Team HRCがHondaにとって3年ぶりの大会制覇
ナグルが年間5勝を挙げてランキング6位で終える
MX1からMXGPと名称が変更された2014年のFIMモトクロス世界選手権。Hondaは最高峰クラスであるMXGPクラスに、Team HRCとしてワークス参戦を開始しました。前年まで同選手権に参戦していたHonda World Motocross Teamをベースに、ライダーはマキシミリアン・ナグルとイブジェニー・バブリシェフを引き続き起用。そして、ワークスマシンのCRF450RWを投入しました。
開幕戦では、ワークスチームが早々に結果を出します。予選6番手のナグルが好スタートを切ると、3周目にはトップに。終盤にはライバルの接近を許しますが、最終的には約2秒の差をつけてチェッカーを受けました。ナグルは続くレース2でも好走して4位でフィッシュ。大会を総合2位で終え、自身とHondaにとって、11年以来となる表彰台への登壇を果たしました。
第2戦以降は、表彰台には届かないものの、ポイント圏内をキープするナグルとバブリシェフ。第6戦を前にナグルが練習でケガを負い、長期の離脱を余儀なくされたときにも、奮起したバブリシェフが第9戦の両レースで5位に入るなど、Hondaの存在をアピールし続けました。
そうして迎えた第11戦、いよいよナグルが復帰します。この大会はナグルにとってホームグランプリとなるドイツ大会。そのためか、ケガによる痛みが残る中、それを感じさせない走りをみせます。レース1でホールショットを奪ったナグルは、そのままトップを快走。最後はフィニッシュジャンプでチェッカーを受け、復帰戦を優勝で飾りました。そして、続く12戦ではレース2で3位表彰台を獲得し、ワークスとしての力を見せつけます。
なかでも、ナグルが躍動したのは第16戦から最終戦にかけての4レースでした。第16戦は、予選でシーズン3度目のトップタイムをマークすると、レース1では2位に10秒以上の差をつけて優勝。レース2では、オープニングラップにライバルをかわすと、ミスのない走りを続け、2位を13秒以上離してダブルウインを達成しました。続く最終戦でも、レース1で勝利。レース2は4位となりますが、シーズン最後の2戦で最も印象的なライダーとなりました。
また、MX2クラスは、ティム・ガイザー(Team Gariboldi)が2度の優勝、2位が4度、3位が5度という成績を残し、ランキング5位となりました。日本人ライダーとして唯一参戦した山本鯨(Team Gariboldi)は、デビューシーズンをランキング26位で終えました。