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世界ツーリングカー選手権

round 12

SCHEDULE

November 27 2015, RACE WTCC Race of Qatar

カタールカタール

レース2でミケリス選手が3位表彰台を獲得し、ヨコハマ・トロフィーのタイトルを決める
レース2では3台のHonda Civic WTCCが入賞を果たし、2015年シーズンを締めくくる

2015年11月27日(金)・予選、決勝  会場:ロサイルサーキット(5.380km)  
天候:晴れ  気温:予選/25℃、決勝/22℃  コースコンディション:ドライ

世界ツーリングカー選手権(WTCC)は、シリーズ最終戦となる第12戦カタールラウンドを迎えました。初開催となる中東カタールでの戦いは、予選、決勝ともに27日金曜日に行われ、決勝はWTCC初のナイトレースです。

  • ノルベルト・ミケリスノルベルト・ミケリス
  • ノルベルト・ミケリスノルベルト・ミケリス
  • ノルベルト・ミケリスノルベルト・ミケリス
  • ティアゴ・モンテイロティアゴ・モンテイロ
  • ティアゴ・モンテイロティアゴ・モンテイロ
  • ガブリエーレ・タルクィーニガブリエーレ・タルクィーニ
  • ガブリエーレ・タルクィーニガブリエーレ・タルクィーニ

舞台となるロサイルサーキットは、MotoGPが開催されるなど、オートバイレースのビッグイベントが行われるサーキットとして有名ですが、4輪の世界選手権は初めての開催です。前戦タイラウンドと同様に、WTCC に参戦するほとんどのドライバーにとって、今回が初めてのサーキットでのレースとなりました。

Honda Civic WTCCは、「カストロール・ホンダ・ワールド・ツーリングカー・チーム(Castrol Honda World Touring Car Team)」のガブリエーレ・タルクィーニ選手とティアゴ・モンテイロ選手、ゼングー・モータースポーツ(Zengő Motorsport)のノルベルト・ミケリス選手の3台が、このカタールでの戦いに挑みました。なお今回、Civic WTCCには前戦同様に、40kgのハンディウエイトが課せられています。

午後3時から開始された20分間のQ1では、2度目のアタックでミケリス選手が2分2秒404、モンテイロ選手が2分2秒513をマークし、共に1度目のアタックで出したタイムを更新。ミケリス選手は6番手、モンテイロ選手は8番手で、Q2進出を決めました。タルクィーニ選手は、2回目のアタックでコースアウトしタイムアップを果たせず、14番手に終わりました。その後行われた10分間のQ2では、1周2分以上かかる長いコースのために、各車1回のアタックしかできませんでした。ミケリス選手は2分2秒073、モンテイロ選手は2分2秒812をマークしました。しかし、ミケリス選手は6番手、モンテイロ選手は11番手に終わり、ともにQ3進出を果たすことはできませんでした。

午後9時30分から行われたレース1では、ミケリス選手が6番手、モンテイロ選手が11番手、タルクィーニ選手が14番手からスタートを切りました。スタート直後、一度は4番手までポジションを上げたミケリス選手でしたが、その後の混乱でポジションを8番手まで落としてしまいました。一方、タルクィーニ選手はスタート直後のコーナーで、他車と接触しコースアウト。すぐに復帰しましたが、最後尾となります。1周目を終えて、ミケリス選手が8番手、モンテイロ選手が10番手、タルクィーニ選手が18番手となります。その後、接近した戦いが続くものの、なかなか前車を追い抜くことは難しい状況でレースは進みます。途中何台かの脱落もあり、ミケリス選手は7番手、モンテイロ選手は8番手、タルクィーニ選手は16番手で12周のレースを終えました。

午後10時40分から開始されたレース2では、スタート直後に後方グループでアクシデントが発生し、セーフティカーが導入されました。5番手スタートのミケリス選手は、この時点で4番手に上昇、後方の混乱をうまく避けたタルクィーニ選手は8番手、モンテイロ選手は10番手の位置で、レース再開を待ちます。6周目にレースは再開され、その直後にトップのマシンがスピンし脱落したため、3台のHonda Civic WTCCはそれぞれ1つ順位を上げました。3番手となったミケリス選手は、後続の激しい攻めをかわしてポジションを死守、3位でチェッカーフラッグを受けました。この結果、ミケリス選手はファクトリードライバー以外の選手に与えられる「ヨコハマ・トロフィー」選手権のトップを守りきり、タイトル獲得を果たしました。14番手からスタートしたタルクィーニ選手は7位、11番手からスタートしたモンテイロ選手は9位と、それぞれ順位を上げてフィニッシュし、2015年シーズン最後のレースを、Honda Civic WTCCは3台そろって入賞で締め括りました。

第12戦カタールラウンドをもって、2015年シーズンは全戦を終え、Hondaはマニュファクチャラーズ選手権で721ポイントを獲得し2位となりました。また、ドライバーズ選手権では、タルクィーニ選手が197ポイントで5位、ミケリス選手が193ポイントで6位、モンテイロ選手が177ポイントで7位が確定しています。

コメント

ノルベルト・ミケリス選手(7位/3位)
「今回も予選で苦しむという、ハンディウエイトを積んでいるときによくある展開になると予想していたので、予選のパフォーマンスのよさに驚きました。ニュータイヤで挑んだ予選は、マシンが思ったよりよかったのですが、Q3に進めなくて本当に残念でした。レース結果については、本当にうれしいです。総合ランキングでより上位になることが大事だと思っていましたが、最後はタイトル獲得のプレッシャーを感じてきたので、ヨコハマ・トロフィーを獲得できたことは格別です。チームの皆には感謝しており、チーム全員で祝いたいです。ゼングーのメンバー全員は、本当に一生懸命努力してくれたので、本当に感謝しています」

ガブリエーレ・タルクィーニ選手(16位/7位)
「予選ではマシンは悪くなかったですが、ターン4と最終コーナーでミスをしてしまいました。なんとかばん回しようと試みましたがうまくいかず、タイムを伸ばすことができませんでした。これで、私のシーズンは終わってしまいました。レース1では、ターン1で接触してコースオフをしてしまいました。レース2は少しよくなりましたが、前で起きたアクシデントに少し巻き込まれてしまいました。幸いマシンにダメージはなく、その後はいいバトルができました。マシンは予選に比べてかなり好調でした。でも残念なことに、スタートポジションが望んでいたよりかなり後ろだったので、上位を狙うのは難しかったです」

ティアゴ・モンテイロ選手(8位/9位)
「予選では、マシンはとてもよくなりました。フリープラクティス1を走らなかったことで、どんなセットアップにしてどんな方向に進めばいいのか判断が難しかったです。タイでのセットアップに似たものを選択したら、マシンはいい感触になりました。今回は今シーズン全体と同じように、いい面と悪い面の入り交じったレースとなりました。今シーズンは、不運に見舞われてうまく物事が運ばなかったと思えば、次はうまくいくというようなことがありました。でも、それがレースというものです。今日の予選は予定通りにいきませんでしたが、両レースでポイントを取ることができたのはよかったと思います。総体的には、苦戦を強いられたこともありながら、年間を通して進歩することができました。Honda Civic WTCCがレースで3勝を挙げることができたので、シーズン全体のパフォーマンスに満足していいと思います」

アレッサンドロ・マリアーニ|Castrol Honda World Touring Car Team代表
「フリープラクティスでは、新たなセットアップを試しましたが、うまくいかなかったので結局は戻し、レースでの最終的なペースは満足のいくものとなりました。ミケリス選手がヨコハマ・トロフィーを獲得しましたし、最初のコーナーで接触があったにもかかわらず3台そろっていいペースだったので、非常にうれしいです。いつものように、予選よりレースの方がうまくいきました。今からは、来年のことを考えなければなりません。そして、より強くなって戻ってきたいと思います」

堀内大資|Civic WTCC開発プロジェクトリーダー
「予選ではうまくセッティングが決まらなかったこともあり、思うようなタイムが出せませんでした。このコースは、コーナーのほとんどが高速コーナーになり、なかなか追い抜くポイントがないため、予選でのポジションが重要でした。そのためレースでもかなり苦戦しましたが、ミケリス選手がレース2で3位となり、(ヨコハマ・トロフィーの)タイトルを獲得できたことはよかったと思います。今シーズンは、マシンのポテンシャルアップを果たすことができましたが、高速コーナーに対してセットが決まらなかったという反省があります。来年はこの部分を改善して、シリーズチャンピオンを目指したいと思います。今シーズンのご声援に感謝するとともに、来年さらにがんばりますので、引き続き応援をよろしくお願いします」

予選リザルト

順位 No. ドライバー マシン タイム
137J.ロペスシトロエン2'00.947
225M.ベナーニシトロエン2'01.311
39S.ローブシトロエン2'01.525
47H.ヴァレンテシボレー2'01.542
510N.キャッツバーグラーダ2'01.769
65ノルベルト・ミケリスHonda2'02.073
 
1118ティアゴ・モンテイロHonda2'02.812
142ガブリエーレ・タルクィーニHonda2'03.247

決勝リザルト

レース1
順位 No. ドライバー マシン 周回数 タイム/差
137J.ロペスシトロエン1224'33.158
225M.ベナーニシトロエン12+7.631
37H.ヴァレンテシボレー12+11.774
49S.ローブシトロエン12+12.717
533M.キン・ハシトロエン12+18.815
668Y.ミュラーシトロエン12+19.343
 
75ノルベルト・ミケリスHonda12+20.064
818ティアゴ・モンテイロHonda12+22.700
162ガブリエーレ・タルクィーニHonda12+37.292
レース2
順位 No. ドライバー マシン 周回数 タイム/差
168Y.ミュラーシトロエン1432'47.712
233M.キン・ハシトロエン14+5.264
35ノルベルト・ミケリスHonda14+6.340
49S.ローブシトロエン14+7.243
525M.ベナーニシトロエン14+7.788
67H.ヴァレンテシボレー14+10.145
 
72ガブリエーレ・タルクィーニHonda14+10.650
918ティアゴ・モンテイロHonda14+15.098

ポイントスタンディング

ドライバー
順位 ドライバー マシン 総合ポイント
1J.ロペスシトロエン475
2Y.ミュラーシトロエン357
3S.ローブシトロエン356
4M.キン・ハシトロエン241
5ガブリエーレ・タルクィーニHonda197
6ノルベルト・ミケリスHonda193
 
7ティアゴ・モンテイロHonda177
19ネストール・ジロラミHonda5
21リカルド・ライデルHonda4
マニュファクチャラー
順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1シトロエン1069
2Honda721
3ラーダ360