モトクロス世界選手権第15戦が、イタリアのイモラで行われました。前戦ベルギーまで消化した段階で、ランキング首位のティム・ガイザー(Team HRC)は、2位ジェレミー・シーワー(ヤマハ)に対し187ポイント差を保持しており、今大会で13ポイントを加算すれば最終戦を待たずにタイトルが確定する状況でした。
イモラサーキットに特設されたコースは、全長1.5kmのハードパック。好天に恵まれた決勝日は気温が33℃まで上昇し、体力を消耗するサバイバルレースとなりました。
MXGPのレース1では、ガイザーがスタート4番手からアタックを開始。しかし、9分すぎにゴーティエ・ポーリン(ヤマハ)をかわし、トップのグレン・コルデンホフ(KTM)に迫ったところで、ガイザーは転倒を喫します。8番手から追い上げを試みたガイザーは、ポーリンとアーヌー・トヌス(ヤマハ)を相手に三つ巴の3番手争いを演じた末、5位でフィニッシュ。この瞬間ガイザーは、3個目となる世界タイトル(2015年MX2、2016年MXGP、2019年MXGP)を掌中に収めました。
タイトル決定後のレース2では、普段のようにリラックスしたガイザーらしい走りが見られました。スタート4番手からポジションアップした4周目以降、レース中盤まではシーワーと抜きつ抜かれつの2番手争いを展開。その間にトップのコルデンホフとの差が9秒まで広がり、10周目には2番手に浮上しますが、追撃は届かずに終わりました。ガイザーは総合3位(5位/2位)で表彰台に登壇しましたが、歓声を上げる応援団に向かって、感情を露わにしていました。
ティム・ガイザー(MXGP 5位/2位)
「3度目の世界チャンピオンシップを勝ち取ることができて、とても驚いています。とても厳しかった無冠の2年間、そして今シーズンでさえ開幕当初は困難なレースもありましたが、すべてを乗り越えてチャンピオンになれたことは本当にこの上ない喜びです。好調なときも不調なときも私を支えてくれた、Team HRCの全員に心から感謝の意を表したいと思います。一緒にレースを戦ってきたスタッフのみならず、遠く日本からのサポートがなければこのタイトルは獲得できませんでした。このテントの下にあるTeam HRCは私の家族であり、長年一緒にレースをしてきたことに心から感謝しています。今年は自分自身とCRF450RWを向上させるため、我々は一丸となって努力してきましたが、万事が順調です。毎回好スタートが決まり、トラブルは皆無でした。どんなコースコンディションであっても、心地よく走ることができました。もっとコメントするのは難しいのですが、今シーズンは本当に信じられない経験をしてきたし、スロベニアから駆け付けてくれたこんなに多くのファンの前でタイトルを獲得できたことをうれしく思います。前回のチャンピオン決定戦はアメリカでしたが、今回は祖国から近いイモラだったのでお返しができてよかった。年間を通じて応援してくれたファン、チームスタッフ、そして私をフォローしてくれたすべての方にサンキューと伝えたいと思います。皆さんの思いが支えです」
ブライアン・ボジャーズ(MXGP 14位/DNF)
「残念ながら事がうまく運ばず、レース1で14位にとどまりました。イモラのコースはタイトでテクニカルなので、リズムをつかむことができずに苦労しました。レース2では開始早々のクラッシュで、肩を傷めてしまいました。何周か走ってみましたが、リタイアせざるを得ませんでした。これからベルギーに戻って、スウェーデンに出場できるかどうか診断を受けることになっています」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 259 | G.コルデンホフ | KTM | 20 | 34'54.225 |
2 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 20 | +02.337 |
3 | 21 | G.ポーリン | ヤマハ | 20 | +06.973 |
4 | 4 | A.トヌス | ヤマハ | 20 | +09.459 |
5 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() | 20 | +19.461 |
6 | 41 | P.ジョナス | ハスクバーナ | 20 | +24.446 |
13 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | ![]() | 20 | +53.672 |
14 | 189 | ブライアン・ボジャーズ | ![]() | 20 | +57.708 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 259 | G.コルデンホフ | KTM | 20 | 34'36.332 |
2 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() | 20 | +02.769 |
3 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 20 | +04.480 |
4 | 21 | G.ポーリン | ヤマハ | 20 | +10.850 |
5 | 41 | P.ジョナス | ハスクバーナ | 20 | +17.500 |
6 | 461 | R.フェーヴル | ヤマハ | 20 | +24.930 |
11 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | ![]() | 20 | +45.953 |
26 | 189 | ブライアン・ボジャーズ | ![]() | 5 | +15Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() | 664 |
2 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 481 |
3 | 21 | G.ポーリン | ヤマハ | 440 |
4 | 4 | A.トヌス | ヤマハ | 419 |
5 | 259 | G.コルデンホフ | KTM | 399 |
6 | 27 | A.ヤシコニス | ハスクバーナ | 377 |
10 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | ![]() | 347 |
14 | 189 | ブライアン・ボジャーズ | ![]() | 190 |
33 | 151 | ハリー・クラス | ![]() | 19 |
36 | 13 | バレンティン・ギロド | ![]() | 14 |
48 | 179 | ホアキン・ポリ | ![]() | 3 |
52 | 220 | ヘトロ・サラサール | ![]() | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | ![]() | 673 |
2 | KTM | 622 |
3 | ヤマハ | 620 |
4 | ハスクバーナ | 453 |
5 | カワサキ | 328 |