モトクロス世界選手権第17戦ピエトラムラタGPが、イタリアで開催されました。同一会場におけるトリプルヘッダーの2戦目、中2日での実施となります。73ポイントリードという圧倒的な優位で今大会に臨んだティム・ガイザー(Team HRC)は、当地でのタイトル獲得が確実視されていました。
ピエトラムラタの会場は比較的タイトなテクニカルコースで、抜きどころが少ないためにスタートが重視されます。フリープラクティスに続いて行われた計時予選では、ガイザーが1分38秒968をマークして3番目のゲートピックを得ました。前戦では中央付近からスタートしたガイザーですが、今回は少々イン寄りに変更しました。
決勝レース1では、ガイザーがスタートに失敗し13番手と出遅れました。オープニングラップを終えて7番手、2周目には5番手とばん回したガイザーは、やがて上位争いに加わります。15分を経過する頃には3番手まで躍進。11周目2番手に浮上してからは、トップのジェレミー・シーワー(ヤマハ)を追い詰め、0.8秒差まで迫りました。終盤になっても追撃の手を緩めないガイザーでしたが、「SMART」というピットサインを見て少しペースを落とし、2位でチェッカーを受けました。この瞬間ガイザーは、自身にとって4個目となる世界タイトル(2015年MX2、2016年MXGP、2019年MXGP)を獲得しました。
タイトル防衛後のレース2は、スタート直後にジェレミー・ファン・フォルベーク(Team Honda SR)のクラッシュがあり、赤旗中断となりました。再スタート後、ガイザーは鮮やかなホールショットを決め、トップに立ちました。2周目には4秒差のセーフティリードを得たガイザーですが、周回を重ねるごとにロマン・フェーヴル(カワサキ)が接近し、テールトゥノーズのバトルに発展します。一進一退のトップ争いが延々まで続きましたが、最後はガイザーが逃げきり優勝。オーバーオールウイン(2位/1位)をゲットしたガイザーは、ポディウムの中央に登壇しました。
ティム・ガイザー(2位/1位 総合優勝)
「信じられません。世界チャンピオンになれるなんて、1回でもすごいことなのに、4回も実現するとは…。本当に言葉がありません。新型コロナウイルスの影響で、異様なシーズンでした。第2戦と第3戦の間の長い休止など、いろいろありましたが、最終的にはすべてを自分に引き寄せ、またタイトルを取ることができました。今日はとてもいいレースでした。レース1では好スタートが決まらなかったものの、中団から追い上げ2位でフィニッシュしました。レース2で勝てば総合優勝できるということです。レース2ではホールショットを取って、ロマン・フェーヴルとチェッカーまでバトルを続けました。最後まで全力で闘った末に総合優勝と世界チャンピオンを同じ日に獲得できて、こんなにうれしいことはありません。Team HRCに対して心から感謝の意を表したいと思います。今日ここに来られなかった関係者や、シーズンを通してサポートしてくれた皆さんにもお礼を言いたいです。このチームで走れることは、限られたライダーの特権です。一人ひとりに感謝しています。ありがとう!」
ミッチェル・エバンス
「ティムにとってすばらしいシーズンだったし、本当にチャンピオンに値するライダーでした。必死にトレーニングしてきたことを知っているので、彼自身とチームスタッフ全員のことを思うとこれ以上の喜びはありません。Team HRCはとてもすばらしい人たちの集まりです。今年はこのような雰囲気を味わえたので、来年もこのチームの一員として走れることをうれしく思います。ケガの回復は順調です。今年の始まりがそうであったように、2021年の開幕から活躍できるように目指します。チャンピオンになったマシンに自分も乗れるわけですから」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 20 | 34'52.423 |
2 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() |
20 | +4.307 |
3 | 77 | A.ルピーノ | ヤマハ | 20 | +8.634 |
4 | 25 | C.デサール | カワサキ | 20 | +9.794 |
5 | 3 | R.フェーヴル | カワサキ | 20 | +11.484 |
6 | 222 | A.カイローリ | KTM | 20 | +16.094 |
12 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | ![]() |
20 | +49.656 |
16 | 53 | ディラン・ウォルシュ | ![]() |
20 | +59.906 |
20 | 92 | バレンティン・ギロド | ![]() |
20 | +1'11.186 |
23 | 201 | ザッカリー・ピション | ![]() |
20 | +1'18.773 |
24 | 6 | ブノワ・パトゥレル | ![]() |
20 | +1'20.815 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() |
20 | 34'44.449 |
2 | 3 | R.フェーヴル | カワサキ | 20 | +2.940 |
3 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 20 | +29.409 |
4 | 25 | C.デサール | カワサキ | 20 | +38.367 |
5 | 222 | A.カイローリ | KTM | 20 | +51.007 |
6 | 189 | B.ボジャーズ | KTM | 20 | +56.175 |
10 | 92 | バレンティン・ギロド | ![]() |
20 | +1'14.378 |
12 | 6 | ブノワ・パトゥレル | ![]() |
20 | +1'22.268 |
19 | 201 | ザッカリー・ピション | ![]() |
20 | +1'46.625 |
21 | 53 | ディラン・ウォルシュ | ![]() |
20 | +2'46.127 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() |
673 |
2 | 222 | A.カイローリ | KTM | 584 |
3 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 580 |
4 | 3 | R.フェーヴル | カワサキ | 525 |
5 | 61 | J.プラド | KTM | 476 |
6 | 21 | G.ポーリン | ヤマハ | 467 |
9 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | ![]() |
316 |
14 | 43 | ミッチェル・エバンス | ![]() |
228 |
25 | 92 | バレンティン・ギロド | ![]() |
77 |
26 | 53 | ディラン・ウォルシュ | ![]() |
72 |
28 | 6 | ブノワ・パトゥレル | ![]() |
54 |
36 | 201 | ザッカリー・ピション | ![]() |
12 |
38 | 151 | ハリー・クラス | ![]() |
11 |
39 | 991 | ネイサン・ワトソン | ![]() |
10 |
46 | 555 | アルテム・グリエフ | ![]() |
2 |
48 | 297 | アントン・ゴール | ![]() |
2 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 733 |
2 | ![]() |
710 |
3 | ヤマハ | 650 |
4 | カワサキ | 614 |
5 | ガスガス | 473 |
6 | ハスクバーナ | 360 |