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April 19/20/21 2013 MotoGP Red Bull Grand Prix of The Americas アメリカズGP

SCHEDULE

アメリカズGPプレビュー

ロードレース世界選手権第2戦アメリカズGPが、アメリカ・テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で開催されます。昨年11月にはF1グランプリが開催されましたが、テキサス州で2輪のグランプリが開催されるのは初めてとなります。

COTAは、昨年完成した新サーキットで、マレーシア・セパン、トルコ・イスタンブール、スペイン・アラゴンなどをデザインしたヘルマン・ティルケ氏が手がけました。一周5.513kmのコースは、グランプリカレンダーの中では、イギリス・シルバーストーン、マレーシア・セパンに次いで3番目の長さとなります。コーナーは20で、左コーナーが11、右コーナーが9の左回り。ホームストレートは1.2kmと長く、スローコーナー、S字コーナー、高速コーナーなどを組み合わせたメリハリのあるサーキットになっています。高低差も41mとアップダウンに富んでいます。また、全体的にブラインドコーナーが多く、攻略が難しいサーキットといわれています。

今年の3月中旬には、Repsol Honda Teamのダニ・ペドロサとマルク・マルケス、LCR Honda MotoGPのステファン・ブラドルが、COTAで3日間のテストを行いました。このテストには、ホルヘ・ロレンソ、バレンティーノ・ロッシのヤマハ勢も参加しました。この3日間のテストでは、マルケスが3日連続でトップタイムをマークしました。ベストタイムは2分03秒281。このタイムが、今大会の最初の目標タイムとなります。

マルケスは、MotoGPクラスのデビュー戦となったカタールGPで、すばらしいパフォーマンスを披露しました。MotoGPマシンで初めて走るロサイルで、フリー走行ではトップタイム、予選はアタックが決まらず6番手でしたが、決勝では3位表彰台に立ちました。COTAのテストでは、ルーキーとは思えないパフォーマンスで、3日連続のトップタイムをマークして周囲を驚かせました。この走りを本番でも発揮できれば、1982年にフレディ・スペンサーがHondaで記録した最高峰クラス史上最年少優勝記録を更新することになります。

Honda勢のエースのペドロサは、開幕戦カタールGPでは、砂が浮き、滑りやすい路面コンディションに翻ろうされて、思うような結果を残せませんでした。予選は3番手。決勝は4位に終わり、表彰台を逃しました。今大会はその雪辱に挑みます。これまでペドロサは、カリフォルニア州ラグナセカのアメリカGPで2009年に優勝、インディアナポリスGPでは10年と12年に優勝しています。相性のいいアメリカのサーキット。グランプリ初開催となるCOTAで今季初優勝を狙います。

MotoGPクラスで4年目のシーズン、GO & FUN Honda Gresiniで2年目のシーズンを迎えるアルバロ・バウティスタは、開幕戦のカタールGPを6位でフィニッシュしました。開幕直前のスペイン・ヘレスの公式テストで転倒し、左手と右ヒザを負傷して万全な体調ではありませんでした。それだけに開幕戦6位という結果に満足していました。今大会はケガの状態も回復しています。しかし、3月のCOTAのテストに参加していないので、フリー走行からコース攻略に全力を尽くします。

ブラドルは、開幕戦カタールGPをリタイアで終えました。予選は5番手とまずまずでしたが、決勝では痛恨の転倒を喫しました。しかし、セカンドグループをリードした走りは、今年の活躍を期待させるものでした。カタールGPでは「転倒しましたが、トップグループとそれほど離れていませんし、一緒に走れる自信はあります」と語り、今大会はその雪辱に燃えています。

CRTマシンで出場のブライアン・スターリング(GO & FUN Honda Gresini)は、開幕戦カタールGPでは転倒、リタイアに終わりました。今大会、CRT勢は全員が初めて走るサーキット。ルーキーとしてハンディキャップの少ないサーキットだけに、闘志を燃やしています。

Moto2クラスは、全員が初めて走るサーキットとなります。攻略の難しいサーキットといわれるだけに、フリー走行でいかにマシンのセットアップを決められるかが重要になります。開幕戦カタールGPで優勝したポル・エスパルガロ(Tuenti HP 40)は、開幕2連勝を狙います。開幕戦で惜しくも2位になったスコット・レディング(Marc VDS Racing Team)、グランプリ初表彰台となる3位になった中上貴晶(Italtrans Racing Team)は、さらに上位を目指します。そして、カタールGPでは4位以下も大混戦だっただけに、今大会はカタールGP以上の厳しい戦いになりそうです。高橋裕紀(IDEMITSU Honda Team Asia)は、カタールGPのあと、岡山国際で2日間のテストに挑みました。開幕戦ではポイントを獲得できなかっただけに、今大会は今季初ポイント獲得に向けて全力を尽くします。

Moto3クラスも、Moto2クラス同様、全員が初めて走るサーキットとなります。開幕戦カタールGPで11位のダニー・ウェッブ(Ambrogio Racing)、12位のブラッド・バインダー(Ambrogio Racing)はさらに上位を目指します。今年のチャンピオン争いが期待されるロマノ・フェナティ(San Carlo Team Italia)は15位でポイントを獲得したものの、不完全燃焼のレースとなりました。今大会はその雪辱に挑みます。また、予選で好走したものの転倒したニッコロ・アントネッリ(GO & FUN Gresini Moto3)、アラン・ティーチャー(CIP Moto3)も今大会は上位を狙います。ルーキーの渡辺陽向(TASCA RACING)は、全員が初めて走るサーキットに闘志を燃やしています。

この時期のオースティンは、日中の最高気温が23℃から29℃まで上昇することが予想されます。連日の好天が予想されているアメリカズGPで、Honda勢の活躍に期待が集まります。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP ランキング3位)「初めてのレースで表彰台に上がれて、とてもうれしかったですし、夢がかなったような気持ちでした。でも今は現実と向き合って仕事に集中しなければなりません。とにかく、オースティンへ向かうのがとても楽しみです。すでにCOTAではテストを行っていますし、いいベースのセットアップを見つけていますので、おもしろくなると思います。コース上にもっとタイヤのラバーが乗ったり、コンディションが変わったりすれば全く違ってくると思います。自分の仕事や課題に集中して、決勝レースへ向けていい状態を作りたい。そして、ベストを尽くしたいです」

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング4位)「カタールは期待していたようなシーズンのスタートにはなりませんでした。でも問題は分かっていますので、次のレースでは大丈夫です。約1カ月前にオースティンでテストをしていますし、すでにベースのセッティングはありますので、そこからスタートすることができます。このサーキットはタイトなコーナーがたくさんあり、セクションごとにペースが変わります。今回は、たくさんのマシンが走りますし、路面にタイヤゴムが乗れば状況はかなり変わってくると思います。今大会はマシンがうまく機能することを願っています」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP ランキング6位)「とてもいい形でシーズンをスタートすることができました。カタールでは少しフロントに問題がありました。体調も万全ではありませんでしたが、満足のいく結果を得ることができました。決勝では、ソフトタイヤの方が自信がありましたので、ソフトタイヤを使いましたが、結局、ブレーキングの安定性を損なってしまいました。スタートもよくて、前のグループについていこうとベストを尽くしましたが、リスクが大きすぎたので6位をキープしました。次のオースティンは、ほとんどのライダーが初めての経験となります。テクニカルで難しいサーキットといわれていますが、コースを学び、RC213Vのポテンシャルをすべて引き出せるようなセッティングにしたいです。レースのレベルはとても高いですが、きちんと自分たちの仕事をすれば、カタール以上に強くなれると信じています。引き続きがんばって仕事をして、最高の走りをしたいです」

ステファン・ブラドル(MotoGP ノーポイント)「カタールではトップ5のペースがあることを確認することができました。トップグループとはそれほど離れていませんでしたが、開幕戦は残念な結果になりました。カタールの経験をアメリカズGPでは生かしたいですし、COTAを走るのがとても楽しみです。今回はもっといい結果を出せると思います。数週間前にCOTAではプライベートテストを行っていますので、初日からセットアップに進めると思います。テストのときのスピードと安定性を再現したいです。決勝レースは僕たちにもファンにとってもおもしろくなるはずです」

ブライアン・スターリング(MotoGP ノーポイント)「デビュー戦の結果にはがっかりしていますし、まだ落ち込んでいます。でも初めて経験するカテゴリーなので、少しずつ前進していきたいと思っています。今週末のオースティンではしっかり完走して、ばん回したいですね。今回は、CRTライダー全員にとって初めてのサーキットになりますので、皆が同じ条件でスタートすることになります。すでにサーキットの映像は見ましたが、とてもおもしろそうです。早く自分の目で見てみたいです。きっとCOTAはおもしろいコースだと思います。アメリカへ行くことも今回が初めてなので、いろんな楽しみがあります。カタールのことを忘れて、オースティンでポジティブなパフォーマンスができるように集中したいです」

ポル・エスパルガロ(Moto2 ランキング1位)「カタールでは最高のシーズンスタートとなりました。もう一度すばらしい結果を出すために、テキサスでは引き続き一生懸命仕事をしなければなりません。このサーキットは、皆が初めてのサーキットですので、学ばなければならないことがたくさんあります。コースレイアウトは最高におもしろそうです。とてもテクニカルで、学ぶことがたくさんありそうです。チームはいつも最高のマシンを準備してくれますので、安心してオースティンに向かいます」

スコット・レディング(Moto2 ランキング2位)「カタールで2位になれて、シーズンのスタートとしてはよかったです。しかし、その勢いを次のテキサスにつなげなければいけません。ここは皆初めてのサーキットなのでおもしろくなるはずです。でもタイムを上げていくのに、それほど時間はかからないと思います。新しいサーキットの攻略で、これまでに困ったことは一度もありません。アメリカのサーキットがとても楽しみです。もし前回と同様にマシンのセットアップが進み、気持ちよく走れれば、カタールのような結果を残せると思います。今大会はそれが目標です」

中上貴晶(Moto2 ランキング3位)「新しいサーキットはいつも楽しみですが、オースティンのコースレイアウトはとてもおもしろそうなので、早く走ってみたいです。カタールGPでは、初めて表彰台に立つことができましたし、いい形でテキサスに向かうことができます。Moto2クラスは争いが激しいので、いい結果を出すためにはすべてを完ぺきにしなくてはいけません。開幕戦カタールGPの反省を生かし、もう一歩前進したいと思います。初めて表彰台に立ったことで自信もつきました。また表彰台に立てるようにがんばります」

高橋裕紀(Moto2 ノーポイント)「オースティンは初めてのサーキットですので、どうなるか予想もつきません。カタールでは、試行錯誤の連続でしたが、最終的にいいデータを得ることができました。カタールGPが終わって帰国してから、岡山国際で2日間のテストをしました。結果はすごくよかったのですが、このテストが実戦に反映されるのはもう少し先になります。今回はカタールから送ったマシンで、いくつか新しいことをトライすることになります。少しでも上のポジションを目指してがんばりたいと思っています」

ダニー・ウェッブ(Moto3 ランキング11位)「オースティンの新しいサーキットにチャレンジをするのがとても楽しみです。HondaのMotoGPのマシンのように、Moto3のマシンもうまく走れることを願っています。うまく走れればいい結果が出せるでしょう。マシンに乗ってコースに出ていくのが本当に楽しみです」

ブラッド・バインダー(Moto3 ランキング12位)「テキサスの新しいサーキットで走るのがとても楽しみです。Moto3のライダーはだれも走ったことがありません。トップ10に入れるくらいのいい結果を出せるようにがんばります」

渡辺陽向(Moto3 ノーポイント)「オースティンは皆走ったことがないサーキット。カタールGPとは違って、皆と同じ条件でのスタートになります。今回もできるだけコースを攻略して、いい成績を残したいと思っています。カタールGPのあと、イタリアに戻り、昨年のF1のビデオを見て、コースのイメージ作りをしました。カタールより1つ上のグループで走れるようにがんばります」