サルトサーキット
検から予選の日にかけて続々とルマンにはスポーツカーがあふれだす。一番目につくのはケイターハム(スーパーセブンなど)である。彼らのたまり場は、ユノディエールのストレートの中程にあるレストラン24。ガードレールに沿って何十台もの列をなす眺めは壮観である。また、テルトル・ルージュにもバーがありルマン・フリークが思い思いのスポーツカーで乗りつける。ミュルサンヌやメゾン・ブランシュ、アルナージュなどから奥の小径にわけ入ると、それぞれににぎやかな商店街があり、そこで冷たい飲み物を飲みながら、徐々ににぎわっていくルマンを見るのも愉しい。
リに近いが、ルマンはベッドタウンではない。自然に満ちたルマンに住む人々は大都市に行きたがらない。TGVの開通を契機に、反対にパリからルマンの良い環境を求めて働きに来る人が出はじめたという。 曜日には、中世都市を
巡る馬車に乗ることがで
きる。
月の第一土・日曜日には、セノマール祭という盛大なお祭りが開かれる。中世都市の入り口はすべて閉ざされ、市民がコスチュームを身につけ中世の生活を再現する。フランス各地から大道芸人も集まる。赤と金の旗はその準備のはじまり。正面の城壁をくり抜いたのはナポレオンIII世である。
ンディアナポリス脇に広々とした邸宅
がある。彼女がその家のマダム・スティ
ゲルさん。F-1によく足を運ぶというモ
ータースポーツ好きのご主人は、毎年自
分の会社の顧客をこの庭に招待する。ジャーナリストが庭を無断で横切ろうとすると怒って文句をいいに来るらしいが、あらかじめ名刺を渡し了承を得れば問題はないとのこと。
マン駅から駅前通りをまっすぐ100mほど行った左にある中華料理店は、遅くまでやっていて日本のチームや取材関係者が集まる。ご覧のかわいい姉妹がフロアでてきぱきと料理を運ぶ。
ルマンディ、ドービール市からやってきたこのキャンプ場唯一のフランス人グループ。もちろん応援はプジョー。彼らはスタートから午後8時ぐらいまでスタンドで観戦し、そのあと順番に食事、仮眠をとり、レース状況を伝え合いながら観戦するという。もう、10年来通っている常連のファミリー。女性たちは家で留守番。しかし、年一度のお祭りを見に行く男たちを毎年気持ちよく送り出してくれるらしい。 ザンプトンからフェリーに乗り、金曜日の朝ここに着いたというイギリス紳士。彼は、BHBエンジニアリングという会社の社長で、オレンジ色のMGを駆りレースにも参加しているという。NSXのことをよく知っており、元F-1ドライバーのディレック・ワーウィックがNSXを所有していることまで知っていた。

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