過去3年間、ステファン・エバーツ(ヤマハ)がタイトルを獲得していたが、今年のワールドチャンピオンとなったのはスティーブ・ラモン(スズキ)だった。終盤までランキングトップにつけていたジョシュア・コピンズ(ヤマハ)は、鎖骨骨折により欠場が続いたため、ランキング3位でシーズンを終えた。
今回総合優勝したのはケビン・ストリボス(スズキ)。2位にはマーク・ド・ルーバー(ヤマハ)が入り、3位がラモンだった。
工業都市アイントホーフェンから10kmのところにあるサンドコースのリーロップは、最終戦の週末は曇りで肌寒かったが、3万6000人の観客が集まった。リーロップは2004年にモトクロス・オブ・ネイションズが開催された場所で、'04年以来MX1とMX2が行われている。
コースには複数のレーシングラインがあったため、観客にとっては面白いレースとなったが、ライダーにとっては体力的にハードで、マシンにとっても過酷なレースとなった。コースは荒れたサンド路面だったため、少しでもミスを犯すと取り返すのが困難になり、ライダーたちはペースを上げたり、落としたりしながら体力消耗を防いでいた。
ド・ディッカーは両レースとも単独で4位。ウオームアップのときにクラッシュしたド・ディッカーは、スターティングゲートに並んだ時点で身体中が痛んでいたが、レース1の序盤ではトップグループのライダーと競っていた。今シーズン、ランキング5位に入ったド・ディッカーは、2回表彰台に上がり、GP初優勝も達成している。
ド・ディッカーのチームメート、マイク・ブラウンは、初めてリーロップにやってきたが、このコースは今まで見た中で一番荒れたコースだと語っていた。ブラウンは、レース1で15位でフィニッシュしたが、もう少しで周回遅れになるところだった。
レース2に向けて、ブレーキのセッティングを変えたブラウンは10位に入り、総合11位で最終戦を終えた。ブラウンは今シーズン2回表彰台に上がり、日本GPではレース2で優勝している。全30レース中、ブラウンがリタイアしたのはアイルランドでメカニカルトラブルに見舞われたときだけだった。
土曜日にMartin Hondaと'08年に関して一年間の契約を更新したジュリアン・ビルもサンドコースで苦戦した。レース1では2回転倒してリタイアし、レース2では21位に終わったため、ポイントを獲得できなかった。シーズン途中からMartin
Hondaに加わったビルは、すぐに頭角を現すようになった。ビルはランキング15位でシーズンを終えたが、10レース連続でトップ10入りを果たしている。
3週間後にアメリカのワシントンDCにあるバッズクリーク・サーキットで行われる第61回モトクロス・オブ・ネイションズに、ド・ディッカー(ベルギー)とビル(スイス)はそれぞれの国の代表として出場する。また、イギリス選手権のタイトル防衛に挑むド・ディッカーは、2週間後にポントリアスで行われる最終戦に出場する。 |