2日目のフリー走行は、FP2とFP3の2セッションが行われ、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、初日8番手から3番手へとポジションを上げました。
マルク・マルケス
マルク・マルケス
1回目のセッションFP2では、初日より0.857秒タイムを短縮して2番手に浮上。そして、2回目のセッションFP3では、さらに0.566秒タイムを短縮し、総合3番手でQ2進出を果たしました。
初日のセッションFP1では、3月上旬の公式テストとは全く違うフィーリングになりタイムも伸びませんでした。その問題を2日目は解消、路面のグリップが上がったこともあり、初日より1.423秒タイムを短縮することに成功しました。土曜日の予選では、2年ぶりとなる大会ポールポジション(PP)を狙います。
マルク・マルケス
ダニ・ペドロサ
初日7番手のダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、初日より0.885秒タイムを短縮して6番手へと1つポジションを上げました。今大会は、公式テストから引き続き、マシンの開発の方向性を探りながらセットアップを進めています。予選では、マルケスと共にPPとフロントロー獲得の期待が膨らみます。
以下、カル・クラッチロー(LCR Honda)は、マシンの安定性に課題を抱え、転倒の影響もあって15番手。ジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)はセットアップを進めるも、転倒を喫して17番手。MotoGPルーキーのティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、走り込みに重点を置いて18番手でした。
ダニ・ペドロサ
ダニ・ペドロサ
初日に2回のフリー走行を行ったMoto2クラスは、2日目は1回だけの走行となり、初日2番手だったサム・ロース(Federal Oil Gresini Moto2)がタイムを更新してトップに浮上しました。
ウインターテストで好調だったロースは、初日に2度の転倒を喫する波乱のスタートとなっていましたが、2日目はしっかりタイムをまとめ、ウインターテストの成果をアピールしました。
サム・ロース
2番手にはトーマス・ルティ(Garage Plus Interwetten)、3番手にはロレンソ・バルダッサーリ(Forward Team)、4番手にはマルセル・シュローター(AGR Team)と続き、上位4選手は初日のタイムを短縮してポジションを上げました。
初日トップタイムのジョナス・フォルガー(Dynavolt Intact GP)は5番手、初日3番手のアレックス・リンス(Paginas Amarillas HP 40)は6番手と、初日のタイムを更新できずポジションを落としました。しかし、アベレージはよく、依然として優勝争いの有力候補です。
中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)は、調整不足だったクラッチなどを完ぺきにしてラップを刻み、公式テストでマークした自己ベストの1分59秒815に迫る1分59秒854をマークして総合8番手。予選ではフロントローを目標に挑みます。チームメートのラタパーク・ウィライローは22番手でした。
中上貴晶
Moto3クラスも2日目は1回だけの走行となりました。初日も時折り、強い風が吹いていましたが、2日目も風が強く、全体的にタイムは伸びませんでした。その中で初日トップタイムのリビオ・ロイ(RW Racing GP BV)は、2日目に3番手と好調をキープし、2日間を通じたタイムで総合首位をキープしました。
リビオ・ロイ
2日間3回のフリー走行では、ロイから1秒差以内に20台という大接戦となりました。Honda勢は、ヤコブ・コーンフェール(Drive M7 SIC Racing Team)が初日のタイムで総合9番手、ニッコロ・アントネッリ(Ongetta-Rivacold)も初日のタイムで10番手につけました。
以下、ホルヘ・ナバロ(Estrella Galicia 0,0)は初日のタイムで13番手、エネア・バスティアニーニ(Gresini Racing Moto3)は、総合では14番手も、2日目6番手と調子を上げて、予選でのポジションアップが期待されます。
カイルール・イダム・パウィ(Honda Team Asia)は22番手。尾野弘樹(Honda Team Asia)は、2日目19番手とポジションを上げましたが、総合では23番手。予選でのポジションアップに挑みます。
サム・ロース(Moto2 1番手)
「今日は速いラップをたくさん刻むことができたのでとてもうれしいです。コースがクリアなときは毎回1分59秒台を出すことができましたし、力強さを感じます。路面コンディションは昨日と変わりました。テストとも違い、何度かミスをしてしまいました。しかし、マシンはうまく機能しています。路面のラバーもさらに乗り、感触はいいです。この調子で取り組んでいきますが、今日は11周目にベストタイムの1分59秒2を出せたのでうれしかったです。予選、レースに向けてかなり自信がつきました。チームに感謝しています。明日が楽しみです」
トーマス・ルティ(Moto2 2番手)
「安定性を見つけることができたし、いいタイムを出すことができました。サム・ロースのペースはすばらしいし、ジョナス・フォルガーもとても速く安定しているので、完全に満足しているわけではありません。まだまだやらなければならないことはありますが、いいところまできていると思いますし、全体的な感触はいいです。限界で走っているのにマシンの感触がいいのはとても重要なことです。明日の予選の目標はフロントロー獲得なので、1周のタイムが重要になります」
ロレンソ・バルダッサーリ(Moto2 3番手)
「今日の結果はとてもうれしいです。速さがあり、安定していました。最初は中古タイヤで走っていました。そして別のセットアップにトライし、残り10分でタイヤを変えたときに、一気に戦闘力が上がりました。この調子で取り組みたいです。明日の予選に向けてモチベーションがとても上がりました」
中上貴晶(Moto2 8番手)
「昨日の課題だったクラッチとシフターの調整がうまくいって今日は気持ちよく乗ることができました。しかし、昨日使ったタイヤと今日のタイヤのフィーリングがちょっと違うような感じがして、その結果、思うようにタイムが伸びなかったので、最後に新品のタイヤを入れて走りました。これがよくて、1分59秒台を2周連続でマークすることができました。今年のウインターテストは、一発のタイムよりもアベレージを重視してきましたが、明日の予選は、最低でもフロントローを狙っていきたいです」
リビオ・ロイ(Moto3 1番手)
「今日もまたいい一日になりました。もちろん再びトップになりたかったのですが、3番手でも悪くはありません。予選に向けてタイヤをセーブしていました。今日は限界までプッシュしませんでしたが、それでもラップタイムはよかったです。ペースがいいところまできています。明日に向けて自信もあります」
エネア・バスティアニーニ(Moto3 14番手)
「カタールは路面コンディションがコロコロ変わります。昨日完ぺきと思われたセットアップが、翌日には機能しなかったりすることもあります。とにかく、新しいコンディションに合うように取り組まなければなりません。しかし、今日はかなりうまく行きました。もっといい結果を期待していましたが、セッション6番手で終えることができたことに満足しています。明日は予選です。これ以上コンディションが変わって、マシンのセットアップに時間を費やさなくてもいいことを願っています。明日はいい予選にしたいです。そのポテンシャルはありますが、ストレートでスリップストリームを利用することが重要になります」
尾野弘樹(Moto3 23番手)
「昨日、ウェイトの位置を変えてすごく乗りやすくなりました。今日も引き続き、このセットで走り込みをして、昨日より約0.5秒短縮することができました。明日は、昨年の自己ベストを目標に、少しでもいいグリッドを得られるようにがんばります。ウインターテストに比べたら、はるかに攻められる走りができるようになりました。これから着実に前進していきたいです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 29 | A.イアンノーネ | ドゥカティ | 1'54.639 |
2 | 99 | J.ロレンソ | ヤマハ | +0.137 |
3 | 93 | マルク・マルケス | ![]() | +0.196 |
4 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | +0.306 |
5 | 25 | M.ビニャーレス | スズキ | +0.337 |
6 | 26 | ダニ・ペドロサ | ![]() | +0.474 |
7 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | +0.536 |
8 | 8 | H.バルベラ | ドゥカティ | +0.684 |
9 | 45 | S.レディング | ドゥカティ | +0.760 |
10 | 44 | P.エスパルガロ | ヤマハ | +0.837 |
11 | 41 | A.エスパルガロ | スズキ | +0.852 |
12 | 38 | B.スミス | ヤマハ | +0.866 |
13 | 76 | L.バズ | ドゥカティ | +1.134 |
14 | 9 | D.ペトルッチ | ドゥカティ | +1.292 |
15 | 35 | カル・クラッチロー | ![]() | +1.307 |
16 | 68 | Y.ヘルナンデス | ドゥカティ | +1.461 |
17 | 43 | ジャック・ミラー | ![]() | +1.568 |
18 | 53 | ティト・ラバト | ![]() | +1.986 |
19 | 19 | A.バウティスタ | アプリリア | +2.110 |
20 | 6 | S.ブラドル | アプリリア | +2.430 |
21 | 50 | E.ラバティ | ドゥカティ | +2.496 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 22 | サム・ロース | KALEX | 1'59.262 |
2 | 12 | トーマス・ルティ | KALEX | +0.211 |
3 | 7 | ロレンソ・バルダッサーリ | KALEX | +0.255 |
4 | 23 | マルセル・シュローター | KALEX | +0.282 |
5 | 94 | ジョナス・フォルガー | KALEX | +0.304 |
6 | 40 | アレックス・リンス | KALEX | +0.416 |
7 | 5 | ヨハン・ザルコ | KALEX | +0.420 |
8 | 30 | 中上貴晶 | KALEX | +0.592 |
9 | 55 | ハフィズ・シャーリン | KALEX | +0.598 |
10 | 21 | フランコ・モルビデリ | KALEX | +0.634 |
11 | 73 | アレックス・マルケス | KALEX | +0.770 |
12 | 24 | シモーネ・コルシ | SPEED UP | +0.776 |
13 | 11 | サンドロ・コルテセ | KALEX | +0.903 |
14 | 10 | ルカ・マリーニ | KALEX | +0.917 |
15 | 52 | ダニー・ケント | KALEX | +1.023 |
16 | 49 | アクセル・ポンス | KALEX | +1.054 |
17 | 97 | チャビ・ビエルゲ | TECH 3 | +1.135 |
18 | 54 | マティア・パシーニ | KALEX | +1.176 |
19 | 39 | ルイス・サロム | KALEX | +1.189 |
20 | 44 | ミゲル・オリベイラ | KALEX | +1.218 |
21 | 77 | ドミニク・エガーター | KALEX | +1.231 |
22 | 14 | ラタパーク・ウィライロー | KALEX | +1.258 |
23 | 60 | フリアン・シモン | SPEED UP | +1.286 |
24 | 57 | エドガー・ポンス | KALEX | +1.312 |
25 | 19 | ザビエル・シメオン | SPEED UP | +1.480 |
26 | 2 | イェスコ・ラフィン | KALEX | +2.139 |
27 | 32 | アイザック・ビニャーレス | TECH 3 | +2.533 |
28 | 70 | ロビン・マルホウザー | KALEX | +2.641 |
29 | 33 | アレッサンドロ・トヌッチ | KALEX | +3.831 |
30 | 8 | エフレン・バスケス | SUTER | +4.427 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 11 | リビオ・ロイ | ![]() | 2'05.832 |
2 | 20 | F.クアルタラロ | KTM | +0.027 |
3 | 41 | B.ビンダー | KTM | +0.248 |
4 | 36 | J.ミル | KTM | +0.328 |
5 | 8 | N.ブレガ | KTM | +0.352 |
6 | 5 | R.フェナティ | KTM | +0.363 |
7 | 21 | F.バグナイア | マヒンドラ | +0.425 |
8 | 55 | A.ロカテリ | KTM | +0.445 |
9 | 84 | ヤコブ・コーンフェール | ![]() | +0.497 |
10 | 23 | ニッコロ・アントネッリ | ![]() | +0.505 |
11 | 64 | B.ベンドスナイダー | KTM | +0.645 |
12 | 88 | J.マルティン | マヒンドラ | +0.675 |
13 | 9 | ホルヘ・ナバロ | ![]() | +0.706 |
14 | 33 | エネア・バスティアニーニ | ![]() | +0.728 |
15 | 16 | A.ミニョ | KTM | +0.750 |
16 | 6 | M.エレーラ | KTM | +0.792 |
17 | 44 | アーロン・カネット | ![]() | +0.849 |
18 | 58 | J.ゲバラ | KTM | +0.864 |
19 | 7 | アダム・ノロディン | ![]() | +0.882 |
20 | 65 | P.エッテル | KTM | +0.941 |
21 | 19 | G.ロドリゴ | KTM | +1.164 |
22 | 89 | カイルール・イダム・パウィ | ![]() | +1.335 |
23 | 76 | 尾野弘樹 | ![]() | +1.396 |
24 | 4 | ファビオ・ディ・ジャンアントニオ | ![]() | +1.488 |
25 | 24 | 鈴木竜生 | マヒンドラ | +1.712 |
26 | 95 | ジュール・ダニーロ | ![]() | +1.733 |
27 | 17 | J.マクフィー | プジョー | +1.819 |
28 | 98 | K.ハニカ | マヒンドラ | +1.975 |
29 | 10 | A.マスボー | プジョー | +2.088 |
30 | 40 | D.ビンダー | マヒンドラ | +2.130 |
31 | 43 | S.バルトリーニ | マヒンドラ | +2.590 |
32 | 77 | L.ペトラルカ | マヒンドラ | +3.833 |
33 | 3 | F.スピラネッリ | マヒンドラ | +4.570 |
マルク・マルケス(MotoGP 3番手)
「今日の感触は2週間前のテストの時に似ていました。FP2はコースに出てすぐ、昨日のセットアップを変更することにしました。その結果、フィーリングがよくなってきましたが、ペースは悪くありませんでした。Q2にそのまま進めたこともポジティブでした。今年はタイムがかなり接戦なので、Q2に進めてよかったです。明日も引き続きペースを更新していきたいです。そして、どのタイヤを使うか決めなければなりません。今日の感じだと、表彰台争いはそれほど遠くはありません。明日も着実に前進したいです」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 6番手)
「今日は2度のプラクティスを有効に使うことができました。昨日より速く走ることができましたし、2度のセッションともにタイムを更新することができました。マシンの状態を少し理解できるようになったのはポジティブなことです。まだやらなければならないことはたくさんありますが、マシンのセットアップはよくなりました。明日も引き続き、セットアップに取り組み、今日以上に前進しなければなりません。路面コンディションはよかったです。もっともっとラップを刻めることが出来れば、さらによくなっていくと思います」
カル・クラッチロー(MotoGP 15番手)
「今日はあまりいい一日ではありませんでした。フロントの感触がなく、エンジンブレーキにも問題があり、うまくコーナーを曲がれませんでした。その後、直すことができたのですが、前後ともにタイヤの振動がかなりあってコーナーリングに影響がありました。何が原因だったのか全くわかりません。Repsol Honda Teamは何かを変えて、それがうまく行ったようです。僕たちはRepsol Honda Teamとは同じではないので、テストの時のセッティングに戻すことにしました。まだ問題は残っているし、あまり話すことはありません。今日は、プッシュすればするほど速く走るのが不可能でした。今夜問題を見直し、解決できるようにがんばります。今の問題はQ1をパスすることです。以前にも経験があるので、がんばってみようと思います」
ジャック・ミラー(MotoGP 17番手)
「今日は少し前進できたのでうれしいです。全体的にはポジティブな一日でした。でもセッションの最後に転倒してしまいました。自分のミスです。汚いラインに乗ってしまい、フロントから転倒しました。今日はコースに出るたびに快適さが増しました。FP3ではリアブレーキを使いやすいライディングポジションを見つけました。引き続きがんばって取り組み、前のライダーたちとのギャップを縮めたいです」
ティト・ラバト(MotoGP 18番手)
「大きく一歩前進しました。マシンに自信を持つことができたので満足しています。今日の目標の1つだったのでうれしいです。FP2は、あまりうまく行きませんでしたが、FP3に向けた変更がよくて、フロントタイヤの信頼性が増しました。少しずつ前進しています。前に進んでいるということは大事なことです。僕にとって重要なのは前のライダーたちとのギャップを縮めることで、今はそれに取り組んでいます。MotoGPクラスはとても難しいクラスで、まだまだ差がありますし、時間が必要なことはわかっています。できることは落ち着いて自信を失わず常にプッシュすることだと思っています」