメッセージとして大きく変わらなければいけないという発信もあり、自分はどのようなことができるか考えた結果、新しいところに飛び込んで人の役に立ちたいと思ったんですよね」

ベクトルが合うと、困難を乗り越えられる。氏家がそう感じたきっかけのひとつが、東日本大震災時の対応でした。

氏家 「当時私はクルマの制御ユニットの開発に携わっていましたが、震災によって取引のあったメーカー様の工場が稼働しなくなってしまい、制御ユニットが一部作れなくなりました。

このままではお客様にクルマをご提供できないという状況になり、通常であれば何年もかけて検証や開発をする対策に対して短期集中でスピード感をもって対応しました。その結果、遅延を最小限に抑え製品をリリースできたんです。皆が集まって同じ目的に向かい、方向性を合わせると困難は突破できると実感しました」

多くの方と協力し、データ利活用を促進した結果、業務表彰を受賞

デジタル統括部に異動してから、氏家はこれまでとは大きく異なる新しいビッグデータに携わっています。

氏家 「新しく関わることになったITの業務も、今までの経験が大いに活きています。これまで一緒に仕事をして関係性を築いてきた方々と今も一緒に仕事をする機会が多く、信頼関係がある状態で情報やデータをやりとりしています。これまでの取り組みや、そこで培った人脈は仕事を進める上でとても重要だと感じています」

氏家は主に、データの最適化の業務を担当しています。取得したクルマのデータについて、意図しないデータや重複している情報は取らない、要求に合った形にするなど標準化したものを規格として発行しています。
また、データはクルマのシステム全体から取得しています。そのため、各システムが生成するデータ(トルクや加速度、センサ情報など)の物理現象や仕組みをエキスパートと議論して理解する必要があります。データを理解した上で、データを組み合わせたり加工したり情報としてまとめ、お客様のトラブルの早期解決や、心地のよい運転体験の提供につなげることを目指しています。

そして2021年9月、氏家とチームメンバーはデータ最適化を通じたコスト削減と利活用体制の強化というテーマで業務表彰されました。

氏家 「これまでのコネクテッドカーデータの仕様は、多くの要望を都度整合して構築してきたため、重複があったり用途未定の項目が含まれていたりしました。そこで、1,000を超えるデータ収集仕様の重複を最適化し、15を超える関連部門との整合に尽力したんです。

新たな収集設定ファイルの配信を行い、市場にあるクルマのアップデートを1カ月で行った結果、30%を超えるデータ量の削減と20%のサーバー運用費の削減に成功しました。

さらに、データ活用状況を可視化して管理していく基礎を作り、1年弱でデータを活用する部門が2倍以上に増加したんです。コストの削減やノウハウの確立につなげられたのはよかったですね」

氏家が成果を出せたのは、四輪開発の経験で現場を知っていることに加え、新たな関わりのなかで仕事ができたからでした。

氏家 「デジタルの部署に異動してきて、これまであまり関わりのなかったIT系の方々と一緒に仕事ができ、新たな知見を得られました。車両開発の経験がありコネクテッドのエキスパートでもある上司もいたので、情報や技術を教わりながら仕事ができましたね。

多くの方と協力できたことで、コスト体質とデータ利活用促進体制の強化が達成できたと思っています」

リーダーとしてメンバーをまとめ、目標達成のために動いている氏家。リーダーを務めるとき大切にしているのは、「役に立つものを出したい」という想いです。

氏家 「人や社会の役に立つものを提供したいという想いをブレることなく持っているので、関わる方に伝えるようにしています。Hondaでは個々人がエキスパートでそれぞれが打開策を持っているため、芯となる考えを共有すると勝手に走り出すようにプロジェクトが動いていくんですよね。

芯をとらえるためには、まずいろいろなものを見て自分で仮説を立てることが大切です。その後様々な人に話を聞いてもらったり見てもらったりして、異なる形に変えていく。そうすると、仮説が目標にピタリと合うときがきます」

自ら手を動かしてものづくりに携われるのは、HondaのIT領域ならではの魅力

2022年10月現在、氏家のチームでは、2050年に全世界でHondaの二輪・四輪が関与する交通事故死者ゼロとカーボンニュートラルを実現するという目標を達成するため、データ活用基盤を構築しています。

氏家 「かなり大きな目標ですが、達成できると思います。難易度は高いですが、Hondaにはさまざまなエキスパートがいるので、皆に早く正確な情報を提供できば課題を突破するスピードも加速していくはずです」

Hondaのデジタル統括部で働く魅力として、氏家は自ら手を動かせることと幅広い領域に携われることを挙げています。

氏家 「もちろん協力会社様に対応いただくこともありますが、Hondaでは自分たちでプログラムを書いたりデータを分析したり手を動かす過程を踏めます。転職してきた社員からは『Hondaでは自らモノづくり・コトづくりに携わっている実感を得られて楽しい』という声も上がりますね。

また、当課はIT領域のなかでも社内外のデータが集まる部署です。それゆえに四輪だけでなく二輪や汎用などHondaのさまざまな分野の方と一緒に仕事を進めることになるので、広い領域で仕事がしたい人に向いていると思います。

多様な価値観を持った人と関わるからこそ、新たな価値を創り出せる。変化を楽しみながら前向きに働ける人であれば、HondaのIT領域での仕事を一緒に楽しめると思います」

大きな目標の達成に向けて、これまで以上にデータが活用されるよう基盤を整えている氏家。

人や社会の役に立つものを出したいという想いを持って新たな分野に挑戦する姿勢を崩さず、これからもHondaのモノづくり・コトづくりに貢献していきます。

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