モトクロス世界選手権第18戦が、中国の上海で初開催されました。当初は5月に予定されていましたが、悪天候の影響でシリーズ最終戦に変更となりました。上海国際オフロードサーキットは、平地に大量の土を運び込んで新設された、1周1620mのハイスピードコース。路面コンディションは軟質で、サンド用タイヤを選択するライダーもいました。
決勝レース1のスタートでは、ティム・ガイザー(Team HRC)がアウト側に回って、オープニングラップを4番手でクリア。グレン・コルデンホフ(KTM)とトップ争いをしていた、ジェレミー・シーワー(ヤマハ)が3周目に転倒し、ジェフリー・ハーリングス(KTM)が2番手、ガイザーは3番手となりました。トップ3は終盤まで僅差のデッドヒートを展開しましたが、変動はないままガイザーは3位でフィニッシュ。ブライアン・ボジャーズ(Team HRC)は、スタートからチェッカーまで11位でした。
レース2では、ガイザーがスタートで3番手、ボジャーズは7番手につけました。コルデンホフ、シーワーを追走するガイザーは、6周目にフィニッシュジャンプでコースアウト。その際にスポンサーバナーがハンドルバーに絡んだため、取り外す間に6位までポジションを下げてしまいました。再スタート後、ガイザーは、9周目にパウルス・ジョナス(ハスクバーナ)をかわして5番手。さらに前を行くジェレミー・ファン・フォルベーク(Team Honda SR)とは6秒ほどの差がありましたが、ラスト4周で攻略に成功。こうしてガイザーは4位に入り、大会総合3位のシーワーとは同ポイントとなりましたが、レース2の成績で敗れ、総合4位にとどまりました。ボジャーズはレース2を11位、ポイントランキング13位で最終戦を締めくくりました。
ティム・ガイザー(MXGP 3位/4位 総合4位)
「まず最初に今年は私にとって3度目の世界タイトルを獲得できたことを非常にうれしく思っています。特にイモラで大勢のファンが見守る中、チャンピオンになれたことは、このうえない喜びでした。とても大きな成果を挙げたあと、今となっては自分のパフォーマンスが最高レベルではないかもしれないですし、あまりスムーズに乗れていませんが、振り返ってみれば、とても満足しています。チームスタッフの尽力に対して、心からの感謝の意を表したいと思います。今季のすばらしい貢献については言うまでもありませんが、彼らは私がタイトルを逃した2シーズン(17年から18年)の間もずっと私を支えてくれました。すばらしいチームスタッフに恵まれていると気付くのは、むしろそういった逆境にあえぐときなのです。忘れてはならないのは、ファンの皆さんの存在です。世界中どこへ行っても応援してくれるファンがいることは、とてもすばらしいことです。特に遠路はるばる中国まで来てくれたスロベニアの人たちには、心から感謝しています。今大会はコースレイアウトも土質も気に入って、とても乗れていました。プラクティスでも速かったですし、予選レースではホールショットを取れました。そのあとのミスによってゲートピックが11番目になってしまいましたが、それでも決勝では2レースともスタートでトップ3に入りました。レース1は接戦でしたが、パッシングポイントを見つけられずに3位にとどまりました。レース2でも3番手を走っていたのですが、ジャンプでコースアウトした際にバナーを引っかけてしまったんです。絡まったバナーを外すのに時間を費やし、ずいぶんポジションを失いました。それでも4位までばん回でき、オーバーオール4位になりました。3位に登壇できたらもっとよかったのですが、世界チャンピオンの証しとしてゴールドメダルを授与されるのは最高の気分で、振り返ってみれば、すばらしいシーズンでした」
ブライアン・ボジャーズ(MXGP 11位/11位 総合11位)
「このグランプリは今シーズン最終戦であり、私にとってはTeam HRCで走る最後のレースでした。とてもすばらしいシーズンを一緒に戦ってきたスタッフ全員に対し、ありがとうと言いたいです。今回のレースですが、例によってスピードは発揮できたものの、疲れを感じてしまいました。シーズンの長さ、大会数の多さと関係があるのかもしれません。昨年の負傷からカムバックしたあとは、休みらしい休みが取れず、このところ終盤の数戦にその影響が出てきているようです。レース後半になるとスローダウンしてしまうのは、そのためだと思います。ポジティブにとらえるとするなら、前半まではスピードがあるということです。トップ5のライダーたちとバトルできたことはうれしかったですし、今後の課題はその走りを30分持続することです。いずれにしても、この中国GPのコースはおもしろくて楽しめました」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 259 | G.コルデンホフ | KTM | 19 | 35'20.563 |
2 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 19 | +00.841 |
3 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() | 19 | +02.268 |
4 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 19 | +23.103 |
5 | 41 | P.ジョナス | ハスクバーナ | 19 | +25.636 |
6 | 27 | A.ヤシコニス | ハスクバーナ | 19 | +28.101 |
7 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | ![]() | 19 | +31.951 |
11 | 189 | ブライアン・ボジャーズ | ![]() | 19 | +1'53.396 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 19 | 35'24.258 |
2 | 259 | G.コルデンホフ | KTM | 19 | +08.514 |
3 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 19 | +25.810 |
4 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() | 19 | +33.249 |
5 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | ![]() | 19 | +40.121 |
6 | 21 | G.ポーリン | ヤマハ | 19 | +45.179 |
11 | 189 | ブライアン・ボジャーズ | ![]() | 19 | +1'51.008 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() | 782 |
2 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 580 |
3 | 259 | G.コルデンホフ | KTM | 535 |
4 | 21 | G.ポーリン | ヤマハ | 527 |
5 | 4 | A.トヌス | ヤマハ | 462 |
6 | 41 | P.ジョナス | ハスクバーナ | 458 |
8 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | ![]() | 433 |
13 | 189 | ブライアン・ボジャーズ | ![]() | 228 |
34 | 151 | ハリー・クラス | ![]() | 19 |
38 | 13 | バレンティン・ギロド | ![]() | 14 |
54 | 179 | ホアキン・ポリ | ![]() | 3 |
59 | 220 | ヘトロ・サラサール | ![]() | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | ![]() | 791 |
2 | KTM | 769 |
3 | ヤマハ | 729 |
4 | ハスクバーナ | 559 |
5 | カワサキ | 367 |