Vol.182 Round 01

苦手としてきたロサイルでマルケスが表彰台獲得

2018年シーズンの開幕戦カタールGPは、3月18日午後7時にスタートが切られ、予選2番手から決勝に挑んだマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が2位でフィニッシュしました。昨年、チャンピオン争いを繰り広げたアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)とのし烈な戦い。最終ラップ最終コーナーで前に出たマルケスですが、クロスラインで立ち上がったドヴィツィオーゾに先行され、わずかの差で優勝を逃しました。

惜しくも優勝を逃したマルケスですが、カタールGPの開催されるロサイル・インターナショナル・サーキットは、シーズンを通して 最も苦手とするサーキットの1つ。この大会の結果がこれからのシーズンの戦いを占うことになりますが、フロントロー獲得、そして表彰台獲得と絶好のスタートを切りました。

チームメートのダニ・ペドロサもトップグループに加わりましたが、終盤、リアタイヤのグリップ低下でペースが上がらず7位でフィニッシュ。リザルトはペドロサにとって期待したものではありませんでしたが、2018年型RC213Vのパフォーマンスを改めて確認するレースとなり、これからの戦いに期待が膨らみました。

今年はイデミツ・アジア・タレント・カップ、ブリティッシュ・タレント・カップで、Hondaのライダー育成シリーズで大きな貢献をしてきたアルベルト・プーチ氏がRepsol Honda Teamチームマネージャーに就任。今大会が初めて采配を振るうレースとなりました。周囲の注目の中で初レースを終えたプーチチームマネージャー。緊張の初レースを振り返ります。

11年から続いていたカタールGPの4日間開催が、今年は3日間開催になり、レースのスタート時間も2時間早い午後7時になりました。今大会の戦略はどういうものでしたか?

「カタールGPのレース戦略は、とても重要になります。私たちの2人のライダーはフロントにハードオプションタイヤを選択しました。そのため最初の4、5周は安全に走るということでした。レースのスタート時の気温が低いことを心配していました。でも、彼らはうまく序盤を切り抜け、すべて順調でした。これがレース序盤の大きな目標でした」

今大会のポジティブポイントとネガティブポイントを教えてください。

「ポジティブだったのは、Hondaと私たちのライダーたちがいつも難しく感じてきたサーキットで表彰台を獲得したことです。そのサーキットでいい結果を出すことができたことはポジティブでした。この数年の内容、結果と比べたら、大きく前進できたことは明らかです。ネガティブポイントは、ダニの結果です。彼は最後までトップグループに加わり、表彰台争いができると確信していました。しかし、ダニはリアタイヤに問題を抱え、それがハンディとなり、チームの総合結果にも影響してしまいました」

レース中、ピットウォールから見ていた感想はどうですか?

「ピットからレースを何年も見てきました。レースに本当に関われば、とても苦労するということは私たちみんなが知っています」

今大会のインサイドストーリーを教えて下さい。

「MotoGPのレースが始まって数周後、突然ピットレーンのモニターの電源が落ちてしまいました。しかし、Repsol Honda Teamの技術者が素早く問題を解決しました。Hondaの発電機のおかげであり感謝しています」

開幕戦カタールGPでHonda勢は、Repsol Honda Teamの2人が2位&7位。LCR Honda CASTROLのカル・クラッチローが4位と表彰台にあと一歩と迫る活躍でした。その他、フランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)がルーキー勢トップの12位、チームメートのトーマス・ルティが16位、中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が17位という結果でした。Repsol Honda Teamは、次戦アルゼンチンGPで、今季初優勝と両ライダーの表彰台を目指します。

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