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MotoGP学科

ペナルティの話

9限目

ペナルティを科す主体、抗議の権利、罰金の納入先

これらの各種罰則は、規律や裁定に関する取り扱い資格を有する者、具体的にはレースディレクション、FIM代表、国際規律法廷(CDI)※1の三者が取り扱う、と{3.3 規律と裁定の組織}の文言は定めている。

レースディレクションはペナルティを宣告する権限を有し、FIM代表はレースディレクションの決定に対する抗議を受け付ける。また、レースディレクションとFIM代表は、自らの有する権限以上のペナルティを科す場合に、その適用を国際規律法廷に委ねることができる、とされている。

これらのペナルティに対しては、抗議をする権利も保障されている。ただし、すべてのペナルティに対して抗議が可能なわけではなく、可能な場合でも抗議の提出には一定の制約が設けられている。{3.4.6. 抗議提出の時間制限}によると、レースディレクションへの抗議は30分以内、FIM代表への抗議は5日以内、などとなっている。

また、{3.6.1. 罰金および費用の支払い}では、選手やチームなどに科された罰金は、処分決定後の次回のグランプリで最初のプラクティス(現状のルールでは、金曜午後のフリープラクティス1回目)が行われる時間までに納付されなければならない、とされている。指定期日になっても納付が行われない場合、当該選手やチームなどは、全額を納付するまであらゆるFIMの活動への参加が停止される。ちなみにこの罰金は、同条文は慈善団体へ寄付することを指定している。

・罰金および費用の支払い
ペナルティが決定すれば、すべての罰金は、決定後の次回グランプリ1回目プラクティスが始まる前に慈善団体に対して支払われなければならない。(中略)この決定を満たさない個人もしくは団体は、全額の納付が行われる時点まで、FIMのあらゆる活動に対して自動的に出場停止処分を受けるものとする。

・Payment of fines and costs
If the penalty is definitive, all fines must be paid into the Benevolent Fund before the beginning of the first practice of the second Grand Prix following the final decision. (…) The person or body affected by the decision shall be automatically suspended from participation in all FIM activities, until such time as full payment has been received.

用語解説

※1国際規律法廷(CDI:International Disciplinary Court)

国際規律法廷とは、レースディレクションやFIM代表(スチュワード)の裁定に対する控訴を受け審判を行うFIMの組織のこと。また、レースディレクションやFIM代表がそれぞれ持つ権限を超えたペナルティが要求された際の裁定も行う。

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