round 17

October 23 2011 MotoGP Shell Advance Malaysian Motorcycle Grand Prix 第17戦 マレーシアGP
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マレーシアGPレースレポート

2011年10月23日(日)・決勝  会場:セパン・サーキット  天候:晴れ  気温:34℃
コースコンディション:ドライ  観客:6万7112人(3日間11万1385人)

第17戦マレーシアGPは、スタートして2周目の11コーナーで転倒したマルコ・シモンチェリ選手(Team San Carlo Honda Gresini)が、後続のマシンと接触、帰らぬ人になりました。予選は5番手。2列目から好スタートを切ると、ケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)に続いて4番手を走行。前戦オーストラリアGPの2位に続き、2戦連続表彰台と今季初優勝を目標にレースに挑んでいました。この事故でレースは中止になりました。

シモンチェリ選手は、1987年1月20日生まれの24歳。イタリアのカトリカ出身で、明るい性格で誰からも愛されていました。2002年に125ccクラスで世界グランプリにデビューを飾り、05年にはランキング5位という成績を残します。大柄な身体のために125cc時代は苦労しますが、06年に250ccクラスにスイッチするとメキメキと才能を発揮。08年にワールドタイトルを獲得、09年は2位でしたが、昨年からMotoGPクラスにスイッチ。Team San Carlo Honda Gresiniのエースとして活躍していました。

2年目となる2011年シーズンは、ウインターテストから好調で、シーズン前半から中盤にかけて、2回のPPを含む6戦連続のフロントロー獲得で大きな注目を集めます。そして後半戦のスタートとなった第11戦チェコGPで3位になり、初表彰台を獲得。前戦オーストラリアGPでは2位と、今季2回目の表彰台に立っていました。

これからのイタリアのエースとして、MotoGPクラスのトップライダーとして、活躍が期待されていました。

シモンチェリ選手のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

ステファン・ブラドル(Viessmann Kiefer Racing)とマルク・マルケス(Team CatalunyaCaixa Repsol)のタイトル争いとなっているMoto2クラスは、初日のフリー走行で不運の転倒を喫したマルケスが、体調不調のために決勝をキャンセルすることになりました。このためマルケスに3点リードで今大会を迎えたブラドルは、優勝すればタイトルが決まるというシチュエーションとなりました。

予選ではトーマス・ルティ(Interwetten Paddock Moto2)がPP。ブラドルが2番手。決勝でも、この2人の一騎打ちとなり、17周目にブラドルをかわして首位に立ったルティが初優勝を達成しました。ルティがブラドルをかわした次周に転倒が出てレースは17周を終えた時点で赤旗中断となり、ブラドルにとっては、逆転のチャンスがなくなる悔しい終わり方となりました。この結果、ブラドルは欠場したマルケスに23点のリードを築き、最終戦を迎えることになりました。

コメント

中本修平 HRC副社長兼HRCチーム代表「何と言っていいか分かりません。マルコはとてもいい男であると同時に才能豊かなライダーでした。彼に対しては、時に厳しく接したこともあります。ブルノで初めて表彰台に上った際『運が良かったね』と声をかけると、彼がとても怒ったのを覚えています。私は、もっといい走りができると信じていたので、モチベーションを上げようとしたのです。彼が優勝したときには、2人で喜び合うことができると思っていたのですが……。今はマルコにありがとうと伝えたいです。彼はたくさんのものを私にくれました。そして、今悲しみの中にいる彼のご家族に哀悼の意を捧げます」

ダニ・ペドロサ(MotoGP)「あまりにも悲しい出来事なので、言うべき言葉もありません。彼の友達や彼を愛した人々に、心から哀悼の意を捧げたいです。彼の父親と一緒にいましたが、どうすればいいのか分からなかったですし、抱きしめてあげることしかできませんでした。今日の事故は致命的でした。パドックのみんながショックを受けています。このスポーツが危険なんだということを、僕たちはよく忘れます。人が亡くなるというのは、本当につらいこと。僕たちは大好きなことをやっています。でも、今日のような日は、どうしていいのか分からなくなってしまいます」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP)「どう言っていいのか分かりません。マルコの家族と彼が大切にしてきた人々、特にお父さんやお母さんの悲しみを思うと言葉もありません。僕にも子どもがいます。今日起きたことは、もっともつらい状況だと思います。映像を見て、ショックを受けました。レースではいつも全力を尽くし、転ぶこともあります。マルコは強いライダーでしたし、いつも全力でした。僕たちは子どものころから一緒にレースをしてきました。彼がいつも限界までがんばっているところを見てきました。彼はたくさん転倒したけれど大きなケガをしませんでした。彼は鉄人でした。今日起きたことは本当に信じられられません」

ケーシー・ストーナー(MotoGP)「マルコが亡くなり、大きなショックを受けています。そして、悲しいです。こうしたことが起こる度に、命の尊さを感じますし、つらい気持ちになります。家族の悲しみを思うと、どう言葉をかければいいのか分かりません。想像ができないほどつらいことだと思います。僕たちの思いは、彼の家族とともにあります。この悲劇を一緒に乗り越えていきたいです」

青山博一(MotoGP)「マルコの後ろにいて、彼が転倒したので、僕はアウト側に逃げました。前にいたエドワーズとロッシは右に逃げたのですが、あんな事故になっているとは想像もしませんでした。本当に残念。信じられない気持ちです。家族の悲しみを思うと言葉もありません」

トーマス・ルティ(Moto2 優勝)「まずは、いい仕事をしてくれたチームに感謝したいです。シーズン中盤までなかなか思うようなレースができませんでした。しかし、終盤になってだんだん調子が出てきました。来季に向けて今日の優勝は最高でした。序盤はミスもありましたし、ついていくのが大変でした。しかし、だんだんリズムをつかみ、ステファンに近づくことができました。終盤、限界でしたが、彼についていくことができました。今日はラスト2周でしかけるつもりでした。しかし、前に出るタイミングがよくて優勝することができました。でも、赤旗中断がなくても優勝できたと思います」

ステファン・ブラドル(Moto2 2位)「いいレースでした。レース中ずっとリードすることができました。後ろにトムがいて、2人で大きなリードを築くことができました。しかし、最後のレースの終わり方は信じられない気持ちでした。このレースは僕にとって、とても大事なものでした。もしかすると、タイトルを獲得することができたレースでした。でも最後は少しアンラッキーでした。しかし、内容はよかったですし、いいレースができたと思います。トムにはおめでとうと言いたいです。とにかく僕たちも全力を尽くしました。家族とチームに感謝したいです。最終戦のバレンシアではがんばりたいです」

ポル・エスパルガロ(Moto2 3位)「スタートから15周目くらいまではよかったのですが、終盤、アンジェリスが追い上げてきたのペースを上げなければなりませんでした。厳しいレースでしたが、また表彰台に立ててうれしかったです」

高橋裕紀(Moto2 リタイア)「スタートはよかったですし、1周目はブラドルとルティについていけました。しかし、ブレーキングで後ろから押される問題が出て、2周目の1コーナーで飛び出して遅れてしまいました。それから必死に追い上げようと思ったのですが、どうしても立ち上がりで離されるのでブレーキングで無理をしなければなりませんでした。それで9コーナーで飛び出して転んでしまいました。再スタートできましたが、マシンが壊れていたのでリタイアすることにしました。今日はマルコが亡くなって、言葉もありません。信じられない気持ちです。イタリアにいるときは、いつも一緒にトレーニングをしたり、ミニバイクで遊んだりしていました。本当に残念。悔しい気持ちでいっぱいです」

決勝

Moto2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
112トーマス・ルティSUTER36:35.114
265ステファン・ブラドルKALEX+0.187
344ポル・エスパルガロFTR+7.465
415アレックス・デ・アンジェリスMOTOBI+9.127
577ドミニク・エージャーターSUTER+11.494
636ミカ・カリオSUTER+11.903
751ミケーレ・ピロMORIWAKI+12.568
840アレックス・エスパルガロPONS KALEX+12.963
929アンドレア・イアンノーネSUTER+14.098
1045スコット・レディングSUTER+16.697
1134エステベ・ラバトFTR+19.568
1254ケナン・ソフォーグルSUTER+24.885
1316ジュール・クルーゼルSUTER+25.345
1463マイク・ディ・ミリオTECH 3+26.696
1519ザビエル・シメオンTECH 3+32.806
166ホアン・オリベFTR+36.497
1718ジョルディ・トレースSUTER+40.569
1887モハマド・ザムリ・ババMORIWAKI+56.756
1920イバン・モレノSUTER+1:05.966
2086ハーフィス・シャッハリンMORIWAKI+1:06.110
214ランディ・クルメンナッハKALEX+1:17.083
2239ロベルティーノ・ピエトリSUTER+1:19.415
2395マシェル・アル・ナイミMORIWAKI+1Lap
RT80アクセル・ポンスPONS KALEX+32.979
RT9ケニー・ノイズFTR+33.179
RT35ラファエレ・デ・ロサSUTER+5Laps
RT75マティア・パシーニFTR+9Laps
RT64サンティアゴ・ヘルナンデスFTR+10Laps
RT23アピワット・ウォンタナオンFTR+10Laps
RT53バレンタン・ドゥビーズFTR+11Laps
RT72高橋裕紀MORIWAKI+12Laps
RT71クラウディオ・コルティSUTER+14Laps
RT3シモーネ・コルシFTR+14Laps
RT13アンソニー・ウエストMZ-RE HONDA+16Laps
RT76マックス・ノイキルヒナーMZ-RE HONDA+16Laps
DQ 68ヨニー・ヘルナンデスFTR-

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
125M.ビニャーレスアプリリア40:34.280
211S.コルテセアプリリア+0.354
35J.ザルコデルビ+2.455
455H.ファウベルアプリリア+2.921
518N.テロールアプリリア+10.049
694J.フォルガーアプリリア+17.964
763Z.カイルディンデルビ+38.706
884J.コーンフェールアプリリア+39.099
923A.モンカヨアプリリア+39.223
1052D.ケントアプリリア+40.237

ポイントスタンディング

ライダー(Moto2)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1ステファン・ブラドルKALEX274
2マルク・マルケスSUTER251
3アンドレア・イアンノーネSUTER172
4アレックス・デ・アンジェリスMOTOBI170
5トーマス・ルティSUTER151
6シモーネ・コルシFTR127
7ブラッドリー・スミスTECH 3121
8エステベ・ラバトFTR79
9ドミニク・エージャーターSUTER78
10高橋裕紀MORIWAKI77
11アレックス・エスパルガロPONS KALEX76
12ポル・エスパルガロFTR73
13スコット・レディングSUTER63
14フリアン・シモンSUTER62
15ケナン・ソフォーグルSUTER59
16ミケーレ・ピロMORIWAKI59
17ランディ・クルメンナッハKALEX52
18ミカ・カリオSUTER41
19ジュール・クルーゼルSUTER38
20マックス・ノイキルヒナーMZ-RE HONDA35
21ヨニー・ヘルナンデスFTR33
22マティア・パシーニFTR28
23アンソニー・ウエストMZ-RE HONDA27
24クラウディオ・コルティSUTER22
25マイク・ディ・ミリオTECH 321
26アレックス・バルドリーニSUTER18
27ザビエル・シメオンTECH 315
28ケブ・コフランFTR11
29ラタパーク・ウィライローFTR4
30リカル・カルダスMORIWAKI2
31アクセル・ポンスPONS KALEX1

コンストラクター(Moto2)

順位 コンストラクター ポイント
1SUTER364
2KALEX281
3FTR188
4MOTOBI170
5TECH 3140
6MORIWAKI113
7PONS KALEX77
8MZ-RE HONDA48

ライダー(125cc)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1N.テロールアプリリア282
2J.ザルコデルビ262
3S.コルテセアプリリア225
4M.ビニャーレスアプリリア223
5H.ファウベルアプリリア161
6J.フォルガーアプリリア150
7E.バスケスデルビ147
8L.サロンアプリリア107
9S.ガデアアプリリア103
10A.モンカヨアプリリア84

コンストラクター(125cc)

順位 コンストラクター ポイント
1アプリリア395
2デルビ271
3マヒンドラ45
4KTM29