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MotoGP学科

ワイルドカードの話

15限目

“ワイルドカード参戦”とは??

欧州を中心にアジアやオセアニア、北米を転戦するMotoGPでは、最高峰のMotoGPクラスが年間18戦、中排気量のMoto2と小排気量のMoto3は17戦のレースが行われる。世界各国で催されるこれらのレースでは、シーズン全戦を争う「フル参戦」選手に加え、開催国の選手などが一戦限りの参加をする場合がある。たとえば、ツインリンクもてぎで行われる日本GPでは、全日本ロードレース選手権に参戦する選手たちが毎年何名か、一戦限りのエントリーをする。また、日本以外でも、イタリアで行われる大会ではイタリアの選手が、ドイツで行われるレースの場合にはドイツの選手が一戦限りの参戦をするのは決して珍しいことではない。

これら一戦限りの特別枠参戦は、一般に「ワイルドカード」と呼ばれる。この用語はロードレース以外のスポーツ競技でも使用されることが多く、広く一般に知られた言葉であるために、その大まかな内容は想像しやすいだろう。だが、このワイルドカードの資格を得るための要件や規制などの取り決めについて、詳細に知り尽くしている人は意外と少ないのではないだろうか。実際に、MotoGPクラスとMoto2/Moto3クラスでは条件などに相違があり、つい先ごろの2012年5月9日には、前回のMotoGP学科で紹介したモータースポーツの統括団体FIMから若干のルール変更も発表された。今回は、このワイルドカード参戦に関する決まりごとについて、ルールブックの文言と照らし合わせながら、その条件などを見ていくことにしよう。

2011年の日本GPにTeam HRCからワイルドカード参戦した伊藤真一選手

ワイルドカード参戦の新たな変更点

まずは、先日発表されたワイルドカード参戦に関するルール変更から説明することにしよう。この変更はDORNA、FIM、IRTA(国際ロードレーシングチーム協会:MotoGP各クラスに参戦するチームや参加関連企業などの調整などを行う団体)、MSMA(モーターサイクルスポーツ製造者協会:MotoGPクラスに参戦する企業で構成される団体。2012年現在は、Honda、ヤマハ、ドゥカティの3メーカーが参加している)の各代表が集まるグランプリコミッションで5月5日に決定され、5月9日付けでFIMから正式に発表された。その概要は以下の通りだ。

スポーティングレギュレーション

MotoGPクラスのワイルドカードエントリー適用締め切りを変更する。以後、FMN(注:FIM加盟国団体)、FIM、MSMA、DORNAによるエントリーの提案は、大会に先だついずれの時期でもよい(以前の刻限は、エントリー承認後のマシン準備やテストに十分な時間が与えられない45日前であった)。(中略)Moto3クラスとMoto2クラスのワイルドカードエントリーの適用締め切りは、従来どおりの45日前で変更はない。(後略)

The deadline for applying for a wild card entry in the MotoGP class has been changed. In future an entry can be proposed by an FMN, the FIM, the MSMA or Dorna at any time prior to the event. (Previously the deadline was 45 days which gave little time for accepted entries to prepare and test machinery). [……] The deadline for applying for a wild card entry in the Moto3 and Moto2 classes remains unchanged at 45 days. [……]

この措置にともない、テクニカルレギュレーションにも変更が加えられ、MotoGPクラスのワイルドカード選手は、参戦レースで使用するエンジンが3基まで許可されることになった。

Each wild card entry in the MotoGP class will now be allowed three engines for their exclusive use during each event.

参戦締め切りの変更に関しては上記文言により明確に理解をされたことと思うが、次に、ではそもそも誰がどのようにワイルドカード参戦を決定するのか。その取り決めを見ていくことにしよう。

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