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 さて、BBSならではのダイナミックな鍛造工程は、さらに2次鍛造、3次鍛造と繰り返されるのだが、これでもまだようやくホイールのディスク面(メッシュが刻まれたホイールの外側の面)と、外側のリムが成形されるだけで、インナーリムの方は、“スピンニング”と呼ばれる次なる行程を待たねばならない。スピニングとは、ディスク面のまわりに残されたアルミの塊を円筒状に絞り上げる工程。鍛造工程を経た材料を回転させ、鋼鉄製ローラーを十数トンもの力で型に沿わせて押しつけて延ばしていくのだ。これでほぼホイールの形に仕上げ、約12時間に及ぶ熱処理工程でホイールに硬度と靭性を与え、そのあと機械加工でインナーリム側を成型し、ショットピーニングと呼ばれる、小さな鋼球を打ちつけて表面硬化と耐久性を与える工程などを経て仕上げられる。

スピニングを待つNSXのフロントホイール。型どられたメッシュの間に残された薄膜は、切削加工によって取り除かれる。 スピニングされたNSXのフロントホイール。内側リム(写真下方)に向かって立ち上がる段差が“タントツ”衝撃試験に対する強度を上げたインナーリムの独自の形状。もちろんこれから機械加工によってきれいに成形される。
切断面にあらわれる、美しい鍛流線。成型された輪郭に沿って、きれいに鍛流線を揃えることが、強さの秘訣。この切断面に、世界の多くの技術者が感嘆の声を上げたという。

1987年、SEMA-AIA全米自動車用品ショーという世界で最も権威ある舞台で技術革新大賞を受けたこの鍛造技術の完成により、BBSの鍛造ホイールの歴史ははじまった。世界屈指の鍛造技術を持つワシマイヤーとの提携がなければ、それまで鋳造ホイールを製造していたBBSから鍛造ホイールは生まれなかったかも知れない。

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