モトクロス専用コースとして新設されたマネーグラス・デメンス・サーキットは、今回、雨に強風、そして低気温という手荒い洗礼を受けた。コースのレイアウトはよく、大きなジャンプがいくつもあることから好評だったが、豪雨により路面はぬかるみ、マシンにもライダーにも厳しい条件となっていた。
夜間に大規模なドロの除去作業が行われたことにより、レース当日のコース状況は前日よりは大幅に改善されていた。ジャンプの踏み切り地点と着地地点は依然としてかなり危険ではあったが、レーシングラインも何本かできていた。
豪雨の中で行われた土曜日の予選で、ド・ディッカーは自身にとって2度目、また今シーズン2度目となるポールポジションを獲得した。雨がひどかったため、スケジュールが変更され、15分間のフリープラクティスが行われたあとに、30分間の計時予選が行われた。
レース1ではド・ディッカーが好スタートを切ってトップに躍り出た。その後、ケビン・ストリボス(スズキ)と何度か順位を入れ替えたが、最終的にストリボスを引き離して優勝。ド・ディッカーにとっては今季2度目の優勝であり、トップ3に入ったのは今季8度目となった。
しかし、レース2ではド・ディッカーは1周目に転倒、最後尾から追い上げたが12位に終わった。その結果、4ポイント差で総合4位となった。
ド・ディッカーのチームメート、マイク・ブラウンは、レース1では腕が上がってしまい9位に終わった。だが、レース2では見違えるような走りを見せ、トップを走行するストリボスの真後ろにつけていた。しかし、終盤、テクニカル・トラブルが発生し、ブラウンはピットに戻ってリタイアを余儀なくされた。
ジュリアン・ビル(Martin Honda)は今回もいい走りを見せ、レース1の序盤は3番手につけていた。その後、ジョナサン・バラガン(KTM)とデビッド・フィリッパーツ(KTM)に抜かれ、さらにセバスチャン・ポールセル(カワサキ)とバトルを繰り広げた結果、6位となった。レース2でビルは、周回遅れのライダーを抜くのに苦労して、レース1と同じ順位の6位に終わり、総合順位ではHonda勢としては2番手の7位に入った。
もう1人健闘したのはピエール・ルネ(NGS Honda)で、11位と8位に入って総合8位となった。
13戦を終えてランキングトップはジョシュア・コピンズ(ヤマハ、445ポイント)。ランキング6位につけるド・ディッカーは345ポイントを獲得しており、ブラウンは8位(311ポイント)、ビルは13位(176ポイント)となっている。
第14戦は8月26日にイギリスのドニントンパークで行われる。 |