昨年より、年に一度のNSXオーナーの祭典として開催されることとなったNSX
fiestaは、NSXを愛するすべてのオーナーの方たちへ、さらにNSXへの理解と愛着を深めていただき、スポーツカーのある生活の楽しさ、走ることの悦びを体感いただくためのものである。
鈴鹿サーキットのすべてを舞台に、様々なプログラムでNSXに浸りきる2日間。初級レベルから本コースのサーキットランまで、いくつかのステップに分けたドライビング・プログラムを設定し、参加者自らがセレクトして2日間のスケジュールを立てられる。短時間で様々なプログラムを体験できるのが、通常のオーナーズ・ミーティングにはない魅力だ。
参加台数122台、参加者総数180名。北は帯広、釧路から南は鹿児島まで、まさに全国のNSXオーナーが集まった。今回はオーナーズ・ミーティング未参加の方が多く、その方々を対象としたベイシック・レッスンが賑わいを見せた。黒沢元治氏によるドライビングレクチャー、開発責任者上原繁氏によるNSX開発ストーリーが語られた後、いよいよドライビングレッスンへ。限界時のブレーキングやスキッドパッドでのウェット・ハンドリングなど、クローズドコースでこそ体験し得るドライビングの限界を知ることから始まった。
南コースの「テクニカル・ドライビング」は第2ステップ。通常の「ドライビング・アカデミー」で行われている、コンピュータを使ったドライビング解析を実施。清水和夫氏の走行データと照合しながら、アクセル開度、ブレーキングポイントなどを確認し各自のドライビングを分析する。
そして1日目の人気を博したのは西コースでの高橋国光、清水和夫、岡田秀樹、飯田章氏らプロドライバーによるNSX同乗走行だ。プロフェッショナルのテクニックを観察するために、ハンディカメラを持って同乗するオーナーも。
その夜のパーティーでは、橋本チーム監督を中心にルマン報告会が行われ、知られざるレース秘話などが披露された。
2日目は朝方からあいにくの雨模様だったが、「ちょうどウェットの勉強になりますよ」という講師の言葉のもと、1日目のプログラムに加え、国際コースをフリーランする「スポーツ・ドライビング」が行われた。レース観戦などで頭に思い描いてきたライン取りを、自分のNSXで実現できるとあっては興奮も高まる。が、事前のミーティングではくれぐれも自分の90%で走るつもりで、とのレクチャーを受けてコースイン。濡れたコース上を飛沫をあげながら走り込む。
正午に近づくにつれ雨もあがり、いよいよ今回のメインであるルマンカーのデモ走行が始まった。ピットでの調整が始まると、レーシングスーツに身を包んだルマン・ドライバーたちが集まり、期待感が高まる。4人のドライバーが代わる代わる東コースのの慣熟走行を披露し、グランドスタンド前を駆け抜ける勇姿を皆が追いかける。その熱気が立ちこめる中、プログラムはフィナーレの全参加車による東コースパレード走行へ。122台のNSXが連なるコースは壮観をきわめた。
エンディングのパーティーでは、記念品の贈呈が行われ、参加者がそれぞれの感想を語り合う。これを機会に通常のオーナーズ・ミーティングへ参加しようという初参加のオーナーの方も多かった。それは今回、リピーターに限って参加できる魅力的なプログラムがあったことも理由だろう。参加するたびに楽しさが増し、また仲間も増える・・・。NSXを手にした者が得られる悦びの一つである。

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