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MotoGP

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November 6/7/8 2015 MotoGP Gran Premio de la Comunitat Valenciana

バレンシアGP バレンシアGP

バレンシアGPプレビュー

2015年シーズンの最終戦となる第18戦バレンシアGPが、11月6日(金)~8日(日)の3日間、バレンシア・サーキットで開催されます。バレンシアGPは1999年に第1回大会が行われ、2002年からは最終戦の舞台として定着し、今年で17回目を迎えます。バレンシアGPは、シーズンを通じて最も観客が集まる大会の一つ。今年も3日間で20万人を超える大観衆が集まることが予想されます。

バレンシアGPプレビュー

バレンシア・サーキットは、一周4.005kmのテクニカルコース。スペインGPが開催されるヘレス、マレーシアGPのセパンと並び、ウインターテストの舞台として定着しています。そのため、ライダーの経験値が高く、チームの持つデータも豊富で、初日からレベルの高い走りが繰り広げられます。

コースの特徴は、左回りで低中速コーナーが連続し、メインストレートを除き、常にマシンがどちらかにバンクしている難易度の高いレイアウトです。また、この時期のバレンシアは不安定な天候が多く、例年、チームの総合力が要求されます。これまでも、ファンの脳裏に刻まれる名勝負とドラマが数多く繰り広げられてきました。

昨年の大会は、2年連続でタイトルを獲得したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、シーズン最多優勝記録となる13勝を挙げ、大きな話題となりました。マルケスは、10年の大会では125ccクラスでチャンピオンを獲得しました。Moto2クラスでは、タイトルを獲得して迎えた12年の大会で、最後尾スタートから優勝するという伝説のレースを披露して世界中を驚かせました。MotoGPクラスにスイッチした13年は、バレンシアGPでチャンピオンを決めました。今年は総合3位が確定して迎える大会となり、大会2連覇とシーズン6勝目に挑みます。前戦マレーシアGPは残念な結果となっているだけに、今大会はその雪辱を誓います。

チームメートで総合4位のダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、過去3戦で2勝と調子を上げています。バレンシアGPでは、これまで125ccクラスで1勝、250ccクラスで2勝、最高峰クラスでは、07年、09年、そして12年と3度の優勝を経験しています。13年は2位、昨年は3位とシーズンを通じて最も得意とするサーキットの一つだけに、3年ぶりの大会制覇と今季3勝目が期待されます。

総合8位につけるカル・クラッチロー(LCR Honda)は、前戦マレーシアGPで5位と上り調子をアピールしました。総合13位につけるスコット・レディング(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、同チームで走る最後のレースに闘志を燃やしています。ともに、シーズン2回目の表彰台獲得を目指します。

Hondaのオープンカテゴリー「RC213V-RS」で出場する総合19位のジャック・ミラー(LCR Honda)は、来季は「Estrella Galicia 0,0 Marc VDS」に移籍が決まっており、LCR Hondaで走る最後のレースに気合を入れています。総合20位のニッキー・ヘイデン(Aspar MotoGP Team)は、MotoGPへのチャレンジに終止符を打ち、来季はスーパーバイク世界選手権にスイッチします。06年にチャンピオンを決めた思い出のサーキットで、MotoGPのラストランに挑みます。総合21位のユージン・ラバティ(Aspar MotoGP Team)は、今季ベストリザルトを狙います。また、ケガのため欠場しているカレル・アブラハム(AB Motoracing)の代役として、アンソニー・ウエストが今大会も出場します。

Moto2クラスは、すでにタイトルを決めているヨハン・ザルコ(Ajo Motorsport)が、シーズン9勝目に闘志をかき立てています。総合2位のアレックス・リンス(Paginas Amarillas HP 40)と総合3位で4戦ぶりに復帰するティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、8点差。ともにホームGPとなる2人の総合2位争いに大きな注目が集まっています。リンスは今季3勝目に闘志満々。来季、MotoGPクラスにスイッチするラバトも今季3勝目と総合2位を狙っています。そして、過去2戦連続で4位の中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)は、今季2回目の表彰台を目指します。

Moto3クラスは、ダニー・ケント(LEOPARD Racing)が、タイトル王手で今大会を迎えます。タイトル獲得の条件は、14位以上で自力チャンピオン確定というもので、38年ぶりとなるイギリス人チャンピオンに大きな注目が集まっています。

以下、Honda勢は、総合3位にエネア・バスティアニーニ(Gresini Racing Team Moto3)、総合5位にニッコロ・アントネッリ(Ongetta‐Rivacold)、総合6位にエフレン・バスケス(LEOPARD Racing)、総合8位にホルヘ・ナバロ(Estrella Galicia 0,0)、総合10位にファビオ・クアルタラロ(Estrella Galicia 0,0)と続き、最終戦のHonda勢の活躍に注目が集まります。総合22位の尾野弘樹(LEOPARD Racing)は、今季ベストリザルトを目指します。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP 総合3位)
「セパンでの出来事があり、難しい一週間でしたが、とにかく、自分のトレーニングに集中しました。今シーズンの最終戦が楽しみです。高いところでフィニッシュできるように金曜日からマシンのセットアップに一生懸命取り組み、レースでは最良のチャンスをつかみたいです。このサーキットではこれまでにさまざまな結果を残してきましたが、地元ファンの前でのレースを楽しみにしています。この一週間の出来事は忘れて、レースに集中できることを願っています」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 総合4位)
「ここ数週間はすばらしいレースができました。一生懸命に取り組んで2勝することができました。シーズン開幕戦のカタールGPでは考えられなかったことです。次は2015年の最終戦のバレンシアです。もし優勝することができたら、すばらしいシーズンの終え方になります。過去にはいい結果を残せたサーキットなので、地元のファンの前でいいパフォーマンスをして優勝争いができることを願っています」

カル・クラッチロー(MotoGP 総合8位)
「遠征の3戦でいい結果を出して、最終レースに臨めるのは悪くありません。自分にはまだ強さがあり、トップ6周辺で戦えるということを証明してきました。次のバレンシアではセパンで残した問題に取り組みます。過去にバレンシアではいい結果を出したことがあります。シーズンをいい形で終えられるように一生懸命がんばります」

スコット・レディング(MotoGP 総合13位)
「もしシーズン最後のサーキットを選べるとしたらバレンシアは選びません。このサーキットは僕にとって、いつも難しいサーキットだからです。しかし、みんなと同じようにとにかく真剣に取り組むだけです。そして土曜日のFP3ではQ2へ進めるようにがんばります。今大会は、今年最後のレースです。そして僕にとってEstrella Galicia 0,0 Marc VDSで走る最後のレースになります。トップ10でフィニッシュできるようにがんばります」

ジャック・ミラー(MotoGP 総合19位)
「マレーシアでは暑さと湿度があり、厳しいレースでした。普通のコンディションの中でレースができるバレンシアを楽しみにしています。ここ2レースは、自分のライディングスタイルに取り組んできました。昨年の今頃、バレンシアで初めてMotoGPマシンのテストをしてから、どれだけ自分が成長したかを見るのが楽しみです。このサーキットは結構好きです。昨年はMoto3で優勝しました。自分にとってもチームにとっても、できる限り力強くシーズンをフィニッシュすることが目標です」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 総合20位)
「バレンシアはシーズンの最終戦です。バレンシアは楽しいサーキットです。小さいですが雰囲気とレイアウトはとても好きです。このサーキットはすべてのコーナーが次のコーナーにつながっていくので、うまくまとめる必要があります。自分にとってもバレンシアは、とてもすばらしい思い出があります。今回は僕にとってMotoGPで最後のレースになります。今週末は楽しめるように走りたいと思います。厳しい週末になると思いますが、笑顔で後にしたいです」

ユージン・ラバティ(MotoGP 総合21位)
「3戦の遠征を終え、ヨーロッパに戻りました。これが最終ランドとなります。セパンのレースで負った、右足裏のやけどが少し心配です。これは治るのに時間がかかりそうです。幸い、バレンシアは左回りのサーキットなので、右コーナーは数か所しかないので、それほど影響がないことを願っています。バレンシアは、オープンカテゴリーの最後のレースになるので、なんとしてもトップでフィニッシュしたいと思います。問題は、同じことを考えているライダーが何人もいることです。バレンシアはチームのホームサ―キットなので、モチベーションも上がっています」

ヨハン・ザルコ(Moto2 総合1位)
「バレンシアの最終戦が楽しみです。昨年は表彰台に上がることができましたし、いい思い出があります。昨シーズン、カレックスでテストを行ったサーキットでもあり、このマシンで速く走る方法を理解し始めた場所でもあります。11月に入り、すでに寒くなり始めているので、コンディションに合わせる必要があります。バレンシアはいいサーキットです。数年前に路面が舗装され、とても速く走れるようになりました。左コーナーが多いので、右コーナーでは慎重に走らなければなりません。目標はいつものように優勝することです。まずはその目標に集中したいです。すべてのグランプリでしてきたように今回もしっかりやるべきことをやれば、レコードはついてくると思います。いい仕事をして来年につなげたいです」

アレックス・リンス(Moto2 総合2位)
「(ケガで欠場中の)ティト・ラバトは必ずバレンシアで戻ってきます。僕とのポイント差はわずか8です。そのため、今回はいいレースをしてチャンピオンシップ2位でフィニッシュすることが目標です。マレーシアで転倒してしまったのは本当に残念でした。レースの序盤はよかったのですが、ブレーキングでミスをしてしまい、フロントから転倒してしまいました。総合2位に向けて戦うために最も大事なことは、しっかりポイントを獲得することです」

ティト・ラバト(Moto2 総合3位)
「オーストラリアから戻ってからは、ケガの回復に集中してきました。通常のトレーニングに加え、ケガをした左腕の理学療法を、毎日3時間、行ってきました。腕は日本やオ―ストラリアにいたときよりもかなり強くなりました。また手首の関節もかなりよくなったので、レースに戻る自信はあります。何も期待せずにバレンシアへ向かいます。金曜日にマシンに乗ってから、どれくらい走れるかわかると思うので、それから週末の目標を決めます。このレースは僕のMoto2クラス最後のレースになります。火曜日と水曜日のMotoGPクラスのテストに備える前に、日曜日にはいい結果を出したいと思います」

中上貴晶(Moto2 総合8位)
「前戦マレーシアGPは、コンディションが変わり、タイヤに厳しいレースでした。しかし、自分なりに納得のいく結果と内容でした。2レース連続で4位でしたが、オーストラリアGPより手応えあるレースだったので、最終戦では、さらにいいレース、リザルトを目指してがんばります。チーム一丸となり、笑顔で終われるように全力で挑みます」

ダニー・ケント(Moto3 総合1位)
「すばらしい一年の最後のレースとなる最終戦バレンシアです。今週末がとても楽しみです。このサーキットはいつも楽しく、過去にいい思い出があります。目標は世界チャンピオンとなってこのサーキットを後にすることです。そのためにも、賢く走って、トラブルを避けなければなりません。大丈夫だということはわかっています。もし(ミゲル)オリベイラが今回優勝したら、オリベイラに対して数ポイントが必要なだけなので、プレッシャーはありません。ベストを尽くして自分とチームのためにすばらしい仕事がしたいです」

エネア・バスティアニーニ(Moto3 総合3位)
「バレンシアはとても小さいので、それに慣れる必要があります。残念ながらここ3レースは少し運に見放されていましたが、その分を取り戻さなければなりません。シーズンを高いところで終えたいと思っているので、最後まであきらめません。ここ最近はいいセットアップを見つけるのに少し時間がかかったので、今回は最初のフリー走行からうまくスタートし、レースへ向けて準備をしたいです。そして、チャンピオンシップで3位を守ることが重要になります。(ダニー)ケントと(ミゲル)オリベイラはタイトル争いをしますが、オリベイラは失うものが何もないので必ずアタックしてきます。僕もトップ争いができることを願っています。もちろん全力を尽くします」

ニッコロ・アントネッリ(Moto3 総合5位)
「ロマノ・フェナティとの差はわずか2ポイントなので、バレンシアでは総合4位を獲得できるようにがんばらなければなりません。このサーキットは大好きです。このマシンとの相性がいいサーキットなので、スペインでの最後の週末を、いい形で終えることを願っています。

ホルヘ・ナバロ(Moto3 総合8位)
「バレンシアは、ホームレースなので特別な週末になります。一生懸命がんばってきたおかげで、いい走りをする自信があります。今大会は、多くのライダーが優勝を狙っていることは確かなので、厳しい戦いになります。自分の仕事に集中し、全力を尽くしたいです。もしホームで優勝できたら最高です。このサーキットは低速コーナーがいくつかあります。レースラインを保ちながらうまく減速するためにはいいセットアップが必要です。ここ数戦、マシンの状態はとてもいいので、バレンシアでも力強い走りができると思います」

ファビオ・クアルタラロ(Moto3 総合10位)
「ケガの状態はかなり回復してきましたが、まだ状態は100%ではありません。しかし、マレーシアGPをキャンセルしたことで、さらに回復してきました。このサーキットでは、これまでとても速く走ることができたので、初日からクルーと真剣に取り組み、レースでトップグループで戦えるようにベストを尽くしたいです」

尾野弘樹(Moto3 総合22位)
「前戦マレーシアGPは、とても残念な結果に終わりました。11番グリッドからいいスタートを切れたのですが、6周目の2コーナーでチームメートと接触して転倒、リタイアに終わりました。レースウイークと通じて、調子が上がっていただけに残念でした。あっという間の最終戦ですが、バレンシアは、レプソル選手権で走っていましたし、テストも経験しているので、納得できるリザルトでシーズンを終えたいです」