モトクロス世界選手権第5戦ケグムスGPが、ラトビアで開催されました。ケグムスは首都リガから車で1時間ほど走った内陸にある町で、ゼルタジルグス・サーキットは、グランプリ開催が定着している名門サンドコース。4日前に当地で行われた第4戦リガGPでは、レース1でノーポイントとなったティム・ガイザー(Team HRC)ですが、3年前にも転倒リタイアを喫した経験があり、今大会には不運を払拭して臨みたいところでした。
計時予選5番手につけたガイザーは、決勝のスタートではイン側から4番目のゲートを選択。レース1では、ホールショットこそイボ・モンティチェリ(ガスガス)に譲ったものの、2番手からトップに立ったガイザーが、オープニングラップのリーダーとなりました。序盤はホルヘ・プラド(KTM)との接近戦でしたが、中盤からはリードを広げてレースの主導権を握りました。2番手は終盤、アルミナス・ヤシコニス(ハスクバーナ)に替わりましたが、ガイザーは独走のまま優勝。この4勝目によって、ガイザーは現時点で最も多くレースウインを果たしているライダーとなりました。
レース2では、ガイザーが同じゲートから好スタートを切り、見事なホールショットを取りました。アントニオ・カイローリ(KTM)に先行されましたが、ガイザーが抜き返してオープニングラップのリーダーに。2周目にはジェフリー・ハーリングス(KTM)にパスされましたが、1~2秒差で追走を続けました。その後ガイザーは、8周目に喫したスリップダウンでカイローリに抜かれ、11周目にはヤシコニスにかわされて4番手まで後退しました。それでもガイザーは再度ペースアップを図り、3番手争いを続けていましたが、大詰めになってマシンが電気系トラブルによりストップ。ガイザーはラスト4周の途中でリタイアとなりました。
ミッチェル・エバンス(Team HRC)は、レース1のスタート直後、またしても混戦に飲み込まれましたが、オープニングラップ18番手から着々とポジションをばん回していきました。中盤には13番手を走行し、トップ10圏内も見えてきたエバンスでしたが、その後のバトルを経て最終的に12位でチェッカーを受けました。
レース2でもエバンスは、スタート15番手と出遅れましたが、序盤から快調にポジションを上げました。5周目には、レース1の自身ベストラップをしのぐ2分03秒425をマーク。荒れた路面でペースが悪化しがちなレース2ですが、エバンスは周回を重ねるほど本来の調子を取り戻したようです。レース後半には、ジェレミー・ファン・フォルベーク(Team Honda SR)、クレモン・デサール(カワサキ)をかわして9位をゲット。さらなる向上への足がかりとして、まずはシングルフィニッシュを果たしました。
総合リザルトではガイザーが8位(1位/DNF)、エバンスが10位(12位/9位)となりました。ガイザーはシリーズランキング2位にとどまっていますが、首位ハーリングスとの差は46ポイントに広がりました。
ティム・ガイザー(優勝/26位 総合2位)
「スタート直後からリーダーとなって、とても乗れていたレース1が最高だっただけに、レース2の終わり方にはがっかりしています。総合優勝をゲットできる位置にいましたが、今となってはそんなことは忘れて、次のMXGPで同様のいい走りができるように集中しなければなりません。チームスタッフが非常に尽力していることは分かっていますし、私としても次戦までのインターバルで向上し続けられるようにがんばります。シリーズランキングでは依然として2位ですし、この先にもたくさんのレースが控えているので、1ポイントでもおろそかにしないように戦い続けます」
ミッチェル・エバンス(12位/9位 総合10位)
「今週はレースごとに成績をアップさせることが目標だったので、レース2でトップ10(9位)に入り、総合10位をゲットできてうれしく思います。今日はとても乗れていました。以前にも言ったように、走れば走るほど調子が上がってくるはずです。今日の展開にはとても満足しています。CRF450RWの感触もすばらしく、スタートはそれほどではなかったけれど、自分のライディングは狙い通りで正確でした。このインターバルを利用してもっと走り込めば、今後の大会で思いきり活躍できるでしょう。目標のトップ5フィニッシュが楽しみです」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | 17 | 35'20.589 | |
2 | 27 | A.ヤシコニス | ハスクバーナ | 17 | +08.779 |
3 | 61 | J.プラド | KTM | 17 | +21.090 |
4 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 17 | +29.165 |
5 | 3 | R.フェーヴル | カワサキ | 17 | +32.391 |
6 | 21 | G.ポーリン | ヤマハ | 17 | +33.535 |
10 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | 17 | +50.164 | |
12 | 43 | ミッチェル・エバンス | 17 | +54.755 | |
20 | 92 | バレンティン・ギロド | 17 | +1'44.289 | |
23 | 53 | ディラン・ウォルシュ | 16 | +1Lap | |
24 | 297 | アントン・ゴール | 16 | +1Lap | |
32 | 6 | ブノワ・パトゥレル | 4 | +13Laps | |
34 | 555 | アルテム・グリエフ | 0 | +17Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 17 | 35'26.803 |
2 | 222 | A.カイローリ | KTM | 17 | +07.898 |
3 | 27 | A.ヤシコニス | ハスクバーナ | 17 | +12.060 |
4 | 61 | J.プラド | KTM | 17 | +23.368 |
5 | 3 | R.フェーヴル | カワサキ | 17 | +27.988 |
6 | 259 | G.コルデンホフ | ガスガス | 17 | +31.572 |
9 | 43 | ミッチェル・エバンス | 17 | +57.135 | |
10 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | 17 | +1'03.116 | |
20 | 92 | バレンティン・ギロド | 17 | +2'17.552 | |
25 | 555 | アルテム・グリエフ | 16 | +1Lap | |
26 | 243 | ティム・ガイザー | 13 | +4Laps | |
28 | 297 | アントン・ゴール | 8 | +9Laps | |
29 | 53 | ディラン・ウォルシュ | 4 | +13Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 213 |
2 | 243 | ティム・ガイザー | 167 | |
3 | 27 | A.ヤシコニス | ハスクバーナ | 163 |
4 | 222 | A.カイローリ | KTM | 163 |
5 | 259 | G.コルデンホフ | ガスガス | 146 |
6 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 134 |
11 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | 95 | |
12 | 43 | ミッチェル・エバンス | 66 | |
19 | 6 | ブノワ・パトゥレル | 45 | |
27 | 151 | ハリー・クラス | 11 | |
30 | 92 | バレンティン・ギロド | 9 | |
35 | 297 | アントン・ゴール | 2 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 220 |
2 | 202 | |
3 | ヤマハ | 173 |
4 | カワサキ | 169 |
5 | ハスクバーナ | 166 |
6 | ガスガス | 160 |