モータースポーツ > 世界ツーリングカー選手権 > 第10戦 中国 > 決勝

世界ツーリングカー選手権

round 10

SCHEDULE

September 27 2015, RACE WTCC Race of China

中国中国

予選、決勝が同日開催となった中国ラウンド
レース2でタルクィーニ選手が2位表彰台を獲得
モンテイロ選手は後方から追い上げ、両レースで入賞を果たす

2015年9月27日(日)・決勝  会場:上海国際サーキット(4.603km)
天候:曇り、一時雨  気温:26℃  コースコンディション:ドライ

世界ツーリングカー選手権(WTCC)は、第10戦中国ラウンドを迎えました。予選が予定されていた9月26日(土)、併催されている別のレースでのクラッシュの影響で、ターン1のセーフティバリアが破損し、WTCCの予選は27日(日)の早朝に延期されました。

  • ガブリエーレ・タルクィーニ選手(#2)ガブリエーレ・タルクィーニ選手(#2)
  • ガブリエーレ・タルクィーニ選手ガブリエーレ・タルクィーニ選手
  • ガブリエーレ・タルクィーニ選手(#2)ガブリエーレ・タルクィーニ選手(#2)
  • ガブリエーレ・タルクィーニ選手(左)、ノルベルト・ミケリス選手(中央)、ティアゴ・モンテイロ選手(右)ガブリエーレ・タルクィーニ選手(左)、ノルベルト・ミケリス選手(中央)、ティアゴ・モンテイロ選手(右)
  • ティアゴ・モンテイロ選手(#18)ティアゴ・モンテイロ選手(#18)
  • ティアゴ・モンテイロ選手(右)ティアゴ・モンテイロ選手(右)
  • ノルベルト・ミケリス選手ノルベルト・ミケリス選手
  • ガブリエーレ・タルクィーニ選手ガブリエーレ・タルクィーニ選手
  • ガブリエーレ・タルクィーニ選手ガブリエーレ・タルクィーニ選手
  • ティアゴ・モンテイロ選手ティアゴ・モンテイロ選手
  • ティアゴ・モンテイロ選手ティアゴ・モンテイロ選手

中国ラウンドの舞台となる上海国際サーキットは、F1が開催されている場所ですが、WTCCでは一部をショートカットした1周4.603kmのコースを使用します。長い2本のストレートと、低中速コーナーの連続するセクションを特徴とし、マシンの総合力が試されるハイレベルなコースです。

エントリーリストに名を連ねていた「ホンダ・レーシングチーム・スウェーデン(Honda Racing Team Sweden)」のリカルド・ライデル選手は、前戦の日本ラウンドに続き、体調不良で欠場となりました。Honda Civic WTCCは「カストロール・ホンダ・ワールド・ツーリングカー・チーム(Castrol Honda World Touring Car Team)」のガブリエーレ・タルクィーニ選手とティアゴ・モンテイロ選手、ゼングー・モータースポーツ(Zengő Motorsport)のノルベルト・ミケリス選手の3台が高速コースでの予選に挑みました。なお、今回、Honda Civic WTCCには40kgのハンディウエイトが課せられました。

午前8時40分から始まったQ1で、Honda Civic WTCC勢は苦戦を強いられました。テクニカルセクションでタイムが伸びず、僅差の争いの中、タルクィーニ選手が1分50秒433で10番手、ミケリス選手が1分50秒653で15番手、モンテイロ選手は1分50秒832で16番手となりました。ミケリス選手とモンテイロ選手はQ2進出を果たせませんでした。続いて行われたQ2では、タルクィーニ選手が1分50秒330とタイムを更新しますが、8番手にとどまり、Q3進出はなりませんでした。

レース1は午後2時50分から行われました。タルクィーニ選手は8番手、ミケリス選手は15番手、モンテイロ選手は16番手からスタートしました。スタート直後の第1コーナーから第2コーナーにかけて、複数のマシンが絡むアクシデントが発生。タルクィーニ選手はこのアクシデントに巻き込まれ、リアにダメージを負ってピットインを余儀なくされました。コース上にストップしたマシンも出たため、セーフティカーが導入されました。この混乱をうまく避けたミケリス選手は、7番手までポジションをアップ。モンテイロ選手もアクシデントを避け、11番手に上がりました。5周にわたるセーフィティカーランが終わり、レースが再開されるとモンテイロ選手は徐々にポジションを上げ、9周目に10番手、12周目には9番手にアップ。ミケリス選手も終盤に前を走るライバルをパスします。レースはセーフティカーの導入により16周で終了となり、ミケリス選手は6位、モンテイロ選手は8位でフィニッシュし、それぞれ入賞しました。タルクィーニ選手は13位でレース1を終えました。

午後4時10分から開始されたレース2では、レース1でのアクシデントで欠場するマシンが出たため、タルクィーニ選手が2番手からのスタートとなりました。スタート直後、先頭のマシンがスピンするアクシデントが発生、またもや混乱のレースとなります。トップを奪ったタルクィーニ選手は、序盤から後続に差をつけて首位を守りました。12番手スタートのモンテイロ選手は、混乱をうまく避けてオープニングラップで7番手にポジションを上げます。レース中盤、後続に差を詰められたタルクィーニ選手は、9周目の最終コーナーの立ち上がりでわずかに失速し、首位の座を奪われました。2番手に下がったあと、さらに後続からの激しい追い上げを受けたタルクィーニ選手ですが、ストレートスピードで優位を示し、そのポジションを死守。わずか0.025秒の差でゴールし、前戦に続いて表彰台を獲得しました。中団グループで終始バトルを展開したモンテイロ選手は、6位でフィニッシュ。序盤に出遅れたミケリス選手は、入賞目前の11位でレースを終えました。

第10戦中国ラウンドの結果、Hondaはマニュファクチャラーズ選手権で611ポイントを獲得して2位となっています。ドライバーズ選手権では、ミケリス選手が172ポイントで5位、タルクィーニ選手が171ポイントで6位、モンテイロ選手が165ポイントで7位にランクインしています。

また、ファクトリードライバー以外の選手に与えられる「ヨコハマ・トロフィー」選手権で、ミケリス選手はレース1で2位、レース2で3位となり、150ポイントでランキングトップを守っています。

コメント

ガブリエーレ・タルクィーニ選手(予選8番手、決勝13位/2位)
「レース1は、とても悔しい思いをしましたが、レース2は非常に緊迫したレースになりました。新しいタイヤを2本履いてスタートしたことが、最初の数周で差を広げる助けとなりました。しかし、残念ながら電気系のトラブルでギアシフトがうまくいかず、そのために首位を奪われました。その後はギアボックスが直り、最後まで後続を抑えることができました。2番手争いはフェアですばらしい戦いとなり、観衆は楽しんでくれたと思います」

ティアゴ・モンテイロ選手(予選16番手、決勝8位/6位)
「厳しい週末になることは承知していたので、予選結果が振るわないのは想定内でした。しかし、いつものようにHonda Civic WTCCはレースでのペースがとても安定していました。少し運にも助けられましたが、後方グリッドからスタートしたにもかかわらず、両レースでポイントを獲得できました。また、マシンの改善をするために努力し続けるべき新たな部分が分かったので、それも成果だと思います」

ノルベルト・ミケリス選手(予選15番手、決勝6位/11位)
「後方からのスタートとなったため、リスクのあるセットアップにしなければなりませんでしたが、それが功を奏しました。レース1ではマシンが絶好調で、レース中の混乱にも助けられましたが、15番手から6位まで順位を上げることができました。Honda Civic WTCCとあまり相性のよくないコースで40kgのウエイトを積みながら、すごくいいパフォーマンスを発揮できたので、今後のレースにかなり期待しています」

アレッサンドロ・マリアーニ|Castrol Honda World Touring Car Team代表
「予選では正しいセットアップを見つけることができませんでしたが、レースはとてもうまくいきました。今日は我々のドライバー全員を誇りに思います。みんな非常にいい仕事をしてくれました」

堀内大資|Civic WTCC開発プロジェクトリーダー
「予選と決勝を一日で行うことになり、とても忙しい日となりました。予選は僅差の争いでしたが、テクニカルなセクションでタイムを伸ばすことができず、非常に残念な結果に終わりました。しかし、ストレートでのスピードなど、マシン性能の向上は確認でき、レースペースには自信がありました。上海のコースは長いストレートが特徴で、ストレートで負けない速さが必要です。今回、その点でもマシンの熟成の成果がレースで発揮できました。特にレース2では、タルクィーニ選手が2位を守り切れたことはうれしく思います。レース1、レース2ともに非常に荒れたレースとなりましたが、後方からスタートしたモンテイロ選手が両レースともに入賞圏内にポジションを上げたことも、結果としてはよかったと思います」

予選リザルト

順位 No. ドライバー マシン タイム
137J.ロペスシトロエン1'49.447
233M.キン・ハシトロエン1'49.561
310N.キャッツバーグラーダ1'49.619
49S.ローブシトロエン1'49.665
568Y.ミュラーシトロエン1'50.108
612R.ハフラーダ1'50.010
 
82ガブリエーレ・タルクィーニHonda1'50.330
155ノルベルト・ミケリスHonda1'50.640
1618ティアゴ・モンテイロHonda1'50.832

決勝リザルト

レース1
順位 No. ドライバー マシン 周回数 タイム/差
137J.ロペスシトロエン1633'21.641
268Y.ミュラーシトロエン16+2.428
39S.ローブシトロエン16+3.379
410N.キャッツバーグラーダ16+8.905
525M.ベナーニシトロエン16+13.912
65ノルベルト・ミケリスHonda16+16.774
 
818ティアゴ・モンテイロHonda16+20.662
132ガブリエーレ・タルクィーニHonda5+11Laps
レース2
順位 No. ドライバー マシン 周回数 タイム/差
168Y.ミュラーシトロエン14 26'36.942
22ガブリエーレ・タルクィーニHonda14+2.659
337J.ロペスシトロエン14+2.684
49S.ローブシトロエン14+6.079
512R.ハフラーダ14+8.366
618ティアゴ・モンテイロHonda14+11.224
 
115ノルベルト・ミケリスHonda14+28.270

ポイントスタンディング

ドライバー
順位 ドライバー マシン 総合ポイント
1J.ロペスシトロエン396
2Y.ミュラーシトロエン321
3S.ローブシトロエン282
4M.キン・ハシトロエン178
5ノルベルト・ミケリスHonda172
6ガブリエーレ・タルクィーニHonda171
 
7ティアゴ・モンテイロHonda165
19ネストール・ジロラミHonda5
20リカルド・ライデルHonda4
マニュファクチャラー
順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1シトロエン879
2Honda611
3ラーダ310