ブルガリアの首都ソフィアから東へ200kmの場所にあるセブリエボ。街の中心から少し外れた場所にあるモトクロス・コースは、幅の広い高速コースで、ジャンプや上り坂のストレート、下り坂などを持つ面白いコースだ。コース幅の広いコーナーにはラインが数本あるが、路面が硬いこともあり、多くのライダーが取るラインはスリッピーになっていた。
セブリエボでモトクロス世界選手権が行われるのは今世紀に入ってから4度目のことで、昨年に引き続き、2年連続での開催となった。
前戦のフランスGPで不運な結果に終わったド・ディッカーは、今回のレースでは“てのひら”にできた豆や足の痛みと戦わなくてはならなかった。そういった状況でも普段の走りで善戦。レース1ではスタートに失敗して、両レースともトップグループについていくことこそできなかったが、自分のペースで走り切り、8位と6位に入って総合6位となった。
ド・ディッカーのチームメートであるマイク・ブラウンは、レース1ではいつもの彼らしからぬ走りとなってしまった。レース序盤でトップ5につけることができず、ラスト2周でド・ディッカーをかわして7位に上がるのが精いっぱいだった。レース2ではいつものように抜群のスタートを切り、序盤の2周はトップを走行。その後、ジョシュア・コピンズ(ヤマハ)やスティーブ・ラモン(スズキ)、ダビデ・フィリッパーツ(KTM)のハイペースについていけなくなったが、セバスチャン・ポールセル(カワサキ)とは接戦を繰り広げた。ポールセルと接触して転倒したあとも、すぐに再スタートを切って8位でフィニッシュした。
ジュリアン・ビル(Martin Honda)にとって今回は新チーム加入後2戦目のグランプリだったが、レース1の序盤ではトップグループを走行し、最終的に6位に入る快走を見せた。レース2ではクラッシュした際にフロントブレーキを破損して、残念ながらリタイアに終わっている。
もうひとりの“ジュリアン”である、ジュリアン・バンニ(HDI Motorsport Honda)は、レース1で10位、レース2で7位に入り、総合8位に入った。
第8戦を終えてランキングトップはコピンズ(368ポイント)。Honda勢最上位はブラウン(196ポイント)のランキング7位で、ド・ディッカー(178ポイント)はランキング9位となっている。
次戦の第9戦は2週間後の7月1日にスウェーデンのウッデバラで行われる。 |