現場レポート Repsol Honda Team チーム・マネージャー アルベルト・プーチ 現場レポート 現場レポート
Vol.211 Round 12

Repsol Honda Teamのライダー2人がそろったイギリスGPは、全体的に見ればポジティブな結果に

第12戦イギリスGPは、レースウイークを通じて好天に恵まれ、終日青空が広がった決勝日は、最高気温が31℃、路面温度が44℃とタイヤにとっては厳しい条件となりました。昨年は断続的に降る雨と水はけの悪い路面のため、決勝レースがキャンセルとなりましたが、今年は夏を感じさせるすばらしい天候の中で熱戦が繰り広げられました。

今大会、4戦連続8回目のポールポジションから好スタートを切ったマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、20周のレースのほとんどをリードしましたが、最終ラップの最終コーナーでマルケスをピタリとマークしていたアレックス・リンス(スズキ)に先行を許し、惜しくも優勝を逃しました。

予選では1分58秒168というサーキットベストタイムをマーク。連続周回でも1分59秒台の好ラップを刻み、5年ぶりの大会制覇の期待が膨らみました。しかし、レースウイークを通じてもっとも気温と路面温度が上がり、タイヤのパフォーマンスを存分に発揮できませんでした。想定していたラップタイムで周回することができず、そのためライバルの追撃を許します。そして最終ラップの最終コーナーでフロントがスライドし、転倒を回避するためにアクセルを戻したことで、わずかにライバルの先着を許しました。

今季7勝目、そして5年ぶりの大会制覇を逃したマルケスですが、総合ポイントでは、総合2位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)がスタート直後のアクシデントで転倒リタイアとなりノーポイント。58ポイント差から78ポイント差へとリードを広げることに成功しました。勝てなかったことは残念ですが、チャンピオンシップでは4年連続6回目のタイトル獲得に向けて、また一歩前進することに成功しました。

今大会は4戦ぶりにチームメートのホルヘ・ロレンソがケガから復帰して14位でフィニッシュし、明るい話題を提供しました。Repsol Honda Teamにとって、今大会はどんなレースだったのでしょうか。Repsol Honda Teamのアルベルト・プーチ監督が振り返ります。

―シルバーストーンの戦略はどういうものでしたか?

「戦略はいつもと同じでした。必要のないリスクは負わずにベストを尽くすことでした。レースウイークは全体的にポジティブでした。ホルヘが戻ったことは私たちにとって、とても大事なことでした。長い間レースから離れていた彼にとってこの週末は簡単ではありませんでした。でも、マシンに乗って、レースを完走するという目標を達成しました。マルケスは今回も優勝を目指してレースをしました。タイヤに問題がありましたが、最後まで優勝争いをしました。最後はチャンピオンシップにおいて、いい結果を残しました。残念ながら優勝はできませんでしたが、彼のタイヤの状態は完ぺきではありませんでした。いずれにせよ、アドバンテージをさらに広げることができたのでとてもうれしいです。いい気分で、いいポジションで、シルバーストーンをあとにすることができます」

―今大会のポジティブポイント、ネガティブポイントを教えてください。

「ポジティブなことはホルヘが戻ったことですね。そしてポイントを獲得してシルバーストーンをあとにすることです。幸い、今週末はネガティブなことは、あまりありません。カル・クラッチローもホームのファンの前でいいレースをしました。中上も転倒するまでとてもいい走りをしていました。全体的に満足しています」

―ピットウォールからどんな気持ちでレースを見ていましたか?

「とてもおもしろいレースでした。リンスは、マルクについていってすばらしい仕事をしました。彼におめでとうと言いたいです。観客にとってもとてもいいショーだったと思います。天気もよく、いいレースでした。残念ながらレーススタート直後にドヴィツィオーゾとクアルタラロが転倒してしまいました。転倒しなければ、彼らがトップグループに入って、レースはもっと接近戦になっていたでしょう。彼らがケガをしていないことを願っています。そして次のレースにも出られることを願っています」

―これからミサノに向かうことになりますが・・・。

「はい。これからミサノに向かいます。ここでは今週の木曜日と金曜日に、9月の大会に向けて重要なテストを行います。新しいパーツをテストしますが、それは残りのシーズンのためだけではなく、来年のためでもあります。これでエンジニアが最後の判断をして、今後に向けてプランを決定します。とても興味深い2日間になります」


イギリスGPを終えたRepsol Honda Teamは、休む暇もなく、8月29日と30日の2日間、次戦サンマリノGPの舞台となるミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで2日間のテストを実施します。このテストは、シーズン後半戦の準備と、来シーズンに向けてのテストになります。シーズンも残り7戦、ライダー、コンストラクター、そしてチームの各タイトル獲得に向けて、チーム一丸となって取り組みます。

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