モトクロス世界選手権第8戦が、ロシアのオリョーノクで開催されました。黒海に面した青少年キャンプ施設に隣接するコースで、冬季オリンピックが行われたソチに近い土地柄からは想像し難いのですが、今大会は両日とも快晴の下で気温が30℃まで上がりました。山を背にした起伏に富むコースはハード路面。ここからの3連戦、ロシア~ラトビア~ドイツは、ハード、サンド、ハードと変化します。
ティム・ガイザー(Team HRC)は、前戦まで2大会連勝(4レース連勝)中で、1週間のインターバルを挟んだ今回の遠征でも好調を維持していました。
レース1では、ロマン・フェーブル(ヤマハ)にホールショットを奪われたものの、ガイザーが即座にかわしてトップに躍り出ました。序盤2番手につけたクレモン・デサール(カワサキ)が転倒し、4周目からはアーヌー・トヌス(ヤマハ)に入れ替わりました。ガイザーとトヌスの差は2~3秒で推移していましたが、ラスト2周には0.9秒差と急接近。僅差のバトルになりましたが、ガイザーが逃げきり優勝しました。ポイントリーダーだったアントニオ・カイローリ(KTM)は12位に終わり、この時点でガイザーが首位に浮上しました。
レース2では、グレン・コルデンホフ(KTM)がホールショット。2番手につけたガイザーは、中盤8周目にトップに立ちました。その直後にトヌスもコールデンホフをかわして2番手となり、ガイザーの背後を脅かします。トップ争いはテールトゥノーズとなりましたが、終盤に差しかかったところでトヌスが転倒。ここで7秒のマージンを得たガイザーが、余裕のチェッカーを受け、パーフェクトウインを果たしました。
6レースを連取して、ランキング首位の証であるレッドプレートを授与されたガイザーとは対照的に、チームメートのブライアン・ボジャーズは、2レースとも17位と低迷しました。予選レースでのクラッシュにより、ゲートピック21番手という不利なスタートから奮闘しましたが、2年前に当地でMX2の表彰台に立ったような走りを再現には至りませんでした。
ティム・ガイザー(MXGP 優勝/優勝)
「今大会のリザルトにはとても満足していて、すごくうれしく思っています。2レースともアーヌー(・トヌス)が速くて、終始背後をマークされていたので、決して簡単な展開ではありませんでした。レース1では最初から最後までこらえて勝ちました。レース2でも同様の接戦になったのですが、残り10分辺りで彼のミスで差が少し開いたので、レースをものにできました。コースコンディションはそれほど荒れていませんでしたが、とてもハードでミスをしやすい路面でした。改めて喜びをかみしめながら、すばらしいマシンを用意してくれたHondaの関係者全員に感謝しています。この流れを続けていきたいです。3戦前は40ポイントのビハインドしたが、今では首位の証しであるレッドプレートを手に入れました。この数週間を振り返ってみて非常に満足しているし、まだ何戦も残っているので時期尚早ですが、この気持ちのままラトビアGPでもレッドプレートを維持したいと思います」
ブライアン・ボジャーズ(MXGP 17位/17位)
「自分にとってベストパフォーマンスではなかったですし、はるばるロシアまで来て両レースとも17位とは納得がいきません。このような暑さとハードパック路面に対する準備不足を感じました。このコースを走った感触もよかったし、楽しむこともできましたが、いい結果を残すことができませんでした。ラトビアGPではもっとうまくいくように、練習を積み重ねるつもりです」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() | 21 | 34'40.798 |
2 | 4 | A.トヌス | ヤマハ | 21 | +02.718 |
3 | 461 | R.フェーヴル | ヤマハ | 21 | +29.654 |
4 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 21 | +37.212 |
5 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 21 | +38.625 |
6 | 33 | J.リーバー | カワサキ | 21 | +41.033 |
16 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | ![]() | 21 | +1'08.295 |
17 | 189 | ブライアン・ボジャーズ | ![]() | 21 | +1'28.547 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() | 20 | 33'31.603 |
2 | 4 | A.トヌス | ヤマハ | 20 | +05.014 |
3 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 20 | +09.910 |
4 | 222 | A.カイローリ | KTM | 20 | +14.130 |
5 | 33 | J.リーバー | カワサキ | 20 | +15.660 |
6 | 41 | P.ジョナス | ハスクバーナ | 20 | +18.786 |
12 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | ![]() | 20 | +34.479 |
17 | 189 | ブライアン・ボジャーズ | ![]() | 20 | +1'00.407 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() | 351 |
2 | 222 | A.カイローリ | KTM | 338 |
3 | 21 | G.ポーリン | ヤマハ | 231 |
4 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 220 |
5 | 27 | A.ヤシコニス | ハスクバーナ | 212 |
6 | 25 | C.デサール | カワサキ | 208 |
9 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | ![]() | 170 |
18 | 189 | ブライアン・ボジャーズ | ![]() | 70 |
25 | 151 | ハリー・クラス | ![]() | 18 |
32 | 179 | ホアキン・ポリ | ![]() | 3 |
35 | 220 | ヘトロ・サラサール | ![]() | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | ![]() | 360 |
2 | KTM | 357 |
3 | ヤマハ | 312 |
4 | カワサキ | 259 |
5 | ハスクバーナ | 243 |