第6戦がモスクワ中心地より約70q郊外にあるモスクワ・レースウェイにて開催されました。2012年にオープンしたパーマネントサーキットで、中低速コーナーと800mのストレートで構成されます。今回はウエイトハンデが見直され、Honda Civic WTCCは+30kgとなりました。
ドライ路面での走行となった金曜のフリープラクティスでは、ティアゴ・モンテイロ(Castrol Honda World Touring Car Team)、ノルベルト・ミケリス(Honda Racing Team JAS)、ロブ・ハフ(Castrol Honda World Touring Car Team)の順番で、1-2-3位と好調な滑り出しとなりました。
予選は、気温も低く雨となりました。思うようなトラクションを得ることができず、ミケリスが5番手、モンテイロは10番手、ハフは11番手の結果でした。
マック3では、ラーダのマシンがフライングしたこともあり、Honda Civic WTCCが優勝しました。
16ラップから15ラップとなったレース1。スターティンググリッドにつくまではドライの状況でしたが、フォーメーションラップ中に激しく雨が降り始め、コンディションが大きく変わります。スタートを20分遅らせ、全車ウェットタイヤに交換することとなりました。レースは、フォーメーションラップからやり直すことになり、レースは15ラップに短縮されました。3台のCivicは予選に続いて思うようなトラクションを得られず、ポールスタートのモンテイロは一時8番手まで後退していまいましたが、中盤より数台をパスし6位まで追い上げます。ハフも11番手スタートから4台を抜き、7位。6番手スタートのミケリスは、コースアウトにより9番手まで後退してしまいました。ミケリスはその後、7番手まで上がります。しかし、ドライブスルーペナルティにより12番手まで落ち、最終的に10位でレースを終えました。
Honda Civic WTCCは、レース2前にタイヤ圧を中心にセットアップを変更。著しくグリップが回復し、いい状態でレースに臨むことになりました。
レースが始まり、モンテイロとミケリス、ハフは、ラーダ、シトロエンの5台に先行を許す形となります。3台ともに果敢に前車を追いかけ、5番手スタートのミケリスが3位、11番手のハフは4位、10番手のモンテイロは5位まで追い上げ、レースを終えました。
また、Zengö Motorsport Kft.の新人ドライバーであるフェレンツ・フィクザは、17番手スタートながらファステストラップを記録。シトロエンのミュラーを抜き、9位でフィニッシュしました。
順位 | No. | ドライバー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | G.タルクィーニ | ラーダ | 15 | 29'39.384 |
2 | 10 | N.キャッツバーグ | ラーダ | 15 | +4.782 |
3 | 68 | Y.ミュラー | シトロエン | 15 | +16.062 |
4 | 7 | H.ヴァレンテ | ラーダ | 15 | +23.683 |
5 | 37 | J.ロペス | シトロエン | 15 | +28.092 |
6 | 18 | ティアゴ・モンテイロ | 15 | +28.803 | |
7 | 12 | ロブ・ハフ | 15 | +29.266 | |
10 | 5 | ノルベルト・ミケリス | 15 | +43.985 | |
15 | 55 | フェレンツ・フィクザ | 15 | +1'01.302 |
順位 | No. | ドライバー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 10 | N.キャッツバーグ | ラーダ | 17 | 33'00.149 |
2 | 2 | G.タルクィーニ | ラーダ | 17 | +1.011 |
3 | 5 | ノルベルト・ミケリス | 17 | +13.681 | |
4 | 12 | ロブ・ハフ | 17 | +20.120 | |
5 | 18 | ティアゴ・モンテイロ | 17 | +25.497 | |
6 | 15 | J.トンプソン | シボレー | 17 | +29.838 |
9 | 55 | フェレンツ・フィクザ | 17 | +37.289 |
堀内大資|Civic WTCC開発プロジェクトリーダー
「ドライだったフリープラクティスでは、想定通りの速さを見せられたものの、かなり激しい雨となった予選では思うような結果を残すことができませんでした。ウエットでのセッティングがうまく決まらず、トラクションが足りない状態だったとドライバーからは伝えられています。そのような状況でも、ミケリス選手が予選Q3まで進んだことは、すばらしい仕事だったと思います。
レースにはドライセッテイングで臨みましたが、スタート直前の予想外の雨によりとても難しいレースとなりました。オープニングレースではポールポジションスタートのモンテイロ選手に期待していましたが、この雨によりセッティグが合わず、勝利をものにすることはできませんでした。しかし、メインレースに向けて行ったウエットセッティングはうまくいき、Honda Civic WTCCは速さを取り戻すことができました。ミケリス選手が3位表彰台、11番手スタートのハフ選手が4位、10番手スタートのモンテイロ選手が5位と、3名のドライバーは奮闘を見せ、揃って上位でフィニッシュしたことをとてもうれしく思っています。
マシンとしては、かなりのポテンシャルを示せていましたので、今回大きく変えたところはありませんでした。今年のCivic WTCCの高いポテンシャルをさらに引き出すべく、車体、エンジンともにセッティングを詰めて速さを伸ばすつもりでしたが、雨というコンディションにより、思うような成果は得られなかった週末となりました。
次戦ポルトガルは、ヨーロッパ戦の最後であり、モンテイロ選手の母国での戦いです。モンテイロ選手を応援する多くのファンの期待に応えるべく、速く、強いCivic WTCCをお見せして、シーズン前半を締めくくりたいと思います」