先週行われたチェコGPが雨に見舞われて寒かったのに対して、今週行われたベルギーGPは晴天で気温も上がり、3万1000人の観客が詰めかけた。
ナミュールでモトクロスが行われるようになって今年で60年目となる。また、初めてここで世界選手権が行われたのは1957年のことで、マシンは500ccだった。
ベルギー南部の町、ナミュールの中心にある公園を横断するように設けられたコースは、今年はかつてないほど過酷でテクニカルな設定となっていた。全長2400mのコースは、幅が狭くバンピーで、両側に植えられた木によって日陰になっている部分も多かった。オーバーテイクできる個所は非常に少なく、したがってレースの結果は1ラップ目にも決まってしまう可能性が高かった。
ド・ディッカーは、レース1では残りの3分の1の時点でセバスチャン・ポールセル(カワサキ)をかわしてトップに躍り出た。そのアグレッシブなライディングで地元のファンを沸かせたド・ディッカーだったが、最後にポーセルに抜き返され、惜しくも2位に終わった。地元で優勝を飾りたかったド・ディッカーだったが、レース2ではスタートに失敗。必死で追い上げたが8位に終わり、総合4位で表彰台を逃してしまった。
今シーズン途中からMartin Hondaに加わったビルは、レース1ではスタートに失敗し、必死に追い上げたが10位に終わった。レース2でばん回を目指したビルは、一度も3位以下に落ちることなく、5周ほど2番手のポジションをキープしたあと、3位でレースを終えた。今回は総合7位となったビルだが、前回チェコGPでの総合5位に続き、大活躍を見せている。
ド・ディッカーのチームメート、マイク・ブラウンは、過酷なナミュールのコースに初めて挑戦した。レース1ではいつものように序盤トップグループにつけていたブラウンだったが、終盤は後退して8位となる。レース2では7位に入り、総合順位では8位となった。
今回、レース1の結果は、優勝ポールセル、2位ド・ディッカー、3位ビリー・マッケンジー(カワサキ)となっており、レース2は優勝デビッド・フィリッパーツ(KTM)、2位タネル・レオク(カワサキ)、3位ビルとなった。
12戦を終えてランキングトップはジョシュア・コピンズ(ヤマハ、445ポイント)。ランキング6位につけるド・ディッカーは311ポイントを獲得しており、ブラウン(299ポイント)は9位、ビル(146ポイント)は15位となっている。
第13戦は8月19日に北アイルランドのベルファスト近郊にあるマネーグラス・デメンス・サーキットで行われる。 |