Testingバレンシア公式テスト
MotoGP
2019年11月19日(火)-20(水)
バレンシア・サーキット・リカルド・トルモ
最終戦バレンシアGPが行われたサーキット・リカルド・トルモ(バレンシア・サーキット)で、19日、20日の2日間、MotoGPクラスの公式テストが行われました。17日に行われた最終戦でマルク・マルケス(Repsol Honda Team)がシーズン12勝目を達成、Hondaは3年連続9回目の三冠(ライダー、コンストラクター、チームの各タイトル)を達成しました。その喜びに浸る間もなく、2020年に向けてHonda陣営は始動。Repsol Honda Teamは、4年連続6回目のチャンピオンを獲得したマルケスと、新たに加入したMoto2チャンピオンのアレックス・マルケス、そしてLCR Honda CASTROLのカル・クラッチローの3人のレギュラーライダーがテストに参加しました。
2日ともに好天に恵まれましたが、最高気温は17℃と低く、低い路面温度の中で午前11時過ぎにコースイン、午後4時過ぎには気温、路面温度も下がるためにテストを終了と短い時間でのテストとなりましたが、3選手ともに来季に向けて、それぞれのメニューを消化しました。
来季、最高峰クラスで5年連続7回目のチャンピオンを目指すマルケスは、今季使用した2019年型と2020年型のプロトタイプマシンをテストしました。初日に60ラップ、2日目は71ラップ、ロングランを中心に2020年型マシン作りに役立つデータ収集に集中。確実にメニューを消化しました。そして2日目には、プロトタイプで2日間のベストをマーク、大きな手応えを感じるテストになりました。
ホルヘ・ロレンソの引退を受けて、急きょ、Repsol Honda Team入りが決まったアレックス・マルケスは、Repsol Honda Teamから兄弟参戦ということで大きな注目を集めることになりました。大勢の報道陣が見守る中でテスト開始となりましたが、2日間で132ラップを消化、着実にRC213Vを攻略しました。現在は限界点を探りながらのテストとなっていますが、2日目には最多周回の79ラップをこなしました。今回のテストは、今季クラッチローが使用した2019年型RC213Vを使ってのテスト。走り込みが一番の目的となりますが、引き続き、ヘレステストでもマシン攻略につとめます。
LCR Honda CASTROLのクラッチローが、マルケスとともに今季使用した2019年型と2020年型プロトタイプのマシンでテストを行いました。2日目には4番手タイムをマーク、順調にメニューを消化しました。今年は、昨年のシーズン終盤戦にケガをした右足の状態が完全ではないまま開幕を迎えましたが、徐々に調子を上げて、シーズン3回の表彰台に立ちました。来季は万全の体調とマシンでシーズンを迎えるため、続くヘレステストでも来季に向けて準備を進めます。
第16戦日本GPを終えて右肩を手術、終盤の3戦を欠場した中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、年内のテストをキャンセルし、治療に専念します。
カル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)総合4位 ベストタイム1分30秒316 142ラップ
1日目 11位(1分31秒183) 69ラップ
「今日はポジティブでした。2020年型プロトタイプマシンをトライしました。まずはマシンをセットアップして、きちんと走行できるようにしなければなりません。かなりいい仕事ができたと思います。正しい方向に向けてマシン作りに取り組む最初の一歩の段階です。今夜データを見て、明日はもっといろいろトライしたいと思います。全体的にはかなり満足しています。MotoGPマシンは同じDNAがあるのでどのマシンも大きな違いはありませんが、細かな部分ではかなり違います。今、なにを探しているのかというと、小さなアドバンテージです。今の時点では、ブレーキングゾーンで少し強さを感じています。これは2019年型マシンに求めていたことなので、僕にとってはポジティブなことです」
2日目 4位(1分30秒316) 73ラップ
「今日は昨日より少し速くなりました。インフォメーションをさらに集めて、速く走ることが目標でした。全体的には満足しています。周回数にも満足しています。短い時間の間にかなりたくさん周回しました。とても寒い天候だったので、2日ともに開始時間を遅らせました。数日後にもほかのテストがあります。3時間半の間に75周走りました。今日の進展には満足しています」
マルク・マルケス(Repsol Honda Team)総合7位 ベストタイム1分30秒556 131ラップ
1日目 5位(1分30秒698) 60ラップ
「今日のテストの進行には全体的に満足しています。2020年型プロトタイプのマシンに初めて乗り、理解する努力を始めました。アウトラップで奇妙な転倒をしてしまいましたが、マシンに問題はありませんでした。明日はほかの部分に集中し、もっといろいろ理解できるように努めます。2日目も忙しくなりますが、引き続き仕事をするのが楽しみです。データをたくさん得ることが重要になります。このテストの結果が来年型のマシンに活きることになるからです」
2日目 7位(1分30秒556) 71ラップ
「いいテストになりました。2020年型プロトマシンの最初のバージョンを理解し始めました。エンジンとシャシーのテストに引き続きトライしました。いつものようにポジティブなこととネガティブなことがありますが、今日はプロトタイプマシンで自己ベストを出すことができました。これはポジティブなことです。5日後にヘレスで再びテストがあります。そのテストでさらにマシンを理解できたらと思います。楽しみです。目標は、今後のマシン作りでプランを立てられるように、発見したことを確認することです」
アレックス・マルケス(Repsol Honda Team)総合22位 ベストタイム1分32秒235 132ラップ
1日目 23位(1分32秒873)53ラップ
「まずはMoto2ワールドチャンピオンとしてこのような機会を与えてくれたHondaに感謝したいです。毎周前進することができました。これは重要なことです。初ライドを楽しむことができました。とてもうれしいです。最初の走行でミスをしてしまい転倒しましたが、今日はポジティブな日でした。リズムはかなりよかったです。明日に向けてどこを改善し集中すべきか分かりました。明日はもっと周回し、マシンを理解し、もっとうまくコントロールする方法を学んでいきたいと思います」
2日目 20位(1分32秒235) 79ラップ
「今日のテストにはとても満足しています。周回するごとにマシンをさらに理解することができました。今日はたくさん周回したので、体力的に少し疲れました。なぜならまだマシンに慣れていないからです。でも周回を重ねていけば慣れていくと思います。ユーズドタイヤでたくさん周回してペースを改善し、マシンの動きを学びました。もちろんもっと前進しなければなりません。さらに、いくつか取り組まなければならないことがあります。でも今日の仕事とテストには満足しています。これからヘレスに行きます。今回のテストはマシンに乗るのがとても楽しかったので、ヘレスで走るのが楽しみです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 12 | M.ビニャーレス | ヤマハ | 1'29.849 |
2 | 20 | F.クアルタラロ | ヤマハ | +0.164 |
3 | 21 | F.モルビデリ | ヤマハ | +0.265 |
4 | 35 | カル・クラッチロー | ![]() | +0.467 |
5 | 36 | J.ミル | スズキ | +0.578 |
6 | 42 | A.リンス | スズキ | +0.654 |
7 | 93 | マルク・マルケス | ![]() | +0.707 |
8 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | +0.816 |
9 | 44 | P.エスパルガロ | KTM | +0.836 |
10 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | +0.932 |
11 | 43 | J.ミラー | ドゥカティ | +1.005 |
12 | 53 | T.ラバト | ドゥカティ | +1.409 |
13 | 51 | M.ピッロ | ドゥカティ | +1.575 |
14 | 9 | D.ペトルッチ | ドゥカティ | +1.584 |
15 | 26 | D.ペドロサ | KTM | +1.621 |
16 | 27 | I.レクオナ | KTM | +1.666 |
17 | 41 | A.エスパルガロ | アプリリア | +1.677 |
18 | 17 | K.アブラハム | ドゥカティ | +1.748 |
19 | 6 | ステファン・ブラドル | ![]() | +1.808 |
20 | 29 | A.イアンノーネ | アプリリア | +1.825 |
21 | 38 | B.スミス | アプリリア | +2.241 |
22 | 73 | アレックス・マルケス | ![]() |
+2.386 |
23 | 33 | B.ビンダー | KTM | +2.518 |
82 | M.カリオ | KTM | - |