これは、歯切りを終えたメインシャフトの研摩工程。ここでも高精度な仕上げのために、通常よりゆっくりとした回転速度で研摩を行う。

カウンターシャフトに取りつける1速ギアのシェービング工程。切削によるエッジ部分などの凹凸をきれいに取り去る。歯切りの精度はこの工程にも影響を及ぼし、最終的には熱処理の仕上がりにも響く。ギアの右側面の内側に見えるのがシンクロナイザーコーンの爪歯。

プラネタリーギアに多板クラッチを重ねた時点でのLSDの測定模様。部品を組み立てるだけではNSXのLSDは完成しない。規定のプリロードトルクを出すために丹念に計測し、シムで調整しながら組み立てる。通常の許容誤差が数ミリとすると、NSXはコンマ数ミクロンという厳しさ。

トランスミッションケースを削るマシニングセンターの切削工具。百を超える数がある。これらを順番に入れ替えながら削る。これは、テクニカルセンターの試作用マシン。NSXのものは、量産ラインではなくここで熟練工が加工する。

上側のギアはゲージで、下に、組み上げたシャフトをセットするとギアの選択に誤りがないかメーターのゼロ確認ですぐにわかる。また、手でギアを回し、メーター針の震えと指に感じる振動から、ギアの傷などを発見。場合によっては、やすりなどで調整を行う。

組み上げたトランスミッションをベンチに載せ、すべてのギアを回し五感と集音マイクからのデータで静粛性を最終確認する。これもNSXは全数に対し行う。また、実際のシフトノブをつけ、シフトフィーリングも確認。合格しないものは、容赦なくバラされる。


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NSX Press vol.22は1998年8月発行です。