ROUND 06
イタリアGP
ムジェロ・サーキット
2017.06.04(日)・決勝
第6戦イタリアGPの決勝日は、午前中は雲の多い天候でしたが、午後には回復して青空が広がりました。気温は予選日よりやや低い25℃。路面温度も42℃へと下がりました。レースウイークの中ではややタイヤに優しいコンディションでしたが、フリー走行、予選とセットアップに苦戦したHonda勢は、決勝でも思うようなラップを刻めず、表彰台を逃す結果となりました。
予選6番手となったディフェンディングチャンピオンのマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、序盤はトップグループに加わりますが、集団のペースにはついていけず、中盤から後半にかけては、アルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)とセカンドグループを形成。最終的に6位でフィニッシュしました。
今季ベストグリッドである10番手から決勝に挑んだティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0)は、2戦連続で11位フィニッシュ。MotoGPクラスで2年目のシーズンを迎えるラバトは、ウインターテストでのケガの影響で調整が遅れましたが、やっと調子が上向きに。3日間を通して、最もいい内容でレースを終えました。チームメートのジャック・ミラーは、今年は好調なスタートを切りましたが、今大会はフロントのフィーリングに苦しみ、予選19番手、決勝15位と思うような走りができませんでした。この結果、ポイントランキングでは10位から12位にダウン。次戦カタルニアGPでは、再びトップ10入りを目指します。
総合2位で今大会を迎えたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、予選5番手。決勝では、序盤からペースが上がらず、サードグループで走行を続けました。レース中盤は10番手前後と苦しい走りが続き、12番手を走行していた最終ラップの10コーナーでは、前を走るカル・クラッチロー(LCR Honda)を抜こうとして転倒、リタイアに終わりました。この結果、ペドロサは総合5位にダウン。ホームグランプリとなる次戦のカタルニアGPで、雪辱に挑みます。
13番グリッドから決勝に挑んだクラッチローも、序盤からペースが上がらず苦戦。11番手を走行していた最終ラップの10コーナーでペドロサの転倒に巻き込まれ、リタイアに終わりました。この結果、総合7位から10位へとダウン。次戦カタルニアGPで巻き返しに挑みます。
マルク・マルケス(MotoGP 6位)
「今大会は1周目がとても大事なことが分かっていたし、いいスタートが切れたのでプッシュすることにしました。しかし、しばらくするとコーナーでフロントのフィーリングに苦戦するようになり、後続のグループにつかまりました。今日はフロントに左右非対称のミディアムを選択しました。ハードでは、レースを走りきることができないと思ったからです。ハードのフロントはフィーリングはいいのですが、持ちが心配でした。しかし、ミディアムの右側はハードよりも硬く、ムジェロは右側が重要になるので、それを選択することにしました。それでもある時点から厳しい走りを強いられるようになり、それからはリスクを冒さず完走することにして、最終的に6位でフィニッシュできました。チャンピオンシップは、激しく順位が入れ替わっています。それだけに、フロントのフィーリングの改善に全力を尽くさなければなりません」
ティト・ラバト(MotoGP 11位)
「今日の結果はとてもうれしいです。トップグループとの差も、これまでで最も小さかったし、とても満足しています。今日はスタートしたあと100%プッシュして走り、カル・クラッチローと一緒に長く走れました。その後、ダニが前を走っていましたが、リアタイヤが消耗していて、体力的に疲れてもいたので、完走する走りに切り替えました」
ジャック・ミラー(MotoGP 15位)
「今週はマシンのセットアップが決まらず、特にフロントのフィーリングが改善できない状態の中、こうしてポイントを獲得できたことはとてもうれしいです。転倒もなく、ウイークを通じてベストを尽くしました。連戦となる次のバルセロナがとても楽しみです」
ダニ・ペドロサ(MotoGP リタイア)
「今大会はグリップ不足に苦しみ、決勝では、さらに状態が悪化しました。スタートから、フロントもリアもグリップ感がなく、多くのライダーにパスされました。ストレートでもマシンが滑っているような感じで、それをコントールするのは難しく、長いレースでした。最終ラップには、カルをパスしようとして転倒し、彼を巻き込んでしまいました。申し訳ない気持ちです。2人ともケガがなかったのが幸いです。連戦となる次戦カタルニアGPではいいレースができると思うし、楽しみにしています」
カル・クラッチロー(MotoGP リタイア)
「レースなので仕方ありません。しかし転倒したときは、ダニに腹を立ててしまいました。転倒は、後ろの方からマシンが滑ってきて、気がついたときにはダニの上にいました。今日の彼は、自分のポジションにフラストレーションを抱えていることは明らかでした。今大会はレースウイークを通じて苦戦しました。そのため今日は限界までプッシュせず、フロントタイヤの状況をみながら最後まで走ろうと思いました。バルセロナのテストは難しく、今大会でもうまくセットアップを進めることができませんでした」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | 41'32.126 |
2 | 25 | M.ビニャーレス | ヤマハ | +1.281 |
3 | 9 | D.ペトルッチ | ドゥカティ | +2.334 |
4 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | +3.685 |
5 | 19 | A.バウティスタ | ドゥカティ | +5.802 |
6 | 93 | マルク・マルケス | ![]() | +5.885 |
7 | 5 | J.ザルコ | ヤマハ | +13.205 |
8 | 99 | J.ロレンソ | ドゥカティ | +14.393 |
9 | 51 | M.ピロ | ドゥカティ | +14.880 |
10 | 29 | A.イアンノーネ | スズキ | +15.502 |
11 | 53 | ティト・ラバト | ![]() | +22.004 |
12 | 45 | S.レディング | ドゥカティ | +24.952 |
13 | 94 | J.フォルガー | ヤマハ | +28.160 |
14 | 8 | H.バルベラ | ドゥカティ | +30.676 |
15 | 43 | ジャック・ミラー | ![]() | +30.779 |
16 | 17 | K.アブラハム | ドゥカティ | +42.306 |
17 | 50 | S.ギュントーリ | スズキ | +46.294 |
18 | 76 | L.バズ | ドゥカティ | +50.731 |
19 | 22 | S.ロース | アプリリア | +50.740 |
20 | 38 | B.スミス | KTM | +50.897 |
RT | 35 | カル・クラッチロー | ![]() | +1Lap |
RT | 26 | ダニ・ペドロサ | ![]() | +1Lap |
RT | 41 | A.エスパルガロ | アプリリア | +8Laps |
RT | 44 | P.エスパルガロ | KTM | +10Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 25 | M.ビニャーレス | ヤマハ | 105 |
2 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | 79 |
3 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | 75 |
4 | 93 | マルク・マルケス | ![]() | 68 |
5 | 26 | ダニ・ペドロサ | ![]() | 68 |
6 | 5 | J.ザルコ | ヤマハ | 64 |
7 | 99 | J.ロレンソ | ドゥカティ | 46 |
8 | 9 | D.ペトルッチ | ドゥカティ | 42 |
9 | 94 | J.フォルガー | ヤマハ | 41 |
10 | 35 | カル・クラッチロー | ![]() | 40 |
11 | 45 | S.レディング | ドゥカティ | 30 |
12 | 43 | ジャック・ミラー | ![]() | 30 |
13 | 19 | A.バウティスタ | ドゥカティ | 25 |
14 | 29 | A.イアンノーネ | スズキ | 21 |
15 | 76 | L.バズ | ドゥカティ | 19 |
16 | 53 | ティト・ラバト | ![]() | 18 |
17 | 41 | A.エスパルガロ | アプリリア | 17 |
18 | 8 | H.バルベラ | ドゥカティ | 14 |
19 | 17 | K.アブラハム | ドゥカティ | 9 |
20 | 51 | M.ピロ | ドゥカティ | 7 |
21 | 42 | A.リンス | スズキ | 7 |
22 | 44 | P.エスパルガロ | KTM | 6 |
23 | 38 | B.スミス | KTM | 6 |
24 | 22 | S.ロース | アプリリア | 2 |
25 | 50 | S.ギュントーリ | スズキ | 1 |
26 | 12 | 津田拓也 | スズキ | 0 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | ヤマハ | 128 |
2 | ![]() | 105 |
3 | ドゥカティ | 97 |
4 | スズキ | 28 |
5 | アプリリア | 19 |
6 | KTM | 8 |
順位 | チーム | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | Movistar Yamaha MotoGP | 180 |
2 | Repsol Honda Team | 136 |
3 | Ducati Team | 125 |
4 | Monster Yamaha Tech 3 | 105 |
5 | OCTO Pramac Racing | 72 |
6 | Estrella Galicia 0,0 Marc VDS | 48 |
7 | LCR Honda | 40 |
8 | Pull&Bear Aspar Team | 34 |
9 | Reale Avintia Racing | 33 |
10 | Team SUZUKI ECSTAR | 29 |
11 | Aprilia Racing Team Gresini | 19 |
12 | Red Bull KTM Factory Racing | 12 |