過去2年間は世界選手権のレースが開催されなかったサン・ジャン・ダンジェリーのコースは、路面が硬く、スピードも出るうえに、全長は今シーズン、レースが開催されるコースの中でもっとも短い。さらに、大きなわだちが複数個所に存在するテクニカルなコースだ。
絶対的にハイスピードのコースであるため、土曜日に行われた計時予選ではトップタイムのライダーから20番手のライダーまでのタイム差が2秒以内となった。よって、35分+2周の決勝レースでは、スタートが非常に重要となった。
レース1でブラウンは今回も好スタートを切り、トップを走行するジョシュア・コピンズ(ヤマハ)の後ろにつけていたが、その後、若干後退していった。それでも終盤までトップ5につけていたブラウンは、最終的に7位でフィニッシュした。
前回の日本GPで優勝したブラウンは、今回も前回同様、最低でも表彰台に上がらなくてはいけないというプレッシャーもあり、レース2では得意のスタートがあまりよくなかった。それでも再び7位に入り、総合順位で8位となった。
ブラウンのチームメートであるケン・ド・ディッカーはレース1で悪夢のような体験をした。スタートで出遅れ、最後尾となったド・ディッカーは、1周目に何人ものライダーを抜き去った。しかし、ほかのライダーと接触し、再び最後尾に順位を落とした。最終的に17位でレース1を終えたド・ディッカーだったが、土曜日のプラクティス中に痛めた左足が激痛に襲われ、けいれんし始めたため、レース2は途中でリタイアした。
今回のフランスGPでは、レース1でコピンズが優勝し、レース2ではスティーブ・ラモン(スズキ)が優勝した。
今回からMartin Hondaのライダーとして参戦しているジュリアン・ビルは、15位と11位に入り、総合12位となった。今回の結果に満足しているビルだったが、レース後には「それでももう少し上位でフィニッシュしたかった」と語っている。
Multitek Hondaのジェームス・ノーブルはレース1では10位だったが、レース2では2度の転倒によるマシンのダメージが大きかったためリタイアした。ノーブルにとっては今シーズン2回目のリタイアとなった。
アントン・メオ(Martin Honda)は先週フランスでヒザの手術を受けた。メオの復帰がいつになるのかは、現時点では明らかになっていない。
7戦を終えてランキングトップはコピンズ(321ポイント)。Honda勢トップのブラウン(169ポイント)は7位で、ド・ディッカー(150ポイント)は同10位につけている。
6月17日に第8戦ブルガリアGPが開催されるセブリエボ・サーキットは、FIMによって'06年のベスト・サーキットに選ばれている。 |