そして、ホンダの熱きスピリットをさらに熱くするのが新たに登場したタイプSであ る。パフォーマンスアップのベクトルは幹となるNSXと同じである。3.2リットル、6速、ブレーキ ディスクローター16インチ化による動力性能アップと、ステアリングインフォメーション と操作性を高めるシャシーチューニング。ただ、一層の軽量化と、よりハードな足回りに よって、パフォーマンスレベルはさらに研ぎ澄まされたものとなっている。詳細は後述す るが、ワインディングの走りをより感動的なものとする1台である。そういう意味で、以 前のタイプRとは位置づけを異にする。サーキットの走りのために徹底的なシェイプアッ プを施したタイプRに対し、タイプSは、電動リモコンミラー、オートエアコン、BOSEオ ーディオシステムを搭載した上で45kgの軽量化(NSX MTモデル電動パワーステアリング 装着車対比)を実現している。利便性を兼ね備えながら、走りを追求したモデル、それが タイプSである。

日常において、さらに熱い走りを望むオーナーのために用意された珠玉の一台であるとい えよう。

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NSX Press vol.19は1997年3月発行です。