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| 第３戦以来、今季２度目の表彰台となったクロッカード(右) |
モトクロス世界選手権第６戦は、6月22日にオーストリアのカルテンリンクで行われた。
負傷のため３週間レースから離れていたゴードン・クロッカード（CAS Honda）は、復帰戦でいきなり実力を発揮した。Honda ４ストローク、450ccマシンに乗る25歳のアイルランド人、クロッカードは、優勝したステファン・エバーツ（Yamaha）とポイント・リーダーのミカエル・ピション（Suzuki）に続いて３位に入賞したのである。シーズン序盤に肩を骨折し、さらに３週間前のイタリアGP直前に指関節部を骨折した彼は、今回のオーストリアGPを終えてランキング９位に浮上した。
ランキング８位につけているのはチームメイトの熱田孝高で、その熱田は今回６位と今季最高の成績を収めた。
19周のレースの約半分まで３位につけていたのは前回のブルガリアGPで３位に入ったブライアン・ヨルゲンセン（Tiscali Honda）だったが、後方から猛然と追い上げてきたクロッカードにかわされて４位でフィニッシュした。その結果、ヨルゲンセンはランキングでも４位のポジションにつけている。
優勝したエバーツは今回もメインレースのモトクロスGPと125ccの両レースに出場し、ダブル・ウインを飾った。ピションとのトップ争いはし烈で、２人はほぼ同時にゴールし、差は0.350秒ときん差だった。これでピションとエバーツのポイント差も８ポイントに縮まっている。
CAS Hondaのチーム・オーナー、ハリー・アインズワースはクロッカードと熱田の成績に満足げだった。本来CAS Hondaにはこの二人の他にジョシュア・コピンズとジュシ・フェビライネンもいるが、コピンズはブルガリアGP後にヒザが化膿したため、イタリアの病院で治療中である。また、フェビライネンは背中の負傷の手術を受け、こちらも療養中だ。アインズワースは次のように語っている。
「クロッカードは素晴らしい復帰レースを見せてくれた。まだ体力的には完全ではないはずだが、信じられないようなファイティング・スピリットを持っている。スタートがあまり良くなくて、５番手につけていたのがかえって良かったのかもしれない。序盤からトップ・グループについていこうとしたら、体力的にきつかっただろう。熱田は毎回どんどん良くなっている。今回も最初の数周はナーバスになっていたが、その後、どんどん調子を上げていった。終盤まで５位につけていて、最後にスメット（KTM）に抜かれたのは残念だったけど、私は６位でも十分満足している。これから熱田の成績はどんどん良くなっていくだろう」
●ゴードン・クロッカード（モトクロスGP ３位）
「僕は何戦か欠場したけど、まだトップ５争いには加わっている。今回は失うものは何もないと思って、ただひたすら表彰台をめざした。もっとプラクティスやレースでマシンに乗る時間が必要だ。でも、これまで３戦に出場して２回表彰台に上がっているというのは悪くない。マシンは恐ろしいほど速い。僕自身がスピードに慣れてきたら、絶対にトップ争いに加われるだろう。体力的にはもっと良くなるだろう。今回、指関節は痛まなかった。肩の方もどんどん良くなってきている。でも、集中力とスピードはもっと改善しなくちゃいけないね」
●熱田孝高（モトクロスGP ６位）
「今回は予選も18位と今までで一番良かったし、決勝レースでも６位に入れたのでうれしいです。スタートも良く、当初はヨルゲンセンの後ろで４番手につけていたのですが、だいぶナーバスになっていました。そのうちクロッカードに抜かれたのでついていこうとしたんですけど、彼が変なラインを通っていたので、僕はもっとスムーズなラインを通ることにしました。５位で満足していたのですが、最終ラップに入った直後スメットに抜かれてしまいました。あわてて追ったのですが、逃げられてしまいました。でも、６位でも満足しています。ランキングの方も今回15ポイント獲得できました」
●ブライアン・ヨルゲンセン（モトクロスGP ４位）
「今週末ちょっと肩を痛めてしまった。３位は安泰だと思っていたらクロッカードに抜かれてしまい、抜き返すことはできなかった。でも、４位という成績は予想していたよりずっといい。トレーニングできなかったし、体力的にも理想からほど遠い状態にあるからね」
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