サンマリノGPの予選は、最高気温26℃。路面温度42℃という絶好のコンディションの中で行われ、初日のフリー走行でトップタイムをマークしたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が、2戦ぶり今季4回目のPPを獲得した。前戦インディアナポリスGPで今季3勝目を挙げたペドロサは、初日のフリー走行でトップタイムと今大会も好調なスタートを切り、2日目の予選でも2番手以下に大きなリードを築いた。
午前中のフリー走行では、ロングランに集中して2番手。このセッションではホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)に首位の座を譲ったが、午後の予選ではロレンソに0.308秒差をつけて見事にPPを獲得した。前戦インディアナポリスGPでは、最高峰クラスでは自身初となるシーズン3勝目を達成。今大会は、自身初となる最高峰クラスの2連勝を狙う。
2番手にはロレンソ。3番手にケーシー・ストーナー(ドゥカティ)、4番手にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)と続き、初日2番手のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)は、フロントのセッティングが決まらず8番手。対照的に初日12番手のランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)が、一気に6番手に浮上した。
第8戦ドイツGPの決勝で転倒して左足を負傷、第10戦チェコGPから復帰したデ・ピュニエは、チェコGPで10位と健闘。前戦インディアナポリスGPでは左回りのサーキットに苦戦して13位と低迷したが、復帰3戦目となるミサノで復活をアピールする快走を見せた。一方、初日2番手と順調なスタートを切ったドヴィツィオーゾは、フロントのフィーリングが改善せず、セッティングに集中するも8番手へと順位を落とした。しかし、地元ファンが大勢駆けつける大会だけに、決勝での追い上げに闘志を燃やしている。
9番手のマルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)、10番手のマルコ・メランドリ(Team San Carlo Honda Gresini)も、今大会はホームGPとなる。初日13番手のシモンチェリは、この日もさまざまなセッティングにトライして、最終的に9番手につけた。順調にセッティングが進んだメランドリも、最後にトライしたセッティングでタイムを伸ばせなかったが、ともにトップ10入り。決勝では、ドヴィツィオーゾとともに、追い上げのレースに注目される。復帰2戦目を迎える青山博一(Interwetten Honda MotoGP)も、着実にタイムを上げて13番手。この日はブレーキングに課題を抱えたが、決勝前のウオームアップで最後の調整を行い決勝に挑む。
Moto2クラスは、前戦インディアナポリスGPで今季5勝目を挙げて勢いに乗るトニー・エリアス(Gresini Racing Moto2)が、開幕戦カタールGP以来、10戦ぶりのPPを獲得した。エリアスは、前戦インディアナポリスGPで体調を崩し、厳しいレースを強いられた。今大会も思ったほど体調は回復していないが、今大会はチームのホームGPとなるだけに、シーズン4連勝と今季6勝目を目指す。
以下、トップから10番手までが1秒差以内という接戦の中で、2番手にスコット・レディング(Marc VDS Racing Team)、3番手にフリアン・シモン(Mapfre Aspar Team)、4番手にジュール・クルーゼル(Forward Racing)と続き、初日のフリー走行で3番手だった富沢祥也(Technomag-CIP)が8番手。初日22番手と出遅れた高橋裕紀(Tech 3 Racing)は、セッティングが決まらなかったが、13番手までポジションを上げた。代役出場の山口辰也(Gresini Racing Moto2)は、初日より2.5秒タイムを短縮、36番手から29番手へとポジションを上げた。
ダニ・ペドロサ(MotoGP ポールポジション) 「フリー、予選と、予定通りにメニューを消化することができた。そして、内容もよかった。最終的にPPを獲得できたので、今週もいいレースをする自信がある。とにかく、ここまではとても順調にきている。MotoGPでは、これまで2連勝したことがないので、今回は2連勝にチャレンジするいいチャンス。それを達成するために全力を尽くしたい。今日のセッションは、昨日の走行が終わったときに予想した通りに、とても厳しい戦いになった。このサーキットは、1コーナーから先、いくつかタイトなコーナーが続くので、フロントローからスタートできるのはとてもうれしいことだ。とにかく、スタートに集中したい、このサーキットは逃げきることはできないと思うので、積極的に前に出ていきたい」
ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 6番手) 「最悪のレースになったインディアナポリスのことを思えば、今日の予選はとてもよかった。やっと本来の自分のポジションに戻ることができたような気分だ。ミサノは好きなサーキット。左足の状態は日ごとによくなっている。しかし、まだ100%の状態ではないし、それを思えば、今日は気持ちよく攻めることができた。午前中のフリー走行はフロントのフィーリングに苦しんだが、午後には問題も解決した。いいレースができる自信が戻ってきた。明日は転倒しないように最後まで走りたい」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 8番手) 「昨日はフロントの安定性に課題を抱えていたので、今日はビッグチェンジにトライした。結果的にそれがうまくいかず、フリー、予選と苦戦した。予選セッション終盤には、転倒寸前の滑りも経験した。現状でペースを上げるのはかなり厳しいので、明日のウオームアップでさらにセットアップにトライしなくてはならない。明日は厳しいグリッドからのスタートになるが、追い上げのレースにチャレンジしていく」
マルコ・シモンチェリ(MotoGP 9番手) 「昨日からいろいろセットアップを続けていたが、セッションの中盤になって、やっといい状態を見つけることができた。最終的にインディアナポリスGPで変更したセッティングを、ブルノの状態に戻すことにしたのだが、このおかげでラップタイムを短縮することができた。今回は方向性を見つけるのに時間がかかってしまったけれど、いい状態になって決勝レースを迎えられることになってよかった。明日はいいレースをしたい」
マルコ・メランドリ(MotoGP 10番手) 「昨日から今日にかけて、セットアップが順調に進んだ。予選セッションでもいい感じでタイムを出すことができた。しかし、セッション終盤に行った変更があまりよくなくて、タイムを上げることができなかった。予選は10番手だが、まずまずの状態に仕上げることができている。ホームGPなので、明日はいいスタートを切って、いい結果を残したい」
青山博一(MotoGP 13番手) 「昨日試したセットアップで、今日はセッティングを詰めていった。午前中は路面温度が低かったせいなのか、あまりフィーリングはよくなかった。しかし、午後は気温も路面温度も上がって、フィーリングもよくなった。午前中はかなり振られたけれど、午後は振られないようにセッティングしていった。タイムは上がったけれど、まだまだ自分のフィーリングにフィットしていないので、明日のウオームアップでバランスを見直したい。今日はブレーキングがあまりよくなくて、それも全体のリズムに影響した」
山路敏幸|Repsol Honda Team 監督 「今日はダニがPPを獲得したので、Repsol Honda Teamとしては、非常にいい結果だった。前回のインディアナポリスで優勝し、その好調をキープしてくれた。明日のレースは、ダニにとって最高峰クラスでは初の2連勝を狙うことになるが、その準備はできていると思う。今日は午前中のフリー走行と午後の予選で、路面温度が10℃から15℃くらい変わって難しいセッションになった。しかし、Honda勢としては、暑くなってくれた方が条件としてはいいのかも知れない。アンドレアは、昨日からフロントのフィーリングに苦しんでいるが、徐々にタイムを短縮して調子も上げている。明日のウオームアップでもう少しアベレージを上げて決勝に挑みたい。明日も晴れることが予想されるが、今日と同じようなコンディションになれば、タイヤのマネージメントとペース配分がカギを握ってくる。明日は、インディアナポリスで果たせなかった1-2を狙っていきたい」
トニー・エリアス(Moto2 ポールポジション) 「先週のインディアナポリスGPから体調がよくないので、今日のPPはとてもうれしい。インディアナポリスGPの後、抗生物質で体調が改善することを期待していたが、それほどよくはならなかった。昨日も今日もセッションを走りきるのがやっとだった。しかし、こうしてPPを取れたし、チームには本当に感謝している。フリー走行で1分40秒をきれなかったのに、予選で38秒台を出せたこともよかった」
富沢祥也(Moto2 8番手) 「昨日はいいフィーリングだったのだが、今日はフリー走行でタイムを上げられず、午後の予選でも思ったほどタイムを短縮できなかった。今日の課題はブレーキングで、シフトダウンのときにリアの安定性がなかった。それで思いきり入っていけず、タイムをロス。止まりきれず何度もコースアウトしてしまった。思ったようなタイム、ポジションではなかったが、今回は2日間一度も転倒がなかったので、問題点もクリアになっている。明日のウオームアップで最後の調整に挑みたい」
高橋裕紀(Moto2 13番手) 「昨日よりはよくなったけれど、気持ちよく走れる状態には仕上がらなかった。おまけに14コーナーで、前の選手との接触を避けようとして転倒してしまった。転倒そのものは大したことはなかったのだが、頭から滑っていったので、ちょっと危なかった。今日はタイトコーナーの続くコース前半で、うまく走れなかった。今年抱えている、曲がらないという基本的な問題は変わっていないし、高速コーナーが続く後半セクションはまずまずだった。13番手だけど現状では追い上げられそうな要素もなく、明日のウオームアップで最後のセットアップに取り組みたい」
山口辰也(Moto2 29番手) 「昨日に比べたら徐々に攻められるようになった。しかし、午前中のフリー走行で2度も転んでしまった。タイムも昨日から3秒近く上げられたが、トップグループからはまだまだ1秒半以上も遅れている。後半の高速コーナーを全開でいけるようになれば、あと1秒は短縮できると思う。今日は自分の好みにセッティングして、課題の高速コーナーも攻略できるようになった。予選では、セッション終盤にアタックしようと思ったのだが、タイヤのグリップがあまりよくなくて途中で止めてしまった。それがなければもう少し上のグリッドに並べたと思う。明日はとにかくポイントを獲得できるようにがんばりたい」
MotoGP
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 26 | ダニ・ペドロサ | Honda | 1:33.948 |
2 | 99 | J.ロレンソ | ヤマハ | +0.308 |
3 | 27 | C.ストーナー | ドゥカティ | +0.449 |
4 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | +0.522 |
5 | 11 | B.スピーズ | ヤマハ | +0.524 |
6 | 14 | ランディ・デ・ピュニエ | Honda | +0.803 |
7 | 5 | C.エドワーズ | ヤマハ | +0.834 |
8 | 4 | アンドレア・ドヴィツィオーゾ | Honda | +0.878 |
9 | 58 | マルコ・シモンチェリ | Honda | +0.986 |
10 | 33 | マルコ・メランドリ | Honda | +1.070 |
11 | 65 | L.カピロッシ | スズキ | +1.148 |
12 | 40 | H.バルベラ | ドゥカティ | +1.311 |
13 | 7 | 青山博一 | Honda | +1.338 |
14 | 69 | N.ヘイデン | ドゥカティ | +1.355 |
15 | 41 | A.エスパルガロ | ドゥカティ | +1.490 |
16 | 19 | A.バウティスタ | スズキ | +1.681 |
17 | 36 | M.カリオ | ドゥカティ | +1.776 |
Moto2
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 24 | トニー・エリアス | MORIWAKI | 1:38.991 |
2 | 45 | スコット・レディング | SUTER | +0.044 |
3 | 60 | フリアン・シモン | SUTER | +0.289 |
4 | 16 | ジュール・クルーゼル | SUTER | +0.422 |
5 | 29 | アンドレア・イアンノーネ | SPEED UP | +0.435 |
6 | 3 | シモーネ・コルシ | MOTOBI | +0.673 |
7 | 15 | アレックス・デ・アンジェリス | MOTOBI | +0.695 |
8 | 48 | 富沢祥也 | SUTER | +0.787 |
9 | 75 | マティア・パシーニ | SUTER | +0.865 |
10 | 2 | ガボール・タルマクシ | SPEED UP | +0.866 |
11 | 55 | ヘクトル・ファウベル | SUTER | +1.054 |
12 | 77 | ドミニク・エージャーター | SUTER | +1.056 |
13 | 72 | 高橋裕紀 | TECH 3 | +1.084 |
14 | 71 | クラウディオ・コルティ | SUTER | +1.110 |
15 | 12 | トーマス・ルティ | MORIWAKI | +1.110 |
16 | 19 | ザビエル・シメオン | MORIWAKI | +1.162 |
17 | 65 | ステファン・ブラドル | SUTER | +1.173 |
18 | 40 | セルジオ・ガデア | PONS KALEX | +1.193 |
19 | 63 | マイク・ディ・ミリオ | SUTER | +1.210 |
20 | 70 | フェルッチオ・ランボルギーニ | SUTER | +1.299 |
21 | 25 | アレックス・バルドリーニ | I.C.P. | +1.532 |
22 | 56 | マイケル・ランセダー | SUTER | +1.540 |
23 | 68 | ヨニー・ヘルナンデス | BQR-MOTO2 | +1.588 |
24 | 44 | ロベルト・ロルフォ | SUTER | +1.686 |
25 | 17 | カレル・アブラハム | FTR | +1.741 |
26 | 80 | アクセル・ポンス | PONS KALEX | +1.760 |
27 | 39 | ロベルティーノ・ピエトリ | SUTER | +1.889 |
28 | 35 | ラファエレ・デ・ロサ | TECH 3 | +1.939 |
29 | 99 | 山口辰也 | MORIWAKI | +2.083 |
30 | 52 | ルーカス・ペセック | MORIWAKI | +2.156 |
31 | 53 | バレンティン・ドゥビーズ | ADV | +2.187 |
32 | 14 | ラタパーク・ウィライロー | BIMOTA | +2.278 |
33 | 59 | ニッコロ・カネパ | BIMOTA | +2.531 |
34 | 8 | アンソニー・ウエスト | MZ-RE HONDA | +2.535 |
35 | 9 | ケニー・ノイズ | PROMOHARRIS | +2.803 |
36 | 5 | ホアン・オリベ | FTR | +2.862 |
37 | 4 | リチャード・カルダス | BIMOTA | +3.070 |
38 | 95 | マシェル・アル・ナイミ | BQR-MOTO2 | +3.666 |
39 | 88 | ヤニック・グエラ | MORIWAKI | +3.836 |
125cc
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 38 | B.スミス | アプリリア | 1:43.329 |
2 | 93 | M.マルケス | デルビ | +0.158 |
3 | 40 | N.テロール | アプリリア | +0.315 |
4 | 44 | P.エスパルガロ | デルビ | +0.480 |
5 | 71 | 小山知良 | アプリリア | +0.943 |
6 | 11 | S.コルテセ | デルビ | +1.012 |
7 | 7 | E.バスケス | デルビ | +1.150 |
8 | 12 | E.ラバト | アプリリア | +1.232 |
9 | 99 | D.ウェッブ | アプリリア | +1.487 |
10 | 14 | J.ザルコ | アプリリア | +1.600 |