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MotoGP

round 15

SCHEDULE

October 10 2014, PRACTICE MotoGP Grand Prix of Japan

日本日本GP

ブラドルが3番手、ペドロサが4番手と、まずまずのスタートを切る。マルケスはセットアップに苦戦して6番手で終える

2014年10月10日(金)・1日目フリー走行  会場:ツインリンクもてぎ  天候:晴れ  気温:25℃  コースコンディション:ドライ

シーズンランキングトップのマルク・マルケス(Repsol Honda Team)にとって、タイトル王手で迎えた第15戦日本GPの1日目フリー走行は、終日、青空が広がる絶好のコンディションとなり、ステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)が3番手、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が4番手、そして、2年連続でのタイトル獲得が目前のマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、6番手で初日を終えました。

  • ステファン・ブラドルステファン・ブラドル
  • ステファン・ブラドル(左)ステファン・ブラドル(左)
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • アルバロ・バウティスタアルバロ・バウティスタ
  • 青山博一青山博一

この日は午前、午後ともに20℃を超える暖かい一日となり、路面コンディションがよかったために、多くのライダーが、タイムを順調に更新できました。その中で、1回目のセッションで6番手だったブラドルが、2回目のセッションで約0.6秒タイムを短縮して3番手に浮上しました。1回目のセッションで8番手だったペドロサも、タイヤのテストを行いながら、約0.5秒タイムを短縮して4番手に浮上しました。この日はアンドレア・ ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)がトップタイムをマーク。以下、1秒差以内に10台という接戦となりました。

タイトル王手のマルケスは、1回目のセッションでコースアウトを喫して、グラベルで軽い転倒をしますが、同セッションでは序盤の遅れを取り戻して2番手につけました。しかし、2回目のセッションでは、1回目より0.065秒しか短縮できず、2番手から6番手へとポジションを落としました。この日は、セットアップが思うように進まなかったマルケス。タイトル王手のプレッシャーの中、2日目でのタイムの短縮と、ポジションアップを目指します。

シーズン後半戦に入って、リアのトラクション不足に苦しんできたアルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)は、この問題を解消しつつも、フロントのセットアップが決まらずに苦戦しました。しかし、これまでツインリンクもてぎでは、好成績を残してきただけに、土曜日でのばん回に気合を入れています。

以下、Hondaの市販レーシングマシン「RCV1000R」勢は、青山博一(Drive M7 Aspar)が16番手、カレル・アブラハム(Cardion AB Motoracing)が18番手、スコット・レディング(GO & FUN Honda Gresini)が19番手、右手首のケガから復帰2戦目のニッキー・ヘイデン(Drive M7 Aspar)が20番手で初日を終えました。

Moto2クラスは、今季7勝を挙げて総合首位のエステベ・ラバト(Marc VDS Racing Team)がトップタイムをマーク。過去2戦連続で3位と、調子を上げているヨハン・ザルコ(AirAsia Caterham)が2番手、総合3位のマーベリック・ビニャーレス(Paginas Amarillas HP 40)が3番手となりました。総合2位でチャンピオン争いをするミカ・カリオ(Marc VDS Racing Team)は7番手、ホームグランプリに闘志を燃やす中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)が10番手で初日を終えました。

今大会、ワイルドカードで出場の高橋裕紀(Moriwaki Racing)は、電気系とクラッチのセッティングがうまくいかず、思うようにタイムを伸ばせず31番手。長島哲太(Teluru Team JiR Webike)の代役で出場の小山知良は32番手でした。

Moto3クラスは、トップタイムをマークしたダニー・ケント(ハスクバーナ)から1秒差以内に18台という大接戦になり、総合3位のアレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)が2番手、総合1位のアレックス・マルケス(Estrella Galicia 0,0)が7番手でした。総合5位のエフレン・バスケス(SaxoPrint-RTG)は9番手。アレックス・マスボー(Ongetta-Rivacold)12番手、ズルファミ・カイルディン(Ongetta-AirAsia)16番手となりました。トップから1秒差以内につけたHonda勢の2日目の巻き返しが期待されます。なお、ワイルドカードで出場の大久保光(Hot Racing with I-Factory)は29番手、山田誓己(Liberto Plusone & Endurance)は32番手でした。

コメント

ステファン・ブラドル(MotoGP 3番手)
「今日の結果には、かなり満足しています。一日を通してとても速く走れました。そして最後のフリー走行で3番手に入ることができ、とてもよかったです。いいスピードがあることを実感しました。マシンのセットアップの方向性も明確になり、楽に正しい方向へ進めました。明日は、気温が下がるかもしれないので、天候に注意しなければなりません。全体的に今日の仕事に満足しています」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 4番手)
「いいフリー走行となりました。路面コンディションがよかったので、異なるタイヤを試せました。午後はハードのリアタイヤで走ってみましたが、ほかのライダーのように、ハードのフロントは使いませんでした。明日は試してみるかもしれません。今日はいいペースで走れましたが、明日はアベレージを上げられるように、もっとがんばる必要があります。そして、予選でいいタイムを出せるように集中しなければなりません」

マルク・マルケス(MotoGP 6番手)
「今日はほかのサーキットに比べると、少し苦戦しました。まだ、セットアップをちゃんと見つけられていませんが、幸い、まだ金曜日です。プラクティスでは、まだまだ試さなければならないことがたくさんあります。大事なことは、かなりいい感触があったこと。そして、マシンのセットアップに完全に満足はしていないながらも、それほどトップとの差が離れていないことです。引き続き、この調子でセットアップに取り組み、前進していけるかどうか、様子を見たいです」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP 12番手)
「路面コンディションが完ぺきではありませんでしたが、午前中はそれほど悪くありませんでした。午後になってハードのリアタイヤを試しましたが、ソフトに比べると少し滑りやすかったです。そして同時に、マシンに問題がありました。ストレートとブレーキング時に、フロントエンドにかなり振動が出ていました。それがタイヤのせいなのか、マシンのせいなのかは分かりません。これにより、ラップタイムを更新できませんでした。最終的なポジションはよくありませんが、それでも感触には満足しています。完ぺきではありませんが、ここ数戦に比べると、それほど悪くありません。明日に向けての自信はあります。もう少しがんばって取り組み、振動をなくさなければなりません。そうすればうまく走れると思います」

青山博一(MotoGP 16番手)
「午後のセッションの終盤、1コーナーのブレーキングでフロントから転んでしまいました。いつも通りにセットアップを進めていたのですが、やっぱり、ホームグランプリということで気合が入りすぎてしまいました。しかし今年は、こうして攻める走りができていますし、前戦アラゴンGPから調子が上がっています。明日は、タイムとともに、ポジションを上げていきたいです」

スコット・レディング(MotoGP 19番手)
「今日はかなり満足しています。午後のセッティングでは、一番速いRCV1000Rとのギャップを縮められました。これはポジティブなことです。今日はほとんどをハードタイヤで走りました。ソフトを使ったときは、もっと差を縮められるかと思いましたが、うまくいきませんでした。明日はサスペンションのセッティングを少し変えて、やってみたいです。前戦アラゴンGPでは、ソフトタイヤを使ってうまくいかなかったので、今はほとんどの時間でハードオプションを使っています。今日はソフトタイヤのポテンシャルを最大限に引き出せなかったので、どちらのオプションがレースに向いているのか、明日のセッションで確認したいです」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 20番手)
「午後にいくつかミスをしてしまい、自己ベストラップから、少なくとも0.5秒は遅れてしまいました。まだ完治していない右手首にとって、あまりよくないサーキットです。いくつかのコーナーでのブレーキング時に、かなり苦戦しています。今週末が厳しい戦いになることは分かっていますが、ベストを尽くしたいです。ここにきて、手がかなり動かせるようになりました。しかし、いくつかのブレーキングゾーンでは本当に大変で、何度もはらんでしまいました。このサーキットでは、1つのコーナーでのミスが次に影響します。特にダウンヒルの入りでのミスは、大きく影響します。引き続きがんばって、明日にはもっと快適に走りたいです」

エステベ・ラバト(Moto2 1番手)
「今日はいい仕事ができました。異なるリアタイヤも試せました。今のところ、マシンの感触はいいです。ラップタイムは、もてぎでの自己ベストでした。今日は楽しめましたが、大事なのは、明日も引き続きがんばって、日曜日のレースへ向けて準備を整えることです」

ヨハン・ザルコ(Moto2 2番手)
「感触はいいです。日本にはいい思い出があります。過去2戦は、続けて表彰台に上がれましたので、もっとよくしようとがんばっています。午前は3番手、午後は2番手でした。上位に入ることができてよかったです。もっと感触をよくするために、まだまだ考えなければなりません。今回は優勝争いをしたいです。トップのライダーとの差はそれほどありませんが、ティト(ラバト)はコーナーの進入がとても速いので、私もそこに力を注がなければなりません。明日と日曜日にうまくいくようにがんばります」

マーベリック・ビニャーレス(Moto2 3番手)
「コンディションがよかったです。このコースでは、Moto3とはかなり異なる走りが要求されるので、自分自身がもっとがんばらなければなりません。今のところ感触はいいです。セッティングもいいのですが、ティト(ラバト)がとても強いので、もっと改善しなければなりません。ソフトタイヤでの調子がいいので、このまま使い続けたいです」

中上貴晶(Moto2 10番手)
「午前のセッションは、クラッチトラブルで20分ほどタイムをロスしてしまいました。午後のセッションではその遅れを取り戻そうとがんばったのですが、まだマシンが50%か60%の仕上がりで、まだまだ完ぺきな走りにはほど遠い状態です。もてぎは走り慣れていますし、知り尽くしていますので、明日の予選ではしっかりタイムを出したいです。ここで流れを変えたいです」

アレックス・リンス(Moto3 2番手)
「今日はあまりグリップがありませんでしたが、最初から感触はとてもよかったです。午後も引き続き前進できました。ここはHondaのサーキットです。このサーキットでは強いライダーがたくさんいることが分かったので、早く問題を見つけるためにも、コースに出てすぐ仕事に入ることができたのはいいことでした。今大会は、速いライダーが多いのでもっとがんばらなければなりません」

アレックス・マルケス(Moto3 7番手)
「いい一日になりました。少し苦戦しましたが、トップと0.5秒差ですし、徐々に前進できました。午前に比べると午後はあまりフィーリングがよくならず、いくつか問題がありました。明日はもう少しいい感触にする必要がありますが、今日はポジティブな一日でした」

大久保光(Moto3 29番手)
「今日はもっとタイムを出したかったのですが、うまくいきませんでした。それでも自己ベストは出ているので、明日はマシンのセッティングの方向性をしっかり見極めていきたいです。そして、これまでと異なるアプローチで、一つの壁を越えていければと思います」

1日目フリー走行リザルト

MotoGP
順位 No. ライダー マシン F/O タイム/差
14A.ドヴィツィオーゾドゥカティF1'45.140
299J.ロレンソヤマハF+0.440
36ステファン・ブラドルHondaF+0.497
426ダニ・ペドロサHondaF+0.587
546V.ロッシヤマハF+0.750
693マルク・マルケスHondaF+0.799
744P.エスパルガロヤマハF+0.901
838B.スミスヤマハF+0.965
929A.イアンノーネドゥカティF+0.967
1068Y.ヘルナンデスドゥカティF+0.973
1135C.クラッチロードゥカティF+1.081
1219アルバロ・バウティスタHondaF+1.087
1341A.エスパルガロFORWARD YAMAHAO+1.175
148H.バルベラドゥカティO+1.431
1521中須賀克行ヤマハF+1.833
167青山博一HondaO+1.993
1715A.デ・アンジェリスFORWARD YAMAHAO+2.145
1817カレル・アブラハムHondaO+2.266
1945スコット・レディングHondaO+2.446
2069ニッキー・ヘイデンHondaO+2.689
219D.ペトルッチARTO+3.124
2263M.ディ・ミリオAVINTIAO+3.965
2323B.パークスPBMO+4.019
2470M.ラバティPBMO+4.181

※F=ファクトリーオプション、O=オープンカテゴリー

Moto2
順位 No. ライダー マシン タイム/差
153エステベ・ラバトKALEX1'50.990
25ヨハン・ザルコCATERHAM SUTER+0.323
340マーベリック・ビニャーレスKALEX+0.583
477ドミニク・エージャーターSUTER+0.603
560フリアン・シモンKALEX+0.890
612トーマス・ルティSUTER+0.905
736ミカ・カリオKALEX+0.966
849アクセル・ポンスKALEX+1.078
911サンドロ・コルテセKALEX+1.179
1030中上貴晶KALEX+1.235
1121フランコ・モルビデリKALEX+1.260
1223マルセル・シュローターTECH 3+1.283
1396ルイス・ロッシKALEX+1.362
1422サム・ロースSPEED UP+1.410
1555ハフィズ・シャーリンKALEX+1.480
1681ジョルディ・トレースSUTER+1.591
1719ザビエル・シメオンSUTER+1.646
1818ニコラス・テロールSUTER+1.662
1954マティア・パシーニKALEX+1.670
2014ラタパーク・ウィライローCATERHAM SUTER+1.693
2139ルイス・サロムKALEX+1.709
2288リカルド・カルダスTECH 3+1.887
238ジノ・レイSUTER+1.963
2494ジョナス・フォルガーKALEX+1.985
2595アンソニー・ウエストSPEED UP+2.007
264ランディ・クルメンナッハSUTER+2.135
277ロレンソ・バルダッサーリSUTER+2.147
2820フロリアン・マリーノKALEX+2.167
2925アズラン・シャー・カマルザマンKALEX+2.351
3084リカルド・ルッソSUTER+2.601
3172高橋裕紀MORIWAKI+2.653
3271小山知良NTS+2.784
3370ロビン・マルホウザーSUTER+2.902
3410ティティポン・ワロコーンKALEX+2.951
3597ロマン・ラモスSPEED UP+3.010
3665チャランポン・ポラマイTECH 3+3.461
Moto3
順位 No. ライダー マシン タイム/差
152D.ケントハスクバーナ1'57.317
242アレックス・リンスHonda+0.058
344M.オリベイラマヒンドラ+0.101
441B.バインダーマヒンドラ+0.313
533E.バスティアニーニKTM+0.368
623N.アントネッリKTM+0.490
712アレックス・マルケスHonda+0.548
832I.ビニャーレスKTM+0.559
97エフレン・バスケスHonda+0.626
1084J.コーンフェールKTM+0.659
1131N.アジョハスクバーナ+0.667
1210アレックス・マスボーHonda+0.671
138J.ミラーKTM+0.728
145R.フェナティKTM+0.748
1558J.ゲバラKALEX KTM+0.862
1663ズルファミ・カイルディンHonda+0.909
1719A.トヌッチマヒンドラ+0.924
1821F.バグナイアKTM+0.970
1998K.ハニカKTM+1.031
2013J.イウェママヒンドラ+1.094
213M.フェラーリマヒンドラ+1.101
2238H.アーズミーKTM+1.178
2399J.ナバーロKALEX KTM+1.606
2416A.ミグノマヒンドラ+1.713
2517ジョン・マクフィーHonda+1.765
2657E.グラナドKTM+1.882
2795J.ダニーロマヒンドラ+2.076
2843L.グリュンヴァルトKALEX KTM+2.171
2983大久保光Honda+2.395
3055A.ロカテッリマヒンドラ+2.433
3165P.エッテルKALEX KTM+2.689
3281山田誓己Honda+3.581
339S.デウルKALEX KTM+3.756
344G.ラモスKALEX KTM+3.964