NSXトップ
Concept
Rへの期待 サーキットベストへの挑戦 ギャラリー
 
NSX-Rトップページへ NSXトップページへ
 
Rへの期待
   
  NSXにタイプRが復活する。こんなにうれしいニュースは久しくなかった。ここのところのミニバン・ブームでスポーツ系のクルマに対する風当たりが強かっただけになおさらだ。
タイプRとは、走りに定評のあるHonda車の中でも、際立ってスポーティなクルマにのみ冠される栄光のネーミングで、特にNSX-Rはその頂点に位置するステータスが与えられているのだから期待は高まる。
実際、新型NSX-Rプロトタイプに乗ったのだが、その走りは鮮烈だ。10年前にデビューした初代NSX-Rも、その強烈な走りっぷりから世界の注目を集めたわけだが、新しいNSX-Rはそのさらに正常進化した形として、およそ10年の技術の蓄積がふんだんに盛り込まれている。特に操縦安定性、高いコーナリング性能など、ハンドリング面での近年の技術開発は目覚しい。S-zeroやタイプSなどにも反映されてはきていたが、新型NSX-Rはそれらの集大成としてのコーナリング・アビリティを授けられているのだ。アシスト装置を持たないステアリングは重くハードだ。しかし一旦走り出せば、市街地でもスポーツカーらしいこだわりの範囲にあるだろう。そして、ひとたびサーキットに踏み込めば、心地よい汗をかかせてくれる。ハイスピードドライビングがスポーツ性の高い行為である、ということを改めて身体に目覚めさせてくれた。
新開発のマニュアル6速トランスミッションの正確なシフトフィール、サイズアップされたタイヤが発する強力なグリップ。NA3.2リッターV6ユニットとしては、これ以上望むべくもないほどに力強く、シャープな吹けあがりをするエンジンなど、まさに死角のない出来栄えだ。しかもこれらの高性能を、スポーツ性能追求の観点に相反する対処が必要となる厳格な現代の安全基準、環境アセスメントに準拠させているのだから恐れ入る。
NSX-Rの復活はあらゆる方面の技術の頂点として、ふたたびHondaの技術力を世界に知らしめるシンボルとなるだろう。
   
  ■プロフィール:中谷明彦(レースドライバー)
武蔵工業大学工学部機械工学科卒(塑性工学専攻)。大学在学中にチーム・スバルよりFJ1600に参戦。デビュー戦でポールポジションを獲得。以後入賞多数。さらに自動車関連のマスコミにも所属、ジャーナリスト活動を展開。 1985年にプロフェッショナルレーシングドライバーに転向。以後、1988年全日本F3チャンピオン獲得をはじめ、全日本F3000優勝(91年第二戦)など、あらゆる全日本選手権レースにおいて優勝を記録。海外では1989年ル・マン初参戦を皮切りに3回出場。他にも89マカオGP F3 4位、97同ギアレース4位、 87オーストラリアバサースト1000km5位、タイGP Gr−Aレース2位など、幅広く活動。
89年より日本カー・オブ・ザ・イヤーの選考委員を務め、多くの雑誌媒体に寄稿。また、ベストモータリング・ビデオ・マガジン(講談社刊)の専属レギュラーキャスター、編集顧問を歴任し現在に至る。 97年よりドライビング理論研究会「中谷塾」を主宰。
       
 


Rへの期待サーキットベストへの挑戦ギャラリー
NSX Top Page