round 12

September 5 2010
MotoGP G.P. APEROL DI SAN MARINO E DELLA RIVIERA DI RIMINI
第12戦 サンマリノGP

サンマリノGPプレビュー

GPカレンダーに復活して今年で4年目の大会を迎えるミサノ。第12戦サンマリノGPが、9月3日から5日の3日間、ミサノ・サーキットで開催される。昨年に続き、今年もインディアナポリスGPから2週連続の開催。最高気温35℃の暑さの中で繰り広げられたインディアナポリスGPから、選手たちは大西洋を越えてイタリア入り。ムジェロに続き、今季2回目のイタリア開催グランプリに気合を入れる。

スペインとならびイタリアは、グランプリに最も多くのライダーを送り出している。その中の1人、Repsol Honda Teamのアンドレア・ドヴィツィオーゾは、第4戦イタリアGPに続き、今季2回目のホームGPに気合を入れる。前戦インディアナポリスGPでは、フリー、予選と好調な走りを見せ、今季5回目の表彰台と今季初優勝の期待が膨らんだが、最高気温35℃、路面温度56℃というコンディションで車体のバランスが崩れ、後半ペースを落として5位に終わった。今大会はその雪辱に闘志満々。第4戦イタリアGPでは3位表彰台に立って地元ファンの声援に応えた。今大会は地元ファンの声援をパワーに、今季初優勝を狙う。

インディアナポリスGPで今季3勝目を挙げたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、今大会、2連勝を狙う。インディアナポリスでは、最高峰クラス初のシーズン3勝目を挙げた。今大会は最高峰クラス初の連勝にチャレンジ。自身のシーズン最多記録をさらに伸ばす意気込みだ。この数戦、ペドロサはレースをこなすごとに上昇ムードを感じさせている。第9戦アメリカGPでは転倒に終わるもトップを快走した。第10戦チェコGPでは今季3回目のPPから2位。先週のインディアナポリスGPでは、フリー、予選ともに優勝を狙える内容で、決勝では見事、仕上がりのよさを結果につなげた。昨年のサンマリノGPは3位表彰台。今年はドヴィツィオーゾとともに優勝を狙う。

Team San Carlo Honda Gresiniのマルコ・シモンチェリ、マルコ・メランドリの両選手にとっても、今大会は重要な戦いとなる。ミサノを本拠地にする同チームにとっては、正真正銘のホームGP。イタリア出身の両選手にとってもホームGPとなるだけに、今季最高のプレッシャーの中でのレースとなる。この数戦、マシンのセットアップが進み、上り調子のシモンチェリは、ミサノでは過去表彰台がないだけにミサノ初表彰台獲得に気合満点。マシンのセットアップに苦しんでいるメランドリも、調子を取り戻すターニングポイントにしようと気合を入れている。

また、LCR Honda MotoGPにとっても、今大会はホームGPとなる。第8戦ドイツGPで左足を負傷、第10戦チェコGPで復帰して10位になったランディ・デ・ピュニエは、前戦インディアナポリスGPで苦しい走りを強いられて13位に終わった。その理由の1つが、左足に負担の大きい左回りのサーキットだったことがある。対照的にミサノは、右コーナーの多いレイアウト。昨年も左足首を負傷してサンマリノGPに挑んでいるデ・ピュニエは、2年連続で完調ではないが、一昨年の大会で予選4番手になるなど得意とするサーキットだけに注目される。

ケガから復帰2戦目を迎える青山博一(Interwetten Honda MotoGP)も、250cc時代の2007年に2位表彰台、昨年の大会ではPPを獲得、決勝で4位になっている。インディアナポリスに続き、今大会も気温が上がることが予想される。コルセットを装着してレースに挑む青山にとっては、2戦連続で苛酷な条件となるが、前戦インディアナポリスGPの12位以上のリザルトを狙う。

Moto2クラスは、今季最高の激戦が予想される。一周4.226km。低速コーナーから高速コーナーまでバラエティに富んだテクニカルコースのミサノ。前戦インディアナポリスGPで3連勝を達成、今季5勝目を挙げて総合首位のトニー・エリアス(Gresini Racing Moto2)は、チームのホームGPで4連勝を狙う。エリアスは、MotoGP時代の08年に3位表彰台に立つなど、ミサノを得意とする。先週のインディアナポリスGPは、体調不十分な中での熱走だったが、今大会は今季最高のプレッシャーの中で快走を披露する意気込みだ。

インディアナポリスGPで4位、総合2位のアンドレア・イアンノーネ(Fimmco Speed Up)も、チームのホームGPで今季3勝目を狙う。以下、Moto2クラスは、イタリアをホームGPとするチームが多いだけに、予選、決勝と熱戦が繰り広げられそうだ。

日本人勢は、250cc時代の一昨年の大会で2位表彰台に立っている高橋裕紀(Tech 3 Racing)を筆頭に、富沢祥也(Technomag-CIP)の2人は、ともに今季2勝目を狙う。インディアナポリスGPに続き、手島雄介(JIR Moto2)が今大会も引き続き出場する予定だ。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング2位) 「インディアナポリスGPで優勝して今季3勝目を挙げることができた。まだシーズンは残り7戦もあるので、さらに優勝回数を増やしていきたい。とにかく今は、とてもいい状態にある。インディアナポリスは体力的にハードなレースだったし、そういうレースで優勝できて、とても自信になった。2週連続ということで、インディアナポリスの疲れはあるが、体力的には問題はない。チームはとてもいいムードだ。今週も優勝を目標に戦っていきたい。ミサノは、機敏なハンドリングとスムーズなライディングが要求されるサーキットだが、インディアナポリス同様、トップを走れるようにしたい。2007年にミサノにグランプリが復帰してからHondaはまだ勝っていないが、今年はパワーに勝るHondaエンジンのポテンシャルをうまく引き出せるようにしたい。総合首位のロレンソ(ヤマハ)とのポイント差は、依然として大きいが、優勝することで、チャンスが巡ってくると思う。一戦一戦ベストを尽くしていきたい」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP ランキング3位) 「インディアナポリスで表彰台に立てなかったので、今週のミサノは表彰台に立つことが絶対の目標になる。インディアナポリスは、いいペースで走ることができたのだが、それをキープできなかった。これを改善しなければならないし、今週はいい結果を残したい。ミサノは短いストレートとコーナーを組み合わせたテクニカルコースで、ここもバンピーなコースだ。しかし、先週のインディアナポリスでバンピーな路面と格闘してきたので、その分、楽なスタートが切れると思う。ミサノは、自宅から70kmしか離れていないし、ホームGPと言ってもいい特別なサーキットだ。2000年に初めてロードレースに参加にしたのもこのサーキットで、そのときの感動は忘れられない。昨年のGPは初めてオーリンズのサスペンションを使って4位になっている。昨年から一年、どうよくなり、進歩しているのか、確認してみたい」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP ランキング8位) 「先週のインディアナポリスGPは、その2週間前にケガから復帰したチェコGPより苛酷で厳しいレースになってしまった。その理由は、インディアナポリスのコースレイアウトにあるのだが、今週のミサノが、そういうことがないように期待したい。インディアナポリスから2週連続ということで左足の状態はそれほど変わらない。よくなっていることも期待していないが、ミサノは好きなサーキットなので、インディアナポリスよりはいいリザルトを残し、総合8位をキープしたい」

マルコ・シモンチェリ(MotoGP ランキング9位) 「先週のレースは、目標の5位以内にはなれなかったが、満足のいくものだった。今週のミサノでは、インディアナポリスで果たせなかった目標を今度こそ達成したい。ミサノは、正直、あまり好きなサーキットではなくて、これまでいい結果を残したことがない。しかし、今年は地元応援団の期待に応えたい。後半戦のスタートになったブルノから、マシンのセットアップでは大きなステップを刻んできている。ミサノでさらに前進したい。Hondaとチームからのサポートには感謝しているし、今の自分の成長にはなくてはならないもの。今大会も全力で挑みたい」

マルコ・メランドリ(MotoGP ランキング10位) 「インディアナポリスの転倒には本当にがっかりした。相変わらずフロントのフィーリングが決まらず、どのサーキットでも苦戦している。自分のライディングスタイルに合わず、RC212Vの限界まで攻めることができていない状態だ。今週のミサノでは、これまでの遅れを取り戻せるような進歩を期待しているし、自分のポテンシャルを見せられるようなレースをしたい。ここはチームにとっても自分にとってもホームGPとなるので、みんなに喜んでもらえるような結果を残したい」

青山博一(MotoGP ランキング17位) 「先週のインディアナポリスGPは、とてもハードな戦いだったし、完治していない背中にも大きな負担がかかった。2週連続ということで、数日間で疲れが完全に取れるかどうか不安はあるが、今年一番というハードなレースを走りきったことで、大きな自信になった。まだコルセットを使用してのライディングなので、100%の走りができているとはいえない。車体のセットアップというより、人間の走り込みでタイムが上がっている状態なので、今週もなるべく多く周回数を刻みたい。昨年、250ccクラスではPPを獲得して表彰台争いに加わった。今年もいいレースをしたい」

トニー・エリアス(Moto2 ランキング1位) 「先週のインディアナポリスGPはレースウイークを通じて厳しいレースで、決勝で勝つまでレースを楽しめなかった。チームとクリニカ・モービルのスタッフには心から感謝したい。Moto2クラスは本当に厳しいクラスなので、先週5勝目を挙げてポイントでリードしているとは言っても、少しも安心できない。今週はベストな体調で気持ちよくレースを戦えるように願っている。ここはチームのホームレース。期待に応えなくてはいけない」

富沢祥也(Moto2 ランキング6位) 「インディアナポリスはスタート直後の多重クラッシュに巻き込まれ、再スタートのグリッドに並べなかった。これでインディアナポリスは2年連続でレースができなかったことになる。本当に残念だった。今週のミサノは、この分もがんばりたい。昨年、250ccで走ったときは、嫌いなコースじゃなかったし、ポイントも獲得している。もう何度も言っていることだけれど、走りそのものは悪くないので、それを結果につなげたい」

高橋裕紀(Moto2 ランキング8位) 「インディアナポリスは、本当に厳しいレースだった。スタート直後の多重クラッシュでぶつけられ、再スタートが切られてからも後続のライダーにぶつけられて転倒。再スタートしたけれど3周遅れでフィニッシュするのがやっとだった。そのときに左腕を打ったけれど、今週のレースには影響はない。ミサノでレースをするのは2年ぶり。一昨年は2位表彰台に立っているので、今回は優勝を目標に戦いたい」