round 14

October 3 2010, RACE:15:00-(local)/15:00-(JST)
MotoGP GRAND PRIX OF JAPAN
第14戦 日本GP(ツインリンクもてぎ)

ドヴィツィオーゾ、今季5回目の表彰台となる2位でフィニッシュ

第14戦日本GP決勝は、予選3番手のケーシー・ストーナー(ドゥカティ)と、MotoGP初ポールポジション(PP)を獲得したアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)の一騎打ちとなり、ストーナーが今季2勝目。ドヴィツィオーゾは2位フィニッシュし、第5戦イギリスGPの2位以来、9戦ぶりの表彰台獲得となった。

MotoGP3年目のシーズン。49戦目にして初PPを獲得したドヴィツィオーゾは、PPから好スタートを切ってホールショットを奪った。しかし、2コーナーの立ち上がりでストーナーにかわされて2番手にダウン。その後も両選手のペースは速く、序盤にして早くも一騎打ちの様相となった。

  • アンドレア・ドヴィツィオーゾアンドレア・ドヴィツィオーゾ
  • アンドレア・ドヴィツィオーゾアンドレア・ドヴィツィオーゾ
  • マルコ・シモンチェリマルコ・シモンチェリ
  • マルコ・メランドリ(#33)、ランディ・デ・ピュニエ(#14)マルコ・メランドリ(#33)、ランディ・デ・ピュニエ(#14)
  • 青山博一青山博一
  • マルコ・メランドリマルコ・メランドリ

逃げるストーナー。それを追うドヴィツィオーゾ。ワンミスが勝敗を決する緊張感あふれる戦いとなったが、後半、小さなミスもあってややリードを広げられ、惜しくも2位でチェッカーを受けた。しかし、3位以下を大きく引き離した快走は、ツインリンクもてぎに集まったファンを喜ばせた。9戦ぶり表彰台を獲得したものの、今季初優勝を逃して悔しそうな表情だったが、ここから最終戦まで得意なサーキットが続くだけに、後半戦の巻き返しに闘志をみなぎらせていた。

その後方では、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)とホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)が3位争い。さらにその後方では、コーリン・エドワーズ(ヤマハ)とマルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)がし烈な5位争いを繰り広げた。序盤から中盤にかけてエドワーズをかわし、5番手に浮上したシモンチェリは、後半、ペースが上がらず、エドワーズにかわされて6位に終わった。しかし、今季ベストタイ。この数戦、安定した速さを身に付けているだけに、初表彰台に向けて、また一歩前進するレースだった。

スタートで出遅れたランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)は、粘り強い追い上げで9位でフィニッシュした。予選7番手からスタートし、オープニングラップで11番手と大きくポジションを落とした。序盤で8番手に浮上するも、中盤から終盤にかけて、ベン・スピーズ(ヤマハ)とアルバロ・バウティスタ(スズキ)にパスされて9位にダウンも、ロリス・カピロッシ(スズキ)がリタイアしたことで9位となった。第8戦ドイツGPで左足けい骨を骨折。第10戦チェコGPで復帰するも、なかなかトップ10フィニッシュができず、フラストレーションをためていたデ・ピュニエだが、7戦ぶりのシングルフィニッシュとなった。

ホームGPに闘志を燃やす青山博一(Interwetten Honda MotoGP)は10位でチェッカーを受けた。今大会は、初日のフリー走行で6番手と好調なスタートを切るも、2日目の予選で14番手へと大きくポジションを落とした。ブレーキング時の安定性に課題を抱えたことがその大きな理由だが、決勝レースでは、中盤からペースを上げて10位でフィニッシュした。第5戦イギリスGPのウオームアップでせきついを骨折して5戦欠場。今大会は復帰4戦目となるが、開幕戦カタールGPと同じ今季ベストリザルトの10位でフィニッシュ。次戦マレーシアGPに期待をつなげた。

予選12番手から決勝に挑んだマルコ・メランドリ(Team San Carlo Honda Gresini)は、序盤8番手まで順位を上げたが、終盤にかけて思うようにペースを上げられず11位でフィニッシュ。メランドリにとってはフラストレーションのたまるレースとなったが、今大会は、出場したHonda勢5選手すべてがポイントを獲得した。

Moto2クラスは総合首位のトニー・エリアス(Gresini Racing Moto2)が今季7勝目を達成。総合2位のフリアン・シモン(Mapfre Aspar Team)の激しい追撃を振り切った。今大会を終えて両者のポイント差は81点。計算上では、次戦マレーシアGPでチャンピオン決定の可能性が浮上した。また、総合3位のアンドレア・イアンノーネ(Fimmco Speed up)が13位と低迷。今大会を終えてチャンピオンの可能性が消滅した。日本人勢は、予選3番手からエリアスとシモンとともに序盤トップグループを形成した高橋裕紀(Tech 3 Racing)が6位だった。

コメント

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 2位) 「序盤からプッシュしたが、今日のケーシーは速かった。タイヤの温度が十分に上がらず、ケーシーのペースが速かったので、今日は厳しい戦いになると思った。100%の走りで追ったが、一部のセクションでケーシーにやや遅れていたし、何回か小さなミスをして、タイムロスしてしまった。終盤はタイヤが厳しくなってタイムアップを図れなかった。優勝を狙っていたし、2位という結果は少し残念だが、表彰台に立ててうれしい。一緒に戦ってくれたチームに感謝したい」

マルコ・シモンチェリ(MotoGP 6位) 「とてもいいレースだった。実はウオームアップのあと、もっといい結果を残せる自信があった。もう少し、前のライダーたちに近づけると思っていたが、いいスタートが切れず、その遅れを取り戻すこともできなかった。でも、攻めの走りができたし、いいペースで走れた。ただ最後に腕上がりになってペースを上げられず、コーリンに離されてしまった」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 9位) 「スタートに失敗したが、序盤は思ったよりもアグレッシブに走れた。しかし、10周目の5コーナーでシフトミスをして遅れた。まだ左足が完全な状態ではなく、それが原因だった。そのため、少しワイドになってしまい順位を落としてしまった。そのあとは単独走行になった。今日のレースを終えて、チャンピオンシップで8位をキープしているので、今回の結果にはかなり満足している。ケガをしてからずっと大変な時期が続いていたので、今回のトップ10フィニッシュは精神的にもポジティブ。いい仕事をしてくれたスタッフに感謝したい。マレーシアでのレースも楽しみにしている」

青山博一(MotoGP 10位) 「フリー、予選で抱えてきたブレーキング時の安定性が完全に解決せず、前の選手を抜くのに時間がかかり、その間に前のグループに離されてしまった。後半は、単独になって集中力が切れそうだったが、ファンの声援のおかげで最後まで走りきることができた。現状では、ほぼ満足のいくラップタイムだったし、大きなミスもなく走れた。ファンの期待に応えられず申し訳ない。次のマレーシアは大好きなサーキットなので、シングルを目指したい」

マルコ・メランドリ(MotoGP 11位) 「ひどいレースだった。スタートはよかったけれど、グリップが全然なかった。なかなかタイヤが温まらず、ほかのライダーたちよりトラクションも足りなかった。みんなのタイヤが温まってきても、僕のタイヤは全然変わりなかった。スピーズが僕を追い越した時についていこうとしたが、ついていけなかった。とっても残念なレースだった」

山路敏幸|Repsol Honda Team監督 「アンドレアのペースは速く、優勝も可能だったと思う。しかし、終盤、何度か小さなミスをしてタイムロスしたのが痛かった。しかし、アンドレアにとっては、再び、表彰台に立つことができて大きな自信になったと思うし、今後のレースにつながると思う。Repsol Honda Teamにとっては、これが250回目の表彰台というすばらしい記録を達成できたこともうれしい。この成績を残してくれた多くのライダー、そして、チームをサポートしてくれた関係者に感謝したい」

トニー・エリアス(Moto2 優勝) 「今回の優勝はとてもうれしい。タイトルにもまた近づくことができた。今週はずっといい仕事ができたし、今回の優勝を富沢(祥也)にささげたい。本当はアラゴンで願いをかなえたかったけれど、もしかしたら祥也のホームレースで優勝することの方が大きなプレゼントになったのかもしれない。今日は序盤からレースをコントロールすることができたけれど、シモンは簡単には勝たせてくれなかった。最後になんとか彼を食い止めることができた。MORIWAKIのホームサーキットで優勝できてよかった。すばらしい一日だった」

フリアン・シモン(Moto2 2位) 「今回はとてもいいレースだった。バイクについて本当にたくさん学んだし、速く走るために何が必要かもわかってきた。僕たちはかなり前進することができた。これで4回続けて表彰台に立っているし、優勝に近づいている。トニーを逃がさないよう、彼の後ろにずっとついて行ったが、オーバーテイクするチャンスが見つけられなかった。最終ラップで抜こうとしたけれど、ミスをしてしまい、その差は広がってしまった。今日の結果に満足している。次のマレーシアが待ち遠しい」

カレル・アブラハム(Moto2 3位) 「ありがとう。3位となることができたし、やっと表彰台に上ることができた。とてもうれしい。最終ラップは本当にこのままゴールできるかどうかわからなかった。僕はがんばったし、それがこの結果につながった」

高橋裕紀(Moto2 6位) 「優勝できず、表彰台にも立てず、本当に悔しいレースになった。しかし、力は出せたと思う。スタートから最後まで、一度もあきらめなかったし、最後までベストを尽くせた。表彰台に立てる位置にいたけれど、ブレーキングの安定性に問題があり、そのために加速でロスしてしまった。今日は、祥也のために表彰台に立ちたかった。祥也に表彰台をプレゼントしたかったけれど、それを果たせず、本当に残念だった。次のマレーシアで表彰台に立てるようにがんばりたい」

決勝

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
127C.ストーナードゥカティ43:12.266
24アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda+3.868
346V.ロッシヤマハ+5.707
499J.ロレンソヤマハ+6.221
55C.エドワーズヤマハ+27.092
658マルコ・シモンチェリHonda+30.021
719A.バウティスタスズキ+31.826
811B.スピーズヤマハ+35.572
914ランディ・デ・ピュニエHonda+47.564
107青山博一Honda+49.598
1133マルコ・メランドリHonda+49.999
1269N.ヘイデンドゥカティ+50.703
1340H.バルベラドゥカティ+51.422
1441A.エスパルガロドゥカティ+52.843
1536M.カリオドゥカティ+1:14.668
RT65L.カピロッシスズキ+3Laps

Moto2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
124トニー・エリアスMORIWAKI43:50.930
260フリアン・シモンSUTER+0.315
317カレル・アブラハムFTR+9.839
415アレックス・デ・アンジェリスMOTOBI/Honda+10.178
545スコット・レディングSUTER+11.237
672高橋裕紀TECH 3+12.778
765ステファン・ブラドルSUTER+17.284
812トーマス・ルティMORIWAKI+17.892
944ロベルト・ロルフォSUTER+19.235
106アレックス・デボンFTR+19.568
113シモーネ・コルシMOTOBI+22.713
1277ドミニク・エージャーターSUTER+23.417
1329アンドレア・イアンノーネSPEED UP+25.847
1471クラウディオ・コルティSUTER+27.528
1535ラファエレ・デ・ロサTECH 3+28.696
1616ジュール・クルーゼルSUTER+29.629
1740セルジオ・ガデアPONS KALEX+34.072
1863マイク・ディ・ミリオSUTER+37.087
1980アクセル・ポンスPONS KALEX+40.460
2056マイケル・ランセダーSUTER+40.653
212ガボール・タルマクシSPEED UP+40.855
229ケニー・ノイズPROMOHARRIS+42.287
238アンソニー・ウエストMZ-RE HONDA+44.814
2414ラタパーク・ウィライローBIMOTA+46.745
2528渡辺一樹SUTER+49.749
2653バレンティン・ドゥビーズADV+49.964
274リチャード・カルダスBIMOTA+1:14.349
2895マシェル・アル・ナイミBQR-MOTO2+1:15.823
2988ヤニック・グエラMORIWAKI+1:16.189
3055ヘクトル・ファウベルSUTER+1:21.900
3139ロベルティーノ・ピエトリSUTER+1:26.024
3261ウラジミール・イワノフMORIWAKI+1:27.673
3370フェルッチオ・ランボルギーニMORIWAKI+1:41.644
3493高橋江紀RBB+1:45.570
RT5ホアン・オリベPROMOHARRIS+2Laps
RT25アレックス・バルドリーニI.C.P.+2Laps
RT68ヨニー・ヘルナンデスBQR-MOTO2+3Laps
RT66國川浩道BIMOTA+12Laps
RT10フォンシ・ニエトMORIWAKI+20Laps
RT11手島雄介TSR-

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
193M.マルケスデルビ39:46.937
240N.テロールアプリリア+2.612
338B.スミスアプリリア+8.396
444P.エスパルガロデルビ+18.873
523A.モンカヨアプリリア+31.973
612E.ラバトアプリリア+32.139
799D.ウェッブアプリリア+46.716
839L.サロンアプリリア+49.444
926A.マーティンアプリリア+49.867
1014J.ザルコアプリリア+55.912
ポイントスタンディング

ライダー(MotoGP)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1J.ロレンソヤマハ297
2ダニ・ペドロサHonda228
3C.ストーナードゥカティ180
4アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda159
5V.ロッシヤマハ156
6B.スピーズヤマハ139
7N.ヘイデンドゥカティ129
8ランディ・デ・ピュニエHonda88
9マルコ・シモンチェリHonda84
10C.エドワーズヤマハ81
11マルコ・メランドリHonda79
12H.バルベラドゥカティ69
13A.バウティスタスズキ58
14A.エスパルガロドゥカティ52
15L.カピロッシスズキ41
16青山博一Honda35
17M.カリオドゥカティ34
18アレックス・デ・アンジェリスMOTOBI/Honda11
19ロジャー・リー・ヘイデンHonda5
20秋吉耕佑Honda4
21吉川和多留ヤマハ1

マニュファクチャラー(MotoGP)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1ヤマハ309
2Honda285
3ドゥカティ220
4スズキ81

ライダー(Moto2)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1トニー・エリアスMORIWAKI249
2フリアン・シモンSUTER168
3アンドレア・イアンノーネSPEED UP147
4トーマス・ルティMORIWAKI138
5シモーネ・コルシMOTOBI113
6ガボール・タルマクシSPEED UP95
7ジュール・クルーゼルSUTER94
8高橋裕紀TECH 386
9富沢祥也SUTER82
10セルジオ・ガデアPONS KALEX59
11スコット・レディングSUTER58
12アレックス・デボンFTR52
13ステファン・ブラドルSUTER52
14ロベルト・ロルフォSUTER50
15カレル・アブラハムFTR49
16ドミニク・エージャーターSUTER49
17フォンシ・ニエトMORIWAKI41
18ラタパーク・ウィライローBIMOTA30
19ヨニー・ヘルナンデスBQR-MOTO227
20アレックス・デ・アンジェリスMOTOBI/Honda24
21マイク・ディ・ミリオSUTER24
22ケニー・ノイズPROMOHARRIS18
23クラウディオ・コルティSUTER18
24アンソニー・ウエストMZ-RE HONDA17
25アレックス・バルドリーニI.C.P.14
26マティア・パシーニMOTOBI12
27ダミアン・クドリンPONS KALEX9
28ザビエル・シメオンMORIWAKI9
29ヘクトル・ファウベルSUTER8
30ジェイソン・ディサルボFTR7
31ラファエレ・デ・ロサTECH 35
32ルーカス・ペセックMORIWAKI5
33ミケーレ・ピロMORIWAKI2
34マイケル・ランセダーSUTER2
35アクセル・ポンスPONS KALEX2
36ウラジミール・イワノフMORIWAKI2
37アルネ・トードSUTER2
38手島雄介TSR1

マニュファクチャラー(Moto2)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1MORIWAKI274
2SUTER236
3SPEED UP172
4MOTOBI123
5FTR100
6TECH 389
7PONS KALEX68
8BIMOTA30
9BQR-MOTO227
10PROMOHARRIS18
11MZ-RE HONDA17
12I.C.P.14
13FORCE GP21011
14RSV10

ライダー(125cc)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1N.テロールアプリリア228
2M.マルケスデルビ222
3P.エスパルガロデルビ215
4B.スミスアプリリア160
5S.コルテセデルビ122
6E.ラバトアプリリア118
7E.バスケスデルビ110
8小山知良アプリリア102
9R.クルメンナッハアプリリア84
10D.ウェッブアプリリア80

マニュファクチャラー(125cc)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1デルビ310
2アプリリア271
3Honda19
4KTM6
5ランブレッタ1