第2戦アルゼンチンGPが、4月1日(金)に、アウトドルモ・テルマス・デ・リオ・オンドで開幕しました。開幕の前日は青空が広がり、最高気温は32℃を記録。開幕初日はさらに気温が上がり35℃という猛暑となりました。加えて、湿度も高く、選手にもマシンにも厳しい条件の一日となりました。
今年で3年目を迎えるアウトドルモ・テルマス・デ・リオ・オンドは、使用頻度が少ないため、セッションをこなすごとに路面のグリップが上がり、トップタイムが大きく更新されやすいのが特徴となっています。昨年の大会でも、初日のフリー走行から決勝までの間に、トップタイムが約3秒更新されました。今年は、気温も路面気温も高く、タイヤに厳しい条件となり、さらにバンピーな部分が増えたことで、全体的に昨年のタイムに比べて、2秒ほど遅いタイムとなりました。
マルク・マルケス
マルク・マルケス
その厳しい条件の中で、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、気温が26℃の1回目のセッションで2番手、35℃の猛暑となった2回目のセッションでは、トップタイムをマークしました。3年連続となるポールポジションの獲得に向けて、大きく前進しました。マルケスに続いたのが、チームメートのダニ・ペドロサで、マルケスから0.025秒差の2番手。Repsol Honda Teamとしては今季初の1-2スタートとなりました。
ペドロサは、昨年の大会、右腕の手術のため欠場しています。今年は2年ぶりのアルゼンチンGP出場となりますが、初開催となった2014年は、マルケスに続いて2位でフィニッシュ。今年は、2年ぶりのRepsol Honda Teamの1-2フィニッシュが期待されます。
ダニ・ペドロサ
ジャック・ミラー
以下、ジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が4番手、カル・クラッチロー(LCR Honda)が5番手と続き、“HondaRC213V”がトップ5に4台入るという、すばらしいスタートとなりました。ルーキーのティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は18番手でしたが、フィーリングはよく、2日目のタイムの短縮とポジションアップが期待されます。
カル・クラッチロー
開幕戦カタールGPは、8選手がジャンプスタートでペナルティを科せられる大荒れのレースとなりました。今大会は、カタールGPでペナルティを受け、悔しい結果に終わった選手たちが、その雪辱に闘志を燃やし、初日から好走を見せました。
中上貴晶
ヨハン・ザルコ(Ajo Motorsport)は、1回目、2回目ともにトップタイムをマークして、2年連続のアルゼンチンGP制覇に向けて大きく前進しました。2番手は中上貴晶(IDEMITSU HONDA TEAM ASIA)で、1回目が3番手、2回目が2番手と安定した走りで周回を刻みました。3番手のサム・ロース(Federal Oil Gresini Moto2)は、路面コンディションの変化に合わせて快調にラップを重ねました。トップ3につけた選手は、カタールGPでジャンプスタートのペナルティを取られ、表彰台争いから脱落した選手ばかりです。今大会では、カタールGPの悔しさを晴らすかのような走りを見せていました。
以下、トップから1秒差以内に14台という接戦となり、開幕戦カタールGPでポールポジションを獲得するも、転倒リタイアに終わったジョナス・フォルガー(Dynavolt Intact GP)が4番手、アレックス・マルケス(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が5番手と、上り調子をアピールしました。カタールGPで優勝したトーマス・ルティ(Garage Plus Interwetten)は9番手で初日を終えました。
接戦が続くMoto3クラスは、エネア・バスティアニーニ(Gresini Racing Moto3)がトップタイムをマーク、以下、1秒差に15台という接戦となりました。開幕戦カタールGPで5位に終わり、表彰台を逃したバスティアニーニは、1回目、2回目ともにトップタイムをマーク。今季初表彰台、初優勝に向けて好調なスタートを切りました。
エネア・バスティアニーニ
開幕戦で優勝争いに加わりながら、終盤の混戦の中で7位へとポジションを落としたホルヘ・ナバロ(Estrella Galicia 0,0)が5番手、開幕戦カタールGPで予選2番手と好調なシーズンのスタートを切ったリビオ・ロイ(RW Racing GP BV)が6番手とまずまずのスタートを切りました。
開幕戦カタールGPで優勝したニッコロ・アントネッリ(Ongetta-Rivacold)は接戦の中で11番手。尾野弘樹(HONDA TEAM ASIA)は19番手、アウトドルモ・テルマス・デ・リオ・オンドを初めて経験するカイルール・イダム・パウィ(HONDA TEAM ASIA)は25番手でした。路面のグリップが増す2日目は、各選手がさらなるタイムの短縮とポジションアップを狙います。
ヨハン・ザルコ(Moto2 1番手)
「今日の結果には満足しています。トップタイムをマークすることができてよかったです。自信を取り戻すためにも、セットアップがコースに合っていることを確認するためにも、とても重要なことでした。カタールでミスをしたので、そのミスを取り戻すために、この大好きなサーキットに来ました。とても集中しています。昨年に比べると、かなり暑くなってタイムは落ちていますが、全体的にうまくいきました。明日は落ち着いてタイムを更新しなければなりません。また、レースに向けてできる限り準備を整え、さらに快適に走れるようにしなければなりません」
中上貴晶(Moto2 2番手)
「今日は午前も午後もいい走りができました。各ラップを連続して、いいペースで刻めました。また、タイヤのテストもきちんとすることができました。トップから1秒差に14台という接戦なので、ミスをしないように、明日もセットアップに集中しなければなりません。予選では最低でもフロントローを狙いたいです。アウトドルモ・テルマス・デ・リオ・オンドは好きなサーキットですが、過去の2年では結果を残せていません。今年はこの調子で結果を残したいです」
サム・ロース(Moto2 3番手)
「昨年に比べて路面のコンディションが悪く、グリップもしませんでした。しかし、みんな同じ条件で走っています。そういう状況の中でいいペースで走ることができました。今日は、そんなに攻めてもいないのにトップタイム争いに加われたし、とてもポジティブな一日でした。午後のセッションでは、リヤのセットアップを改善できました。明日はフロントを改善しなければなりません。まだまだセットアップをよくしていかなければいけませんが、現状でもすでにレースで戦える状態まできています」
エネア・バスティアニーニ(Moto3 1番手)
「今日は、午前も午後もトップタイムをマークすることができたので、とてもポジティブな一日でした。午前から午後にかけて路面コンディションがよくなり、マシンのフィーリングもよくなって、快適に走ることができました。しかし、タイヤのパフォーマンスに関しては、ユーズドタイヤも新品のタイヤもタイムが変わらなかったので、まだまだやらなくてはいけないことがたくさんあると感じました。明日の予選では、全員が新品のタイヤでプッシュしてくるので、自分も新品のタイヤのパフォーマンスをうまく引き出せるようにしなくてはいけません」
リビオ・ロイ(Moto3 6番手)
「アウトドルモ・テルマス・デ・リオ・オンドは、得意なサーキットの1つで、過去のレースでは、4位と12位という結果を残してきました。今年は開幕戦カタールGPでいい走りができているので、とても楽しみにしています。今日は決勝レースを想定して、スリップストリームを使って前を走るマシンを追い越すポイントを確認するなど、いい仕事ができました。いいペースで走れているし、スリップを使えばもっと速く走れることを確認しました。カタールでは予選2番手でした。明日の予選でもいいグリッドを獲得したいです」
尾野弘樹(Moto3 19番手)
「今日は、全体的なタイムが昨年より約2秒も遅い初日になりました。気温が高く、路面コンディションがよくありませんでしたが、マシンの状態はよくなっていると感じました。タイヤのテストもできました。昨年は予選9番手だったので、今年もシングルグリッドを目標に、少なくとも3列目グリッドまでのどこかからスタートを切れるように、全力を尽くします」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 93 | マルク・マルケス | ![]() | 1'41.579 |
2 | 26 | ダニ・ペドロサ | ![]() | +0.025 |
3 | 25 | M.ビニャーレス | スズキ | +0.468 |
4 | 43 | ジャック・ミラー | ![]() | +0.796 |
5 | 35 | カル・クラッチロー | ![]() | +0.872 |
6 | 45 | S.レディング | ドゥカティ | +0.879 |
7 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | +0.986 |
8 | 41 | A.エスパルガロ | スズキ | +0.997 |
9 | 38 | B.スミス | ヤマハ | +1.016 |
10 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | +1.056 |
11 | 8 | H.バルベラ | ドゥカティ | +1.085 |
12 | 50 | E.ラバティ | ドゥカティ | +1.145 |
13 | 44 | P.エスパルガロ | ヤマハ | +1.195 |
14 | 99 | J.ロレンソ | ヤマハ | +1.240 |
15 | 29 | A.イアンノーネ | ドゥカティ | +1.374 |
16 | 76 | L.バズ | ドゥカティ | +1.475 |
17 | 68 | Y.ヘルナンデス | ドゥカティ | +1.663 |
18 | 53 | ティト・ラバト | ![]() | +1.959 |
19 | 19 | A.バウティスタ | アプリリア | +2.221 |
20 | 6 | S.ブラドル | アプリリア | +2.313 |
RT | 51 | M.ピロ | ドゥカティ | - |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 5 | ヨハン・ザルコ | KALEX | 1'44.533 |
2 | 30 | 中上貴晶 | KALEX | +0.190 |
3 | 22 | サム・ロース | KALEX | +0.235 |
4 | 94 | ジョナス・フォルガー | KALEX | +0.340 |
5 | 73 | アレックス・マルケス | KALEX | +0.388 |
6 | 55 | ハフィズ・シャーリン | KALEX | +0.403 |
7 | 21 | フランコ・モルビデリ | KALEX | +0.470 |
8 | 52 | ダニー・ケント | KALEX | +0.477 |
9 | 12 | トーマス・ルティ | KALEX | +0.557 |
10 | 24 | シモーネ・コルシ | SPEED UP | +0.592 |
11 | 77 | ドミニク・エガーター | KALEX | +0.606 |
12 | 19 | ザビエル・シメオン | SPEED UP | +0.739 |
13 | 11 | サンドロ・コルテセ | KALEX | +0.771 |
14 | 40 | アレックス・リンス | KALEX | +0.945 |
15 | 49 | アクセル・ポンス | KALEX | +1.041 |
16 | 44 | ミゲル・オリベイラ | KALEX | +1.047 |
17 | 23 | マルセル・シュローター | KALEX | +1.216 |
18 | 54 | マティア・パシーニ | KALEX | +1.238 |
19 | 39 | ルイス・サロム | KALEX | +1.277 |
20 | 60 | フリアン・シモン | SPEED UP | +1.295 |
21 | 7 | ロレンソ・バルダッサーリ | KALEX | +1.613 |
22 | 14 | ラタパーク・ウィライロー | KALEX | +1.613 |
23 | 97 | チャビ・ビエルゲ | TECH 3 | +1.671 |
24 | 10 | ルカ・マリーニ | KALEX | +1.724 |
25 | 57 | エドガー・ポンス | KALEX | +1.904 |
26 | 2 | イェスコ・ラフィン | KALEX | +2.002 |
27 | 32 | アイザック・ビニャーレス | TECH 3 | +2.004 |
28 | 70 | ロビン・マルホウザー | KALEX | +2.191 |
29 | 8 | エフレン・バスケス | SUTER | +2.471 |
30 | 33 | アレッサンドロ・トヌッチ | KALEX | +3.750 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 33 | エネア・バスティアニーニ | ![]() | 1'51.137 |
2 | 5 | R.フェナティ | KTM | +0.105 |
3 | 16 | A.ミニョ | KTM | +0.166 |
4 | 41 | B.ビンダー | KTM | +0.213 |
5 | 9 | ホルヘ・ナバロ | ![]() | +0.274 |
6 | 11 | リビオ・ロイ | ![]() | +0.331 |
7 | 58 | J.ゲバラ | KTM | +0.343 |
8 | 20 | F.クアルタラロ | KTM | +0.346 |
9 | 65 | P.エッテル | KTM | +0.407 |
10 | 8 | N.ブレガ | KTM | +0.454 |
11 | 23 | ニッコロ・アントネッリ | ![]() | +0.476 |
12 | 64 | B.ベンドスナイダー | KTM | +0.513 |
13 | 19 | G.ロドリゴ | KTM | +0.713 |
14 | 84 | ヤコブ・コーンフェール | ![]() | +0.914 |
15 | 88 | J.マルティン | マヒンドラ | +0.953 |
16 | 95 | ジュール・ダニーロ | ![]() | +1.072 |
17 | 36 | J.ミル | KTM | +1.114 |
18 | 44 | アーロン・カネット | ![]() | +1.137 |
19 | 76 | 尾野弘樹 | ![]() | +1.198 |
20 | 55 | A.ロカテリ | KTM | +1.240 |
21 | 17 | J.マクフィー | プジョー | +1.288 |
22 | 7 | アダム・ノロディン | ![]() | +1.347 |
23 | 4 | ファビオ・ディ・ジャンアントニオ | ![]() | +1.368 |
24 | 6 | M.エレーラ | KTM | +1.582 |
25 | 89 | カイルール・イダム・パウィ | ![]() | +1.735 |
26 | 40 | D.ビンダー | マヒンドラ | +1.851 |
27 | 10 | A.マスボー | プジョー | +1.900 |
28 | 21 | F.バグナイア | マヒンドラ | +1.921 |
29 | 98 | K.ハニカ | マヒンドラ | +3.009 |
30 | 24 | 鈴木竜生 | マヒンドラ | +3.431 |
31 | 77 | L.ペトラルカ | マヒンドラ | +4.095 |
32 | 43 | S.バルトリーニ | マヒンドラ | +4.697 |
33 | 3 | F.スピラネッリ | マヒンドラ | +4.738 |
マルク・マルケス(MotoGP 1番手)
「今日は少し奇妙な一日になりましたが、最後はいい感触となり、トップタイムでフィニッシュすることができました。レースウイークを通して、コンディションはかなり変わると思います。期待したほどではありませんが、最初のセッションから次のセッションまでの間に、路面がよくなったのがわかりました。今日は、路面コンディションが昨シーズンより悪いので、昨年のタイムとはかなり差があります。しかし、これはみんなも同じなので、できる限りこの状況にマシンを合わせていきたいと思います」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 2番手)
「今日はドライコンディションで走ることができました。路面はとても汚れていました。そのため、タイムが思ったより少し遅かったです。それでもマシンのセットアップに一生懸命取り組みました。そして明日雨が降った場合に備えてタイヤのテストも行いました。ポジティブな1日になりましたが、明日も引き続き前進できるようにがんばります」
ジャック・ミラー(MotoGP 4番手)
「今日の結果にとても満足しています。マシンの状態はとてもよく、ベストタイムだけではなく、ユーズドタイヤでのロングランでもいいラップを刻めました。路面コンディションは、周回するごとに変化しましたが、それに合わせて走ることができました。この調子を決勝までキープしたいです。今日はロッシの後ろを走っているときに、8コーナーであやうく接触しそうになりました。何もなくてよかったです」
カル・クラッチロー(MotoGP 5番手)
「今日は路面コンディションが悪く、スリッピーで、路面との接地感を感じ取るのが難しい一日でした。しかし、全体的には、それほど悪い一日ではなかったと思います。今日はHonda勢全体がよくて、とてもうれしい一日でした。チームはいい仕事をしてくれました。しかし、データをしっかり分析して評価しなくてはいけない部分もあります。ベストなタイヤを選択するためにも、しっかり話し合わなければなりません。明日もしっかりテストに取り組んで、今日のようないい日にしたいです」
ティト・ラバト(MotoGP 18番手)
「18番手という順位ですが、自分としてはとても有意義な一日でした。トップとのタイム差はあるし、トップグループのライダーたちは信じられないくらい速いのですが、マシンのフィーリングがとてもよくて、着実に前進することができました。今日はHonda勢がみんな速かったし、それが、とても励みになりました。明日はその差を縮め、ポジションを上げられるようにがんばります」