開発ファクトリー潜入[電気系]

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進化を続ける「電気系」 極限の環境で鍛え上げられる「機械」と「人」の絆

 

……とは言え、何も見えなければ話も進めづらい。まずは、RC-Vシリーズの中で最も「電気」の存在を感じられるコクピットの写真をご覧いただこう。

a. セクターインジケーター
サーキットは一周を4つに区切って、「セクター1」〜「セクター4」と名付けられているが、各セクターでベストタイムを更新するとランプが点灯する。予選アタック中、セクター1、点灯!セクター2、点灯!となったら「最後のセクターも完璧に決めてやる!」と思うだろう。ライダーのモチベーションを保つために効果的な装備だ。

b. 回転数
これは実際のところ「おまけ」程度で、ライダーは基本的に感覚を頼りに、最も自分の走りに適したポイントでシフトアップをするそうだ。2011年に関して言えば、わずかな違いではあるが、ストーナーとドヴィツィオーゾは高回転を多用して走り、ペドロサは比較的低い回転を使って走っていたのだという。

c. モニター
市販車ではスピードが表示される場所だが、レーシングバイクは基本的に「スピード」という情報をもとにしてコースを走るということはない。ここには、現在選択されているエンジンマッピングや水温なども表示させることができる。

d. シフトインジケーター
一般のライダーが高速道路などで、存在しないギア──いわゆる「幻の7速」──に入れてしまうのはよくあることだが、MotoGPライダーも例外ではないらしい(エンジニアが走行データを見ればわかるそうだ)。ギアポジションを表示するこれがあれば、コンマ数秒を失うことにも繋がりかねないイージーミスを避けることができる。

e. トラクションコントロールインジケーター
2010年モデルの事前テストではここに5ケタのインジケーターが並んでいたそうだが、開幕戦では2ケタになった。ウイリーコントロールやエンジンマッピングなどがどのような設定になっているのかを、数値で知らせる事ができる。

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