Vol.193 Round 13

マルケスが2位を獲得し、ランキングではリードをさらに広げる
ペドロサも6位入賞で、チームポイントに貢献

第13戦サンマリノGPは、第10戦チェコGP、第11戦オーストリアGPに続き、再び、アンドレア・ドヴィツィオーゾ、ホルヘ・ロレンソのドゥカティ勢とマルク・マルケスの3人による優勝争いとなりました。前戦イギリスGPは雨の影響で決勝レースが中止されましたが、後半戦に入ってから、この3人の優勝争いが定着した格好となっています。し烈な優勝争いに、ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリに集まった約10万人のファンも大喜びとなりました。

レースは、ミサノをホームコースとし、事前テストも行っているドゥカティ勢に優勢な戦いとなり、ドヴィツィオーゾが優勝。その後方でロレンソとし烈な戦いを繰り広げたマルケスが2位でフィニッシュしました。

今季6勝目は果たせませんでしたが、この結果マルケスは、今大会優勝して総合2位に浮上したドヴィツィオーゾとの差を67点、今大会7位に終わり総合2位から3位にダウンしたバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)との差を70点へと広げました。また、マルケスとのし烈な2位争いの中で転倒ノーポイントに終わったロレンソとの差も91点と広がりました。今大会のマルケスの目標は、表彰台に立つこと、そしてチャンピオンシップでリードを広げることでしたが、その両方を達成、3年連続5回目のタイトル獲得に向けて、また一歩前進しました。

今大会の舞台となったミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリでは、8月にライバルチームがテストを実施していますが、Repsol Honda Teamは事前テストを行いませんでした。厳しい条件での戦いとなりましたが、マルケスの熱い走りにファンも沸きました。一方、8月下旬の事前テストに参加したカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が、テストの成果を存分に発揮して3位になり、今季2回目の表彰台を獲得。チームのホームグランプリでの表彰台にチームスタッフも大喜びでした。

フリー走行、予選でやや苦戦、予選11番手から決勝に挑んだダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、好スタートからセカンドグループに加わり6位でフィニッシュしました。ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリを得意とするペドロサにとっては、満足のいく結果ではありませんでしたが、接戦となっているチームタイトルポイントで貢献。Hondaは、ライダー、コンストラクター、そしてチームタイトルの3冠制覇に向けて一歩前進しました。

毎戦、厳しい戦いが続くMotoGPクラスですが、タイトル獲得に向けて着実に前進するRepsol Honda Teamのアルベルト・プーチ監督が今大会を振り返ります。

―サンマリノGPの戦略はどういうものでしたか?

「マルクはベストのセットアップといいペースを見つけることが最大の目標でした。ラップタイムがみんなとても近かったので、難しいレースになることはわかっていました。ダニとカルもとてもいいレースをしました。ダニのレースウイークはいくつかの問題を抱えて始まりましたが、レースでは一歩前進しました。カルも同じで、レースでは上位とのギャップを縮めました。彼らの結果にはとてもうれしく思っています」

―今大会のポジティブポイントとネガティブポイントを教えてください。

「ポジティブなことはマルクが(2番手に対し)59ポイントのアドバンテージでサンマリノGPを迎え、67ポイントのアドバンテージを得て、ここを去るということです。ネガティブなことはライバルたちがかなりプッシュしていることです。特にドゥカティが今はとても戦闘的だということです」

―ピットウォールから見ていた感想をお聞かせください。

「いつものように、自分のライダーたちが優勝争いをしているときは、少しドキドキしますが、激しく、いいレースでした。また、カルも表彰台獲得でフィニッシュできました。ラッキーでした」

―今大会のインサイドストーリーを教えてください。

「今大会もワイルドカードでステファン・ブラドル(HRC Honda Team)が参戦しました。彼もポジティブな仕事をしましたが、残念ながらレース終盤で転倒してしまいました」


雨で中止になった前戦イギリスGP。冷たい雨が続いたシルバーストーンから一転、青空が広がる中で決勝レースが行われたサンマリノGPもタイヤの選択が難しいレースとなりました。特に事前テストをしていないRepsol Honda Teamの2人にとっては厳しい条件となりましたが、チームの総力を結集、マルケスが2位、ペドロサが6位という結果を残しました。

次戦は、チームにとっても、マルケスとペドロサにとってもホームグランプリとなります。地元ファンの声援に応え、タイトル獲得に向けて前進する意気込みです。この大会が終わると、いよいよ、タイトル決定の山場となるアジアシリーズ。アラゴンGPの好結果に期待です。

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