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タイプSのベースはMT仕様のNSXで、3.2エンジンと６段ギアボックスこそノーマルモデルと共通だが、それ以外の大半の部分にスープアップの手が入れられている。
まずは硬派なスポーツカーの必須項目たる軽量化である。内装関係では、シートをレカロのフルバケットに換え、ステアリングホイールをエアバッグなしのMOMOに交換。電動パワーステアリングを装着せず、TCSとクルーズコントロールを外すなどした一方、外装では軽量リアスポイラーの採用とフォグランプの非装着、それにBBS製鍛造アルミホイールの標準化によって重量を削り取っている。その結果、放電灯ヘッドライトの標準化による若干の重量増を差し引いても、ノーマルのNSXクーペ電動パワーステアリング装着車に比べて約45kg、非装着車と比べてもおよそ30kgの減量が達成されて、カタログ車重は1,320kgと公表されている。
しかもこれは、パワーウインドウや電動リモコンミラーはいうに及ばず、オートエアコンやBOSEオーディオシステムさえも標準装備しての重量であることを記憶しておくべきだ。タイプSは硬派ではあるけれども、日常用途における利便性や快適性を、いささかも疎かにはしていないのである。
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