モトクロス世界選手権第5戦が、イタリアのマントバで行われました。前戦トレンティーノGPから5週間ぶりの再開となりますが、このインターバルは当初予定されていた中国GPの日程が変更されたことによるものです。この期間を利用してライダーたちは、トレーニングやローカルレースへの参戦などでコンディションを高めてきました。
マントバは、ティム・ガイザー(Team HRC)が3年前に完全優勝を飾ったコースです。またチームメートのブライアン・ボジャーズにとっては、MX2時代に初めてポディウム登壇(2位/3位)を果たしたのがここでした。意気揚々とマントバを再訪した2人でしたが、サンド質のコースは土曜夜半から降り出した雨により、マディコンディションへと様変わりしました。
レース1では、ガイザーが1コーナー手前でクラッシュ。ピットインのあと、最後尾から追い上げ、10分後には15番手までばん回しました。そのあとも転倒でポジションを下げ、後半になると10番手をキープしました。11周目には2度目のクラッシュしたガイザーですが、後続との差があったため10位のままフィニッシュしました。ボジャーズも1コーナーで転倒しますが、20位までばん回してチェッカーを受けました。
レース2では、ボジャーズが好スタートを切って3番手、ガイザーは7番手につけました。ボジャーズは2周目に2番手に浮上、トップのアントニオ・カイローリ(KTM)を追いかけました。序盤は背後のパウルス・ジョナス(ハスクバーナ)からチャージを受けながらも、後半になると差が広がりました。最終的にはカイローリから7秒差の2位でフィニッシュ。ボジャーズにとっては、MXGPにおけるベストリザルトになりました。ガイザーは6番手に上がったあと、単独転倒もあってさらなるポジションアップを果たせず、6位でチェッカーを受けました。
ティム・ガイザー(MXGP 10位/6位 総合6位)
「一晩降った雨の影響で、たいへんな一日となりました。コースは荒れやすくなり、ラインが限られるため、スタートの成否が大事でした。残念ながらレース1ではスタートで転倒したので、ゴーグル交換とネックブレイスを外すためにピットインしなければなりませんでした。レース中は何度かミスをしました。あえてラインから外れて仕掛けると、そこには非常に難しい路面状況が待ち受けていたからです。10位というリザルトは目標としている場所ではないし、とてもがっかりしました。レース2ではスタートが少し改善できて、2コーナーを10番手から12番手くらいで回りました。クイックに何台も抜くことができたのですが、コールデンホフの背後についてからはそれ以上のパッシングはできませんでした。レースでのファステストラップを出しましたし、自分の方が速いことは分かっていたのですが、コースはワンライン化されてしまって抜けなかったのです。ルーストを浴びてゴーグルを捨てたあとは、状況はもっと困難になりました。ひどい一日でしたが、モトクロスではよくあることです。ここから出直して、ポルトガルでは勝ちにいきたい。ものすごくモチベーションが上がっています」
ブライアン・ボジャーズ(MXGP 20位/2位 総合9位)
「昨夜雨が降り出したときから、私のいい一日が始まりました。コース状況が荒れることになりましたが、実はそういうコンディションが大好きなのです。路面は総じてそれほど悪くなくて、実際に何年か前のロシアGPほど悪くなかったので、うまく走れるだろうと思っていました。レース1ではスタートでクラッシュし、だれかがバイクを退けてくれるまで下敷きになっていたので、ひどく出遅れてしまいました。そのあとゴーグル交換のロスタイムを喫しながら、なんとか20位までばん回しました。とても納得できないリザルトだったので、レース2では特にスタートに集中し、1コーナーを3番手で抜けました。2、3周目に前のライダーが転倒したので、2番手に上がり、最後までそのポジションをキープできたのです。スピードもありましたし、フィジカルコンディションもよかったですし、2位という成績には満足しています。チーム全体が自分のことを信じて支えてくれたおかげです。彼らのサポートがあれば、マディではない普通のコースでも同じような結果を出せると信じています。我々にはまだ上昇する余地があります」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 222 | A.カイローリ | KTM | 15 | 36'48.024 |
2 | 41 | P.ジョナス | ハスクバーナ | 15 | +10.064 |
3 | 27 | A.ヤシコニス | ハスクバーナ | 15 | +21.379 |
4 | 99 | M.アンスティ | KTM | 15 | +27.299 |
5 | 25 | C.デサール | カワサキ | 15 | +39.542 |
6 | 21 | G.ポーリン | ヤマハ | 15 | +49.512 |
10 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() | 15 | +1'10.362 |
20 | 189 | ブライアン・ボジャーズ | ![]() | 14 | +1Lap |
26 | 143 | ダビデ・デ・ボルトリ | ![]() | 14 | +1Lap |
33 | 330 | オースティン・ルート | ![]() | 4 | +11Laps |
35 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | ![]() | 0 | +15Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 222 | A.カイローリ | KTM | 15 | 35'37.572 |
2 | 189 | ブライアン・ボジャーズ | ![]() | 15 | +07.068 |
3 | 41 | P.ジョナス | ハスクバーナ | 15 | +11.327 |
4 | 21 | G.ポーリン | ヤマハ | 15 | +15.790 |
5 | 259 | G.コルデンホフ | KTM | 15 | +15.887 |
6 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() | 15 | +17.780 |
16 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | ![]() | 15 | +2'10.659 |
23 | 143 | ダビデ・デ・ボルトリ | ![]() | 13 | +2Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 222 | A.カイローリ | KTM | 241 |
2 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() | 201 |
3 | 21 | G.ポーリン | ヤマハ | 175 |
4 | 27 | A.ヤシコニス | ハスクバーナ | 146 |
5 | 25 | C.デサール | カワサキ | 142 |
6 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 124 |
7 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | ![]() | 118 |
17 | 189 | ブライアン・ボジャーズ | ![]() | 55 |
23 | 151 | ハリー・クラス | ![]() | 18 |
31 | 179 | ホアキン・ポリ | ![]() | 3 |
34 | 220 | ヘトロ・サラサール | ![]() | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 241 |
2 | ![]() | 210 |
3 | ヤマハ | 186 |
4 | ハスクバーナ | 162 |
5 | カワサキ | 161 |