モトクロス世界選手権第9戦が、ラトビアのケグムスで行われました。首都リガから車で1時間ほどの郊外に位置するゼルタジルグス・サーキットは、グランプリ開催が定着している名門サンドコース。モトクロス競技が盛んなバルト3国の中で、最も難易度の高い会場と言われています。
ティム・ガイザー(Team HRC)にとっては、2年前に転倒リタイアした経験があり、ネガティブな記憶を好成績で上書きしたいところでしたが、土曜日に行われた予選レースでは、転倒とピットインの影響で18番手になってしまいました。ケグムスの1コーナーは180度折り返すヘアピンなので、イン側が圧倒的に有利なのですが、ガイザーはゲートピック18番目というハンディキャップを負ったのです。
レース1では、ガイザーが不利なゲートから絶妙のスタートダッシュを決め、1周目4番手につけました。1コーナーではブライアン・ボジャーズ(Team HRC)が転倒し、最後尾近くから追い上げを強いられるレースとなりました。リーダーはアントニオ・カイローリ(KTM)、アーヌー・トヌス(ヤマハ)、ジェフリー・ハーリングス(KTM)と入れ替わりましたが、セカンドグループでも接戦が続きました。ガイザーはそのバトルに飲み込まれ、6位でフィニッシュ。ボジャーズは18位までばん回してチェッカーを受けました。
レース2ではガイザーが1周目3番手、ボジャーズは12番手につけました。ガイザーは5周目にトヌスを抜いて2番手、11周目にはジェレミー・シーワー(ヤマハ)をかわしてトップに浮上。終盤はロマン・フェーヴル(ヤマハ)の追撃を受けましたが、2秒差で逃げきりました。総合ではガイザー(6位/1位)、フェーヴル(4位/2位)、トヌス(2位/4位)の3人が同点で並びましたが、レース2の順位を優先してガイザーがウイナーとなりました。カイローリがリタイアしたこともあり、ランキング首位ガイザーのポイントリードは33点に広がっています。
ティム・ガイザー(MXGP 6位/1位 総合1位)
「とてもハッピーです。なぜなら昨日の予選レース中の大転倒でゲートピックが18番目になってしまったので、これほど巻き返せるとは思いもよらなかったからです。レース1ではあまり乗れておらず、いいラインやリズムを見つけることができずに、6位になるのがやっとでした。レース2ではもう少しうまくスタートできて、何周か追い上げに費やした後、残り10分ぐらいの局面でトップに立つことができました。総合優勝を続けて獲ることができて、とても満足しています。この勝利はチームスタッフ全員が努力を重ねた賜物なので、心から感謝しています。この先にはまだたくさんのレースが控えていますが、毎戦楽しみながらベストを尽くし、MXGPシリーズの首位をキープしていきたいと思います」
ブライアン・ボジャーズ(MXGP 18位/12位 総合17位)
「レース1のスタートで転倒した割にはばん回できたので、今日はそれほど悪くなかったと思います。もちろんあのような始まり方は望ましくありませんが、最後尾から再スタートしたことで思いきり攻めようとスイッチが入りました。序盤は何台も抜くことができましたが、あるライダーの後ろについたところで勢いを削がれてしまいました。最後尾から18位まで追い上げてポイントを獲得できましたが、決して満足はしていませんでした。そのせいかレース2では集中力が高まり、20番手付近でスタートできました。1周目で12番手まで上がったのですが、そこからは最後までポジションが変わることはありませんでした。レース2ではスタートから20分間はスピードを維持できたので、自分のライディングにはとても満足しています。思いきり攻めて手堅いリザルトを残せたので、この走りを来週のトイッチェンタールでも続けたいと思います」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 17 | 34'02.925 |
2 | 4 | A.トヌス | ヤマハ | 17 | +01.599 |
3 | 222 | A.カイローリ | KTM | 17 | +12.059 |
4 | 461 | R.フェーヴル | ヤマハ | 17 | +14.205 |
5 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 17 | +15.980 |
6 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() | 17 | +17.943 |
7 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | ![]() | 17 | +24.661 |
18 | 189 | ブライアン・ボジャーズ | ![]() | 17 | +1'29.178 |
24 | 151 | ハリー・クラス | ![]() | 16 | +1Lap |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() | 18 | 35'56.037 |
2 | 461 | R.フェーヴル | ヤマハ | 18 | +02.189 |
3 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 18 | +02.738 |
4 | 4 | A.トヌス | ヤマハ | 18 | +15.871 |
5 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | ![]() | 18 | +22.078 |
6 | 41 | P.ジョナス | ハスクバーナ | 18 | +26.723 |
12 | 189 | ブライアン・ボジャーズ | ![]() | 18 | +1'05.661 |
20 | 151 | ハリー・クラス | ![]() | 17 | +1Lap |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() | 391 |
2 | 222 | A.カイローリ | KTM | 358 |
3 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 256 |
4 | 21 | G.ポーリン | ヤマハ | 254 |
5 | 4 | A.トヌス | ヤマハ | 246 |
6 | 27 | A.ヤシコニス | ハスクバーナ | 226 |
8 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | ![]() | 200 |
18 | 189 | ブライアン・ボジャーズ | ![]() | 82 |
26 | 151 | ハリー・クラス | ![]() | 19 |
34 | 179 | ホアキン・ポリ | ![]() | 3 |
37 | 220 | ヘトロ・サラサール | ![]() | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | ![]() | 400 |
2 | KTM | 395 |
3 | ヤマハ | 356 |
4 | カワサキ | 281 |
5 | ハスクバーナ | 265 |